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第21戦 VS大敵の妹

「お兄ちゃん、ボクは嫌だよ!」


「そうは言っても仕方ないだろう」


こちらデルタ1、こちらデルタ1。

戦況を報告する。

只今橘カンナと交戦中だ。

というか、ただの兄妹喧嘩だ。


「何でお兄ちゃんと一緒の部屋じゃ駄目なの!?」


「それはお前が猫アレルギーだからだ」


「ぬ〜ん(謝罪の意)」


まあそういうことだ。

カンナは私と一緒の部屋のつもりだったが、ヌヌ猫も一緒になる。

猫アレルギーであるカンナは、私の部屋には住めないのだ。


「お兄ちゃんの意地悪!」


「意地悪ではない、カンナのためを思って言っているのだ」


「むぅう」


にしてもワガママだな。

確かに一人より、二人の方が節約になるがアレルギーはアレルギーだ。

仕方が無いだろう。


「納得しろ、な?」


「だったらおにいちゃんの恥ずかしいエピソード皆にバラすよ!」


待て、早まるな。

それはブラッドクリスマスか、それとも金曜の十三日の話か?

いや、もしや一ニ・一事件?

落ち着け、素数でも数えよう。

そうだ、カンナの知っているエピソードは少ないはずだ!


「小3のとき友達の男子が泊まりに来て、寝室で二人きりになった時・・・」


「人のトラウマに軽々しく触れるなぁあああああ!」


何故あの夜のことを!?

思いだ出しただけで鳥肌がたち、冷や汗が頬を伝う。

私はそんな奴だと知らなかったんだ。

全身に悪寒が這う。


「それじゃあ、えっとね」


「本当にやめてくれ・・・」


涙が出そう。

勘弁してくれ。

これ以上トラウマをえぐられたら死ぬ。


「ふふ、弱気なお兄ちゃんもそそるね・・・小4のときの運動会に・・・」


「えぇい!駄目なものは駄目だ!!」


私の精神耐久力ライフポイントはもう0だ。

恥辱の歴史を思い出すことがどれだけ辛いことかわかっているのか?!


「でも夜に一人なんて怖いよ・・・」


「む、それがあったか」


そういえばそうだったな。

幼い頃の経験か、カンナは暗闇を異常に嫌う。


「だったら電気をつけっぱなしにして寝ればいいだろう?」


「そうだけどボク、一人じゃ寂しくて死んじゃうよ?」


「ウサギか」


もっともウサギが寂しいと死ぬというのは迷信らしいが。

カンナはまだ納得いかない様子だ。

ふぅむ、どうしたものか。


「話は聞いたわ〜」


「ゲ」


神出鬼没、高峰麗香登場。

どこから入ってきた。

鍵は掛けていたはずだが。


「窓からよ〜」


当たり前じゃないの、とでも言いたげに進入口を指差す。


「お前また窓壊したな・・・」


窓の鍵の部分が、きれいに切り抜かれている。

いっそ強化ガラスにでも変えてみようか?

あ、金が無いか。


「ちゃんと帰りに直していくわよ〜」


そういって麗香は、窓を直すためのものと思われる工具を掲げてみせた。

最初からインターホンをならして、普通にドアから入ってくればよかろうに。


「で、本題。カンナちゃんが私の部屋に来るってのはどう?」


成る程。

他の誰かと一緒ならば大丈夫か。


「そ、そうだけど・・・お兄ちゃん・・・」


「カンナちゃん」


「?」


いつに無く真剣な表情だ。

しかし目が何か違う。

なにやらぼそぼそ話を始めた。


「・・・近すぎて意識されない・・・・・でしょ〜」


「あ・・・」


「妹としてし・・識されないんじゃ駄目、女として意識・・ないといけないわ〜」


「はい!」


麗香はカンナにささやききつつも、チラチラと私の方を見てくる。

どことなく、いたずらっ子のような目だ。

聞かれたくない話を無理やり聞いても仕方ないか。

腕組みをして、明日の夕飯をどうしようかと考える。


「部屋が一緒なら・・・・なアドバイスも・・・」


「是非!」


「それと家人は・・・」


自分の名前が聞こえたので、再び意識が目の前の2人に戻る。

あのな、本人の前でヒソヒソ話って精神的に堪えるものだぞ。

何を喋っているのだか。


「ということで、ボクは麗香さんの部屋に同居することになったよ!」


「なるほど、ではよろしく頼むぞ」


カンナはできた妹だからな。

それほど迷惑を掛けることはあるまい。

どちらかというと麗香の方が心配だ。


「ええ、よろしくされるわ〜」


他に何か言うべきことは特にないだろうか?

・・・・一応釘をさしておこう。

麗香に顔を近づけて、脅すように低い口調で囁く。


「あまりうちの妹に妙なことを教えるなよ?」


案の定、麗香は目を逸らして舌打ちをした。

このアマ・・・


「では荷物を空き家から麗香の部屋に移して・・・」


「駄目!ボクがやるの!!」


「む、そうか・・」


自分のことは、自分でやりたいらしいな。

それとも何か見られたくないものでもあるのか?

まあ荷物は少ないし、家具は無いので恐らく大丈夫だろう。


「カンナちゃん、手伝うわよ〜」


「お願いします」


では私は寝るとするか。

ふぁ〜あ。


「あ、さっきのクラスメイトのお話聞かせてもらえるかしら?」


「え〜と・・・そのクラスメイトがお兄ちゃんを」


「頼むからやめてくれぇえっ!!!!!」







橘カンナの部屋決定

高峰麗香との同居

ちなみに家人の話はこの後暴露された

カンナといえば、巷では二十世紀少年が人気のようですね。

マンガとは違う展開という噂を聞いたのですが、どうなのでしょうか?

まあ私は大分前に猛スピードで全館読破しただけですので、あまり内容が記憶に残っていないんですけどね・・・

あれ、これ後書き?

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