299話 オムライス
歩いて洞窟に戻る。戻った後は他の魔物が住み着いてないか、探してみるが特にいなかった。ワイバーンが巣を作っていたところに着く。
「流石にワイバーンがいる所に、他の魔物が住み着かないよな」
「そうだね。住み着いていたら完全に餌にだからね」
「知能の低いゴブリンさえも、それくらいの知識は持ってますね」
「まぁ、食われてる食われてないは置いといて。このワイバーンの巣を壊すか」
さて、どうやって壊すか。燃やしてもいいし、凍らせた後に壊すか。いっそのこと地面に埋めて、微生物に分解させてもらうか? ・・・よし、埋めるか。
俺は土魔法でワイバーンの巣を地面に埋める。
「これでいいな。あとは・・・」
氷魔法でテーブルと椅子を作る。テーブルの上にプランターを乗せて椅子に座る。
「これで時間を潰すか」
座ったあとは、プランターに果物成長魔法を使って果物を育てる。
「ねぇ、本当にあの卵を使うの?」
右側に座っていたアリアナが聞いてくる。
「まだ抵抗があるのか? 何でそこまで抵抗がある?」
「だってワイバーンの卵だよ。見つけた時点で珍しいけど、基本的は割ってワイバーンを生まれさせないようにするんだよ」
「卵が空間の中に入っている点で、卵の中には生命がないってことは分かるだろ。それに、ワイバーンの卵でそこまで抵抗があるなら。普通の卵も抵抗があると思うが?」
「いやいやユウヒさん、普通の卵とワイバーンの卵を一緒にしないでください」
「俺からしたら一緒だよ。その卵が無精卵なら食べる、有精卵なら食べずに孵すか割るか。それだけだ」
「・・・ユウヒ君がいた場所って、そこまで食に対して執着心があるの?」
「あるかもな。他の国は食べないのに、俺がいた国では普通に食べたりするからな。例えば生卵とかだな」
「あの卵かけご飯ですか?」
「そう、2人もそうだったが。卵を生で食べると腹を壊すって言っていただろ。あれはサルモネラ菌が原因だ」
「「さるもねらきん?」」
「サルモネラ菌とは、自然界では広い範囲で生息していて。感染すると、吐き気、腹痛、発熱、下痢など。潜伏期間は、6時間から72時間。長期にわたり潜伏します。感染経路は、生肉や生卵。感染者が調理している時などです」
「俺の代わりに説明をどうも。生肉や生卵は、ちゃんと熱して料理すれば。サルモネラ菌は死ぬから、そう簡単には感染はしないな」
「でも、私たちは普通に生で卵を食べましたけど。腹痛になりませんでしたよ」
「それは状態異常無効があるからだろ」
「・・・そうでしたね」
雑談しながら時間を潰していく。
夜になり俺は晩御飯を作って、テーブルの上に食器を置いていく。今日はワイバーンの卵を使ったオムライスと味噌汁だ。
「「・・・・・・」」
2人は無言でオムライスを見つめる。
「そこまで食べたくないのか? メアリーさんは食べてるぞ」
「「えっ!」」
前にいるメアリーさんを見る。皿を見るともう半分しかない。
「普通も卵より、味が格段に違います」
「・・・食べよう!」
アリアナは木のスプーンで、オムライスをすくって食べる。
「―――!」
アリアナはそのまま無言で食べ始める。
「・・・・・・毒を食らわば皿まで、です!」
アリサも食べ始める。食べた途端に無言でそのまま食べる。
「毒を持った覚えはないぞ」
俺も食べ始める。
うん、確かに普通の卵より美味しい。とは言え、色んな卵を食べているわけではないから。比較はあまりできないな。
「ユウヒさん、おかわりはありますか?」
俺はメアリーさんの方に置いてある皿を見るが、全部カラになっていた。
「もう全部食べ終わったよ。残念だが、味噌汁しないぞ」
「では、味噌汁で」
メアリーさんは、味噌汁が入っていた茶碗を俺に渡してくる。俺は俺を受け取って、隣に置いてあった鍋の蓋を取って。味噌汁を茶碗に入れて、メアリーさんに渡す。
「ありがとうございます」
メアリーさんは味噌汁を食べ始める。
俺は再び食べ始める。
「あれ? もうないや」
「私もです」
「はっや」
っと言っても、俺もそろそろ食べ終わるのだが。
食べ終わり後片付けをして、寝る準備に入る。
「さて、寝袋を出して。寝るか」
「私の分がありませんね」
「そう言えばなかったね」
「アリアナかアリサが小さくなれば、2人で寝れるだろ」
「では、アリアナを小さくなってもらいます」
「あっ、私なんだ」
アリアナは小さくなる。
「・・・これはこれで、可愛げがありますね」
メアリーさんは、アリアナの頭を撫でる。
「そうですか? 見てて憎たらしいですよ」
アリサはアリアナの頬を指でつつく。
「なんでもいいが、俺はもう寝るからな」
空間から寝袋を出して敷く。浄化魔法で体と服を綺麗にして、寝袋に入る。
「この流れは、ユウヒ君も何かするべきだと思うけど」
「残念ながら、今の俺は眠いんだ。異世界から来た時以降は、早く寝ることが多くてな。―――と言うわけで、俺は寝る。おやすみ」
俺は寝始める。
「何かおじいちゃんポクなってるね」
「ここに来てから、大分生活が変わっているのでしょう。・・・・・・彼には本当に悪い事をしました」
「でも、ユウヒ君は怒ってなかったよ。誰かがこっちに来させてって訳じゃないから、怒ってないし恨んでもないよ」
「私より、先に一緒にいたから分かる事ですか?」
「うん、そうだね。恨んでいたら、私に物凄く罵声を言ってるしね」
「そうですか。――――――私たちも寝ましょう」
「「はーい」」




