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第51戦 VS宴より生まれし色欲の黒

「それでは球技大会での我がクラスの優勝を祝って、乾杯!」


『乾杯!』


掲げられたジョッキから泡が溢れ出す。

あの後、他のグループが好成績だったので何だかんだで優勝した。

そして喫茶カフェで宴とあいまった訳だ。


「こら、シャンパンをかけるな!」


「フー!YEー人ぉ!」


「死にさらせぇええ!」


「ブ!」


上手く銃身を乗せて放たれたパイは、クラスメイトの顔面にきれいにぶち込まれた。

ビクン、と彼の体が痙攣する。


「辛ぁあああ!!」


水を求めて暴れだす姿は実に滑稽。

辛さの余り、舌をかんで紛らわそうとしているが恐らく無駄だろう。


「喫茶カフェ名物ハバネローニョパイ、ゆっくりと味わうがいい・・・」


「ハインケル!」


誰だよハインケルって。


「ほろス、あひつらけはへったいにほろス!」


多分「殺す、あいつだけは絶対に殺す」だろうな。

舌が上手く回らないほどの劇物だったらしい。


「テンション高いな、家人」


「ん、そうか?」


足を組んで、テーブルに右手をかけた谷山はお酒(子供の飲み物)に口をつける。

絶対カッコつけていると思う。


「まあ何でかんだで球技大会には燃えたしな。優勝したともなればテンションが上がるのもやむを得ないだろう」


「そうか・・・店長、セブンフェイスチキンもう一つー!」


店の奥から妙に色っぽい店長がやってくる。

やたらしおらしいな。

忘れている人もいると思うので一応補足しよう。

店長はエプロンドレスを着こなす・・・着こなせていないスキンヘッドの自称日本人の黒人だ。

容姿は男性である私から見ても渋みを持つ美中年だがオカマだ。


「やだわ谷山君・・・店長じゃなくて店長さんってよ・ん・で(はぁと」


「い、家人ッ!」


「誠に残念ながら私は寡聞の身故、日本語を上手く理解することができないで候」


「何か色々間違ってるけど、お前の喋ってるそれが日本語ぉおお!」


しばらく放置しておくと「アーッ!」という余り青少年の成長に良くない音声が聞こえてきそうな状態になっている。

そろそろ助け舟をだしてやるか。


「店長、そろそろオーダーが詰まってきているが」


「欅ちゃんか家人ちゃんがどうにかしなさいよ。私はこの子と遊ぶわ」


そう言って椅子越しに谷山を抱く店長。

駄々っ子のようなことを言う店長は子供のような目でありがらら、妖艶な雰囲気を持っていた。


「あ・・・ぅ・・・」


やばい、山谷が新たな世界へ目覚めてしまう。

店長のテクをなめていた私の責任だ・・・ッ!


「私は今日は客だ。客に仕事をさせる店が何処にある?」


「派遣会社とか?」


とらえようによってはそうかもしれんが。


「では主人に家事を強要するお手伝いさんが何処にいる?」


「最近のメイドじゃ無いこともなさそうだけど?」


埒が明かない・・・

というか私の喩えが悪いから論破できないだけなのだがな。

そして濡れた谷山は空気。


「普通ならそのメイドはクビだろう?」


「少なくともここは普通じゃないわ。主人がマゾショタならそれもあり得るでしょう?」


何でショタ限定?


「少なくとも私はマゾではない」


「でも欅ちゃんはわからないわよ?」


「あんなS中のSみたいな女が・・・・違うよな、欅?」


「へにゃ?」


・・・・駄目だコイツ、早く何とかしないと。

完全に酔ってやがる。

話を振った私が馬鹿だったということだろうか。


「今の自分をさらけ出した状態の欅ちゃんなら、例え家人ちゃんがはたいたらどうなるかしら?もしかしてそのまま赤面モノの状態へ・・・」


「やかましいっ、この歩く18禁!第一谷山は童貞なんだ。童貞卒業前に処女卒業なんて笑えないだろ」


本当に笑えないだろ・・・

ふと小三の時の記憶が、脳から洪水のようにあふれ出てくる。

「やらないか?」

彼の声が頭の中で反響する。

止めてくれ・・・・止めてくれ・・・私はそんな・・・違うんだ・・・ッ!


「わかったわよ。やればいいんでしょっ」


店長が空気読んでくれたようだ。

そりゃ急に自分の体を抱えて震えだす悪魔憑きみたいな奴がいたらそうなるよな。

私のことだが。


「家人・・・もう俺はお嫁にいけない・・・・」


「安心しろ。私が責任を持ってイキのいいマグロを実家から持って来よう」


「せめて・・・哺乳類が良かった・・・」


ガクリとそこで彼は手をダランとさせて、燃え尽きた。

私は彼のことを一生忘れないだろう。

ありがとう山谷、ありがとう谷山!







この後喫茶カフェは更なる盛り上がりを見せ、店内は大惨事となる

現場にいたA君の証言

「なんていうか・・・自分で自分が止められなかったんです。テンションだけが先行して魂が体の2歩先を行っているような・・・皆そんな感じでした。あの現状を言い表すとしたら(長いので以下略)

忘れた頃に更新、それが宝蓮荘クオリティ。

こんばんわ、仙人掌です。

やっと暇ができて、友達に触発されたこともあり久々に更新しました。

最近〆組(何でこんな名前にしたんだろう)と真木以外出番がないのでそろそろ作っていきたいと思います。


今回はお祝い会の話ですが・・・いるよね、こういうテンション上がるとエロくなる人。

もっとも私のまわりは常時エロスフル装備な人ばっかですけど。

私も含めて。

寒さが厳しい季節となりましたが、頭の中はいつでも春真っ盛りです。

そんな春度を宝蓮荘に託して、皆様の過す厳しい冬の寒さをやわらげられたらと思います。

・・・・・作文?

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