311話 金欠
「あっ、もう袋に入りません」
「何?」
どうやらアイテム袋が満タンになったようだな。
「まだ出てくるけど」
「システン、お前は素材倉庫に行って鱗を閉まってこい」
「はい」
システンっと言うメイドは、部屋から出て素材倉庫に行く
「ノール、お前のアイテム袋に残りの鱗を入れろ」
「ハッ」
ノールって言うメイドはテーブルに行く。ポッケからアイテム袋を出して、鱗を袋に入れていく。
「これっていつまで出てくるんだ?」
「さぁ? ボックスに入ってる量なんて分からないよ」
「こればかり運ですね。運がいいと千単位まで出てきますよ」
「そんなにいらないだろ・・・」
「いや、私なら欲しいわ。これだけあれば防具が作れるし、お金にもなるわ」
「オレ様も同意見だな」
「はぁ・・・。そう言えば、ドラゴンの素材まだ残ってたな」
「アンタ。まだ持ってたの?」
「売りに行くのが面倒で・・・」
「アンタねー。そんなものをずっと持っていて、使い道あるわけ?」
「全くない」
だって、防具を作っても邪魔になるし。かと言って武器にするって言うのは・・・。そもそもこれで武器が作れるのか?
「ユウヒ。ドラゴンの素材を使わなぬなら、オレ様の所に卸せ。無論タダとは言わん」
「今目の前で、ドラゴンの鱗が沢山出てますよね? それでも足りませんか?」
「これで足りるだと? アホか、全然足りぬわ。ドラゴンの素材はいくらあってもすぐになくなる」
「魔王様。無駄な浪費は避けてください」
「無駄な浪費だと? ドラゴンの素材を買うのことが無駄言いたいのか?」
「無駄な浪費でございます。現状全く使う事はないのに、ここでドラゴンの素材を買う何て。魔王様は何を考えてやがりますか?」
「今後の軍備の強化をだな」
「どこぞの阿呆が横領したせいで、資金が金欠なのをお忘れですか? お忘れなら、その頭を叩き割ってさしあげましょうか?」
「頭を叩き割ったら死ぬだろっ!? 何故オレ様にだけそんなにひどく当たる! 少しはシステンにやれ!」
「魔王様。ワタクシにあの変態に、暴力や罵声などを与えろと言うのですか? 無理です。寒気がします」
「あの~、喋ってる所悪いのですが。鱗がどんどん積みあがっていきますが・・・」
「これは失礼。すぐに袋に入れます」
ノールという名前のメイドは、袋に鱗を入れるのを再開する。
「あっ、なくなったわ」
リゼットさんはボックスから鱗を出していたが、遂になくなったようだな。
「一体どれくらいあるのかしら?」
「さぁな。ノール、袋に入れ終わったら。素材倉庫に閉まってこい」
「ハッ」
ノールという名前のメイドは、袋に鱗を入れ終わると素材倉庫に行く。
「――――――さて、報酬だが。リゼット、何が欲しい?」
「そうね~、さっきの鱗が欲しいけど。転移石も欲しいわね」
「んんぐっ、もう少し手加減をしろ。城の金が少ないのを知っているだろ。いや、今知っただろ」
「そうだっけ? まぁいいわ、貸しにしといてあげる」
「貸しか・・・。よし、オレ様と結婚をしよう!」
「ぶち殺されたいわけ?」
リゼットさんから殺気を感じる。
「じょ、冗談だ」
「あっそう。なら帰るわ」
リゼットさんが立ち上がり、俺達も立ち上がる。
「今回は助かったが。ユウヒ、お前だけは許さん」
「はい? 私何かしました?」
「お前がリゼットと一緒にいるだけで、罪だ」
「そんなの知りませんよ。文句を言いたいのなら、リゼットさんに言ってください」
「なに? お前がここに来たいと、駄々をこねたのではないのか?」
「いえ、駄々をこねてませんよ。寧ろ、リゼットさんが―――んぐっ」
リゼットさんに手で口を塞がれる。
「ユウヒ? これ以上言わないこと。分かった? 分からなかったら、本気で襲うけど」
俺は顔を青くして頷く。
「そう、分かったらいいわ」
残念そうな顔をしながら、口から手が離れる。
「リゼット。・・・もしやオレ様に会うのが嫌なのか?」
「えぇ、嫌よ」
それを聞いた魔王様は固まる。
「今のうちに出ましょ」
「いいのか?」
「いいの」
俺達は執務室から出て、城から出る。
「やっと解放される」
「そんなに嫌だった?」
「この顔を見れば分かるよな」
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃない。ところで報酬だけど」
「いらないよ。俺は早く帰りたい」
「ユウヒがいいならいいけど。じゃあまたね」
リゼットさんはどこかに行く。
「俺達も帰るか」
俺達は東門に行って門から出て、人目がつかない所で転移魔法を使い家の前に帰る。




