313話 メガネ
練習を始めてから、8時間が経つ。
「練習は順調かね?」
わたしは練習用ボックスがある部屋に入りながら言う。
「順調だけど。ユウヒ君がずっと同じボックスをやってるね」
「しかも話しかけても反応しません」
「なるほど。それだけ集中しているわけだ」
わたしは胸ポケットにあるメガネを取ってメガネをかける。
「ユウヒさんが練習してるボックスは、左に回すようなものが付いてるボックスで練習してますね」
「面倒なものを手お付けたみたいだな」
「そんなに面倒なの?」
「面倒だとも。なにせその回すものを回しながら、棒を通さないといけないからね」
「それだけで面倒なの?」
「面倒ですよ。ユウヒさんが練習で使ってる、ボックスの鍵穴の構造を見てください」
「複雑の道になってるけど、急に鉄の棒が平べったくなってるけど。何で?」
「その場所は、回して道を作る所なんですが。回すと全ての道がバラバラになっていて、平べったくなってるところもあれば、普通に丸い棒のままになってますよ。―――例えば、こことここです」
「あ、本当だ。つまり、途中で平べったくしないと先に進めないんだ」
「そうです。このボックスの面倒なところです」
――――――ガチャ。
「開いたようだね」
俺は鉄の棒を平べったくして、一気に縮める。出入口が近くなったら引っこ抜く。
「つ、疲れた・・・」
汗が一気に出る。俺は浄化魔法で服と体を綺麗にする。
「お疲れ、ユウヒ君」
「お疲れ様です」
「お疲れ」
「ミヤさん。いつからいたんですか?」
「さっきだ。キミたちの様子を見に来たのだが。キミだけまだやっていたから、見学させてもらったよ」
「ミヤさんも構造理解を持っているですか?」
「いや、持っていないが。このメガネに構造理解が付与されている。このメガネをかければ、構造理解が常に構造理解が使えるようになる」
「便利だな~」
しかしこのボックス。左側に金庫のダイヤル式が付いてるとはな。おかげで凄く難しかった。ダイヤルを回すと上下する道が全部上下するから、こっちは棒を平べったくしたり丸くしたりと。とにかく大変だった。
「で、キミたちはこれから休憩かね?」
「休憩しなと倒れる気がする・・・」
「なら丁度いい。今から晩御飯にするが、食べるかね?」
「もうそんな時間か。どうする?」
「いいじゃないですか? たまには他の人の料理を食べるのは」
「私もいいと思うよ」
「なら、ご馳走になるか。ところで、食材はあるのか?」
「あるとも。何週間前に古いギルドカードが見つかってね。それを持って人族の方の門番に見せたのだが・・・」
「騒ぎになったのか?」
「そうだ。わたしはただ、近くの町に行って買い物をしようとしただけなのに。何故かラストタウンの領主に会う羽目になった。その領主はわたしに対して。専属の研究者になって欲しいと言って来た」
大方、ソニアを自慢でもしただろう。
「断ったのか?」
「勿論。わたしは買い物をしにきただけで、貴族に研究者として士官しに行ったわけではないからね。それでも引き止めてくるもんだから、ソニヤに命令して痛い目に遭わせてきた」
「それやっちゃ駄目だろ。指名手配されるぞ」
「? これは正当防衛だから、向こうは文句は言えない」
「そうだけど・・・。で、買い物は出来たのか?」
「出来たとも。ついにでにギルドカードを新しくしてきた」
ミヤさんは内ポケットから、ギルドカードを見せてくる。
「最低ランクだな」
「あくまでこのカードは町や国の出入りするためのものだ。わたしは冒険何かはしないよ。話が長くなったな。晩御飯を食べよう」
ミヤさんはギルドカードをしまいながらそう言う。俺達は立ち上がり、ミヤさんについて行く。
リビングに着いた。晩御飯は出来ていて、俺達は椅子に座る。
「「「いただきます」」」
「「「?」」」
氷魔法で箸を作り、先ずは肉を掴んで食べる。
「まぁ塩と胡椒だよな」
「そうだね」
「味のついた肉の方が・・・」
「キミたちは今までどんな食べ物を食べていたんだい?」
「肉に味が付いた食べ物だな。正直、調味料の問題な」
「塩と胡椒以外に、使う調味料があると?」
「あるよ。だけど、その元となるものが合えば作れるな。ほぼ再現できないけど」
「作れないのか・・・」
だって、1からタレとか作った事ないし。作れたとしても、この世界に材料があるか分からいし。
「・・・・・・米がないですね」
「何あたり前の事を言ってるの?」
「こめ?」
「アリサ。あまり言わなくていい事を言うな」
「はぁ~い」
アリサはご飯を食べるのを再開する。
「ユウヒは随分と、わたしが知らい事を知っているようだね」
「気のせいだ」
「・・・今はそう言う事にしておこう」
俺達は晩御飯を食べる。




