第7戦 VSサンニンジャー
「「「待て〜い!」」」
前回のあらすじ。
ユカと一緒に登校
↓
色々あった
↓
(頭が)危ない人たち出現
「誰が頭が危ない人だ!」
「貶していないぞ?むしろ褒めている」
嘘だが。
いきなり現れて戦隊モノっぽいポーズをとった奴らを、本音で褒めるには無理がある。
「ふ、ふん!褒めてもらったってちっとも嬉しくなんか無い!」
だったらにやけるな。
嘘だということぐらい気づけ。
「で、誰だ?」
「「「よくぞ聞いてくれた!」」」
「俺様はレッド!!」
「イエロー!!!」
「バイオレットブルー!!!!」
普通にブルーでいいだろ。
「三人合わせてっ」
「「「大和戦隊サンニンジャー!!!!!」」」
掛け声とともに、サンニンジャーの背後がカラフルな煙を立てて爆発する。
一発いくらだろうか。
お金欲しい。
背景が街なので、ものすごくミスマッチだ。
さらに声が出ているくせに、一人は目が死んでいて一人は「やってらんねー」といった顔だ。
「家人さん!」
「なんだ?」
「あ、あの人たちカッコイイですね!」
「・・・そうか」
好みは人それぞれだ。
私がとやかく言うことはない。
「向陽さんと一緒に登校するなんて、断じて許さん!」
と、レッド。
「うらやましいぞ」
と、棒読みなイエロー。
「大和高校美少女同好団体の裁きを受けろ!!」
と、目が死んでいる何とかブルー。
「大和高校美少女同好団体の誇りにかけて・・・俺様が貴様を倒す!」
やはりそちらの関係者か・・・
その前に、ひとつ気になることがある。
「なぜ、五人じゃなくて三人しかいない?」
戦隊モノの王道はやはり五人だろう。
中には例外もあったが。
「俺様たちは、少数精鋭。五人も必要ない!」
自信満々だな、レッド。
なんかもうお前の勝ちでいいよ、と言いたくなるくらいに見ていて痛々しい。
「本当は五人も人数が集まらなかっただけなんジャー」
「バイオレットブルー、余計なことを言うな!」
美少女同好団体でも、そんなイタイ事をする奴はそんなにいなかったか。
そもそも戦隊モノ風にする必要があったのか?
「それでは行くとするか」
「待てぃ!勝手に学校に行こうとするんじゃない!!」
しつこいなレッド。
「行こうか、ユカ」
「は、はい」
「美少女同好団体の俺様をシカトするんじゃない!なあ、イエロー」
「美幼女同好団体の方がよかったなー」
イエローおまえ・・・
「イエローはロリコンなんだジャー」
ジャーって口癖なのか。
むしろそっちにツッコミたい。
「さてレッド、イエロー」
「な・・・なんだ?」
「お前達は死ななくてはならない」
「ガフゥ!!」
「ウギィッ・・・」
人体急所を的確に打ち抜く。
余計な力は一切不要。
嗚呼・・・母さんやその他もろもろに対抗するため、いつの間にか身に付いた武術は今も役に立っている。
母さんのおかげだな。
一切感謝しないが。
「なぜ俺様たちが死ななければならないっ!?」
「貴様らの死因は・・・たったひとつだ・・・レッド・・・たったひとつの単純な答えだ・・・『お前らは丼モノと健児のキャラと少しかぶった』」
「なんだよ・・・その理不尽な理由」
そして彼はばたりと倒れた。
残るはブルーだな。
「行くぞ、メタリックブルー」
「バイオレットブルーだンジャー」
バイオレッドブルーが構えたとたん、雰囲気が常人には出せないものに変わる。
ふぅむ、コイツはやり手か。
「貴様・・・八方陣の一人か・・・」
「その通りで、【東方の蒼弥】って言う冠名なんだジャー」
八方陣は、大和高校美少女同好団体の中で、能力の高い者に与えられる位だ。
能力は戦闘力だけでなく情報収集力、財力なども見られる。
・・・ただの総合ファンクラブが、何故ここまで大きくなった。
「ちょっと、家人さん遅刻しますよ」
野郎という生き物は馬鹿が多い。
しかし同好団体にも女性はいたな・・・
そんなことを考えつつも、警戒は最大レベルにしている。
いや、私がそうしているのではなく、相手がそうさせていると言ったほうが正しいか。
「そーですか、シカトですか・・・しょうがない人ですね・・・いじけますよ?」
闘気がビシビシと伝わってくる。
自分が興奮しているのがよくわかる。
「ユカちゃん、ああなった家人はもう止められないわよ」
「あ、麗香さん。あはようございます」
「あんな変にテンション高い子はほっといて、早く登校するわよ」
「は〜い」
あたりに静寂が流れる。
ということはなく、周りには登校時間のため学生の姿。
しかも全員なれているから、「うちの学校じゃこれが普通だ」といわんばかりのスルー。
客観的に見たら多少なりともシュールな光景だ。
とか考えて集中力が欠いていると、蒼弥の闘気が膨張する。
「じゃぁぁあああああああ!!」
それ掛け声か?!
極自然かつ速やかに警棒を取り出す
蒼弥は、ゼロ距離になろうと間合いを詰めてくる。
「く・・・」
ゼロ距離の場合、警棒を使っているため間合いが広い私の方が不利になる。
ソレを見越して空いた手のほうから、もう一本警棒を投げ飛ばす。
「甘いんだジャー」
アッパーで蒼弥を狙った警棒は真上に弾き飛ばされる。
しかし警棒は既に宙を舞っていた私の掌に納まり、そのまま蒼弥目掛けて叩きつけられる。
宝蓮荘式、哀死狂不王流「血瑠野」
名はあれど単にジャンプして二本同時に警棒を自重を利用し振り下ろすのみ。
先代管理人が昔見せた動きをを、見よう見まねでしただけだ。
「ジャラァアアアアアア!」
片手で両方受け止めたか。
しかし一切問題ない。
「無駄ァ!!!」
受け止められたところを支点にして、流れるようにスムーズに弧をえがき胴に蹴りを入れる。
「ジャッ・・・」
もう片方の手で受けとめたか。
それでもダメージはあるだろう。
「ジャー」
蒼弥は、ゆっくりと距離を取る。
互いに再び仕掛けることができない。
ガラガラガラガラ
少し先にあった校門が閉じられた。
ん?
ということは・・・
「仲良く二人で、遅刻なんだジャー」
「しまった!!」
家出る前は、20分はあったのに・・・
レッド、イエローには楽勝
バイオレットブルーに引き分け
レッド、イエロー、バイオレットブルー
橘家人の四人は遅刻
だらだら書いていたら、いつも長めになってしまいました。
もっと長めにしても大丈夫ですかね?
追伸、「宝連式〜」のところ、読めた人いますかね・・・・