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第20戦 VS黒ビール

「これより、第23回引越祝賀会の開幕を宣言する」


前話とはじめ方が同じだって?

もれなく回数の方も適当だ。


「新しき入居者、カンナ、森、樫野木を祝って乾杯!」


『乾杯〜!』


皆、天に向って各自の飲み物を振り上げる。

あまりこぼすなよ?

というわけで、私の部屋で引越祝賀会だ。

大和家特性ジュースに口をつけていると、麗香が勝負を挑んできた。


「家人、飲み比べするわよ〜!」


「フ、上等だな麗香!って何だ、そのたるは?!」


でかっ!

コレ一人で飲むのか?


「これくらいも飲めないの〜?」


「そんなわけ無いだろう!」


私とて母さんの子だ!

・・・誇っていうものではないか。


「はい、家人の樽はこっち」


「む、黒ビールか」


それではグイっと一本。

と同時に口から盛大に噴出す。


「これ醤油だろうがぁああ!!?」


喉が痛い。

殺す気か・・・

ちなみに醤油を1.5リットルも飲めば死ぬらしい。


「ご、ごめんなさい私のせいです!両親が引越祝いに何か持ってけって・・・」


「大丈夫だ、私は気にしていない」


ユカ、だからその泣きそうな顔をやめてくれ!

ものすごい罪悪感が沸いてくる。


「ところでユカ、何時どうやってその樽の醤油を持ってきたんだ?」


「宅急便で送られてきました」


運ぶの大変だったろうな・・・

ご苦労様。


「お兄ちゃん、お酒飲んでばかりじゃ母さんみたいになっちゃうよ?」


「わかった、よしておこう」


酒を飲み続けると年がら年中あのテンションになるのか。

怖い怖い。

そもそも未成年は飲んではならんのだがな。


「よし、801番相沢健児、歌います!」


「いいわよ、歌いなさい!」


樫野木酔っているなぁ・・・

と思ったら飲んでいるのは酒ではなく子供の飲み物だった。

何故酔える。

雰囲気か?


「待って、僕が歌う!」


「ぎぁ!」


歌い始めた健児に、丼モノがフライングクロスチョップ。

珍しくハイだな。

2人はそのままもつれ込み、駄菓子屋さんで売っているマイクの争奪戦を始める。


「2人で歌えばいいじゃないのよ」


「それもそうだね」


「最初に言ってくれ・・・」


丼モノと健児は手を胸にあて、無駄に高い歌唱力で君が代を歌い始めた

樫野木は手を叩きながら爆笑している。

どうやら笑い上戸のようだ。


「・・・橘君・・・」


「ん、どうした?」


「・・・名前で呼んで・・・」


そうだった。

宝連荘条約第三項「住民は呼ばれる方が希望すれば下の名前で呼ぶ」なるルールがあるのだ。


「り、林葉」


何か気恥ずかしい・・・

しばらくすれば慣れるだろう。


「・・・家人君・・・」


「ひょれひゃ、あたひもぉお」(それじゃ、あたしも)


酒を飲んでいるというより、酒に呑まれている樫野木。

飲んでいるのは酒でなく子供の飲み物だが。


「欅」


「ひゅぅん」


あ、寝た。

よく顔を覗き込んでみると、頬がとてもやわらかそうに見える。

どれ、日頃の仕返しだ。


「んー」


フニフニフニフニ


コイツほっぺがプニプニだな。

樫野木が熟睡して起きないことをいいことに、更に頬をいじくる。


フニフニフニフニ


「んんー!」


ドム、と鈍い音と共に腹に鈍痛。

痛たたたた。

眠ったままこの私に蹴りをいれるとは良い度胸だな!

さて、どうしてくれよう。

色々と悪戯を考えていると、後ろから呼ばれたので少しびくりとする。


「先輩っ♪」


「お兄ちゃん!」


「ん、どうした?」


「健児先輩が自分から、醤油飲んで気絶しました!」


どういう経緯で自ら醤油を飲んだのだろうか。

はあ。

部屋を一望すると、ものすごく混沌とした空間が広がっていた。


健児はテンションのためか、醤油を自ら飲んで気絶。

麗香先生はいまだに飲み続けている。

丼モノは健児が気絶したことに気づかず、君が代を歌い続ける。

欅は私の足元で酔いつぶれて就寝中。

林葉は部屋の端の方でブツブツつぶやいている。

ユカ、真木、カンナはなにやら論争を開始しているし・・・

ヌヌ猫はあやとりをしている。


「まあいいか」


寝よう。







未成年は酒を飲んではならない

読者数20000人突破の嬉しさが勢い余って、1日2更新という暴挙に出てみました。

このままだと節分の話が間に合わないというのもありますが。

スピード優先だったので今回は短めです。

予定通りいけば、ここから3日連続更新になります。

基本的に私は1日の勉強のノルマを果たしてから、趣味の時間へ突入というライフスタイルですので、あまり保障はできないんですけどね。

ちょっくら頑張ってみます。

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