314話 風呂屋
晩御飯が食べ終わり。メイド達が皿を回収する。
「これからキミたちはどうするのかね?」
「どうするって。帰るに決まっているが」
「まぁそうだろな。で、明日もここに来るのか?」
「そうだな、まだ練習してないボックスがあるな」
「それなら泊ったらどうだい? 一々ここに来る手間が省けると思うが」
「――――――・・・それもそうだな」
「えっ! そしたらご飯はどうなるんですかっ!?」
「アリサはご飯の心配かよ・・・。朝ぐらいは俺が作るよ」
「いや、朝もこちらが用意するが」
「タダで泊めてもらえるんだ、せめて朝ご飯は作らせてくれ」
「・・・まぁいいだろう。キミのすきにすればいい」
「そうするよ」
「ところで大きめの風呂もあるが、入るかい?」
「風呂もあるのか。勿論入る。アリアナ、アリサ。行こう」
俺達は立ち上がる。すると、1体のメイドがこっちに来て。紙に、風呂場に案内しますっと書いてあった。俺達はメイドに案内してもらう。
「・・・・・・そこはわたしも誘うところだろ」
「・・・ねぇユウヒ君」
「何だ?」
「普通に一緒に入ってるけど。何で?」
「何でって。一々待つの嫌だろ。それなら一緒に入った方がいいだろ。それに、俺は体をタオルで巻いていれば特に問題ないしな」
「そうなんだ」
結構前にも言ったような気がする。
「何だかんだで、3人で一緒に入るのは初めてですね」
「そうだな。いつもは2人で入ってるんだろ?」
「そうだね」
「ユウヒさんは、メアリー様がいる時は一緒に入ってましたね」
「入っていたな。おかげで、いつタオルを剥ぎ取られるか。不安だったよ」
「流石にメアリー様もお風呂では、そんなことはしないと思うよ」
「そう思いたいな」
――――神界。
「――――――くしゅん」
「大丈夫ですか、メアリー様?」
「はい。誰かに噂をされてますね」
「?」
「随分とくつろいでるねぇ、キミたち」
後ろからミヤさんの声が聞こえる。
「風呂だからくつろぐだろ」
「そうだね~~。ウチの風呂は広くないからね~~」
「それは言っちゃいけない」
「・・・ユウヒは貴族か?」
「違うよ。俺は普通の平民だよ」
「そうなのか? まぁどうでもいい事か」
「そうそう、どうでもいい事だ」
「さて、体を洗うか」
ミヤさんは体を洗い始める。
「当然だが、何で町には風呂屋がないんだ?」
「「ふろや?」」
「言葉通り、風呂がある店だ。金を払って風呂に入る。それだけだな」
「それだけ?」
「それだけ。中には風呂から出たら、本が読めたりマッサージが出来たり。色々サービスがあったりする」
「でも、そんなの出来ても儲けるの?」
「儲けるだろ。聞くけど、一般の家庭には風呂があるのか?」
「ないですよ。お風呂がある家は、貴族か大商人かお金に余裕がある人ですよ」
「そうなると、一般の家庭にはないんだな。そこで風呂屋だ。1回入るのに格安で提供すれば、客は普通に来るだろ」
「それだと、お湯とかはどうするの?」
「浄化魔法で綺麗にする。水が足りないなら水魔法で増やせばいいし、ぬるくなったら火魔法で温めればいい。それが面倒なら魔道具でも作って両方操作出来るものにする」
「それだけでいいですか?」
「多分な。店を出して商品を売るよりかは、楽だと思うが」
「んん~~~。仮に出来たとして、絶対に貴族か商人が邪魔してくるよね」
「そうだな。その店よこせって言ってくるな」
「面白い話をしているね」
ミヤさんがこっちに来る。
「そうか?」
「そうだとも。その風呂屋を作って、平民からカネを巻き上げる。実に楽しそうじゃないか」
しまった。この人元貴族だった・・・。
「フム。何かいい金策がないか考えていたが。なるほど、風呂屋か」
そう言いながら浴槽に入ってくる。
「仮にやるとしても、常民標を作成しないといけないし。土地も借りないといけない」
「そうだね。土地を借りてもお店を作らないといけなし」
「風呂になると、大きな浴槽が必要になりますね」
「・・・始めるのに随分と時間がかかるな」
「そうだな。じゃあ俺は上がる」
俺は浴槽から出る。
「私も出よっと」
「なら私も」
アリアナとアリサも浴槽から上がる。俺達は風呂場から出る。
「・・・もう少し早く入るべきだったか」




