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第32戦 VSデート「商店街とストーカーズ」

『』の会話は家人たちには聞こえていません。

会話文が入り乱れてわかりずらいと思いますが、ご容赦ください。

よくデートの待ち合わせに使われる噴水の公園を思い浮かべて欲しい。

今私はそこにいる。

何故私がここにいるかと言うと、ユカとの映画を見に行く(詳しくは第8戦参照)ためだ。

約束してから随分と間が空てしまった。

別に忘れていたわけではない。

断じて忘れていたわけではない。


「ご、ごめんなさい家人さん!服を選ぶのに時間がかかって」


「べつにそんなに待っていない・・・ぞ・・・・・え?」


そこに現れたのは天使だった。

本人の純粋さを表すような白を基調とした服。

短すぎず長すぎないスカートは足を魅せるためというより、全体を魅せている。

照れるような仕草は犯罪モノだ。

あれ、細かく分析していたら変態っぽくなってきてないか?


「あ、あの・・・・私変ですか?」


「いや、よく似合っているよ」


「えへへへへへ褒められました・・・・・このまま・・・・・で、・・・を・・・」


「お〜い、戻って来〜い」


駄目だ。

もう自分だけの世界に突入している。


「置いて行くぞ〜」


「映画を見た後さりげなく手を組んでそれで・・・・・キャッ」


スタスタスタ


「ちょ、待ってくださ〜い!」


「早くしろ」


怨ヤマシイ、怨ヤマシイ


「―――!」


「どうしたんですか?急に振り向いて」


「気のせいか・・・」


後ろから殺気がしたと思ったのだがな。

というか怨念が。

半端ない気だったな。

気のせい・・・・か?

特に異常はないしな。


『怨ヤマシイ・・・あ、こちらエージェントワン、標的はなかなか鋭いもようですっ★』


『なんで私がここにいるのよ?』


『ボクは・・・じゃなかったエージェントツー、真木ちゃん大丈夫なの?』


『全てにおいてパフェーフェクト!大和高校美少女同好団体の手を借りてるよ♪』


『・・・・大丈夫なの?ボク帰ろうかな』


『おーい』


『カンナちゃん、このままユカ先輩が告白・・・とかあったたどうするの!』


『むぅ』


『オイ、無視してんじゃないわよ。後輩二人組み』


『欅先輩も気になりますよね?』


『別に私はそんな・・・』


『じゃあ、異性不純交際を監視するってことでっ☆』


『不純なのかしら・・・まあいいわよ』


『あ、見失っちゃうよ』


『それではLet'go★』


私達は並んで商店街を歩いている。

というか何処へ向っているのだろうか。

当ても無く歩いても無駄なだけだ。

ドライブじゃあるまいし。


「とりあえずガーデニングに必要なものを買いに行くか」


「・・・・え、あ、ハイ!」


「家人ー、可愛い彼女つれて何処行くのよー!」


少し離れてきたところから声をかけてきたのは、八百屋のおばちゃんだ。

喫茶カフェによく来て、低カロリーケーキを食べている。


「彼女ではない。友達だ」


「日向の反対で向日むかひユカです」


「そう、ユリちゃんね」


「ユカです」


「アハハハハ、年食うと耳が遠くなっちゃってねぇ。ところで旬の小松菜あるんだけど。恋人ができた祝いとして安くしてあげるわよ!」


『恋人なんて・・・』


『カンナちゃん、ハンカチを噛むのはよしなさい』


『私が予備のハンカチ持ってますから大丈夫ですよっ★』


『何でそんなに準備がいいのよ?!』


『もしものときのために、銃火器もありますよ?』


『銃刀法違反という法律を知ってるのかしら』


『アメリカでは良くあることです。欅先輩』


『ここは日本よ』


「だから恋人じゃないって・・・小松菜はそこの奴を1つ頼む」


パッと見で一番量の多そうなものを指差す。

おばちゃんは笑いながらそれを手渡した。


「アハハハハ、年食うと耳が遠くなっちゃってねぇ」


「さっきからそればかりではないか」


「アハハハハ、年食うと耳が遠くなっちゃってねぇ」


「ループするな、ループを!」


「冗談冗談。ハイ、毎度あり〜」


持参のバッグに小松菜を入れながら、衝動買いしてしまったなと思う。

近頃はバレンタインで店が繁盛したため、バイト代が多く入ってせいか自然と財布の紐が緩んでしまったようだ。

小松菜を買って先に進もうとすると、魚屋のおじさんから声をかけられた。


「家人〜。こっちにもいい魚が入ってるぞ〜!」


「魚か・・・今は節分のときに買ったマグロがあるので遠慮しておく。また今度頼むよ、マイケル」


「そうかー、じゃあ仕方ねぇな!」


「ま、マイケルさんですか!?」


ユカが目を丸くする。

彼は何処からどう見ても、浅黒い肌に伝統的な魚屋さんの服を着た日本人男性だからな。

驚くのも無理は無いか。


「おぅよ。俺ん名前は魚沼マイケルだ。変な名前だろ?」


「え、そんなことは・・・」


「嬢ちゃん、無理しなくていいよ。お袋が二枚目な外国人に憧れてたからこんな名前なわけよ」


マイケルは一瞬寂しそうな顔を見せる。

もしかして子供の頃、この名前をからかわれたのかもしれない。

しかしおじさんは私の肩を力強く叩きながら、白い歯を見せてニカっと笑ってみせた。


「家人もこの嬢ちゃんと子供こさえたときは気ぃつけろよ?変な名前だと子が悲しむ。俺ぁ客に覚えてもらいやすいから、この名前をそれなりに気にいってんだけどな。ハハハハハ!」


「こ、子供ですかっ?!」


「あくまでこっちは友達だからな。妙な誤解はするなよ」


「友達、ねぇ・・・」


マイケルはユカの方を見て目を細くした。

ふぅ・・・と息を吐くと今度はユカの肩を叩き始めた。


「嬢ちゃん。こいつは中々鈍い奴だ。だが悪い奴じゃねぇことは保障する。苦労するたぁ思うが頑張れよ!」


「は、はい!」


「?」


馬鹿にされたのか褒められたのかよくわからなかったので、また来るとだけ告げて再び歩き始めた。


「家人さん。何処に向ってるんですか?」


「餅は餅屋なのだから花は花屋だ」


「キャー、引ったくりよー!」


「「!!」」







次回へ続く










デート編開幕です。

正直ストロベリーな話は書くのが恥ずかしいので、割とほのぼのしてます。

マイケルさんは気に入ったので、いつか再登場させたいと思ってます。

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