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第14戦 VS渡部

「カンナよ、私は帰ってきた!」


「お帰り、お兄ちゃん」


電車に揺られること1時間。

東京ドームいくつ分だ?と問いかけたくなるような豪邸。

周りは緑に囲まれ木々が生い茂る、今が夏だったらの話だが。

広大な面積のクセに、どこか質素で落ち着いた雰囲気をかもし出す和風建築物。

それが私の実家、大和邸。


「お帰りなさいませ、家人様」


お手伝いさんの渡部さんだ。

顔に刻まれたしわや白い髪から老成して落ち着いている感じに見える。

それでいて眼鏡や質素な和服が従者としての印象の方を強く与える。

執事服もなかなか似合うだろう。


「ああ、ただいま」


大和家には従者が多数存在する。

私も中学生になった時に宝蓮荘に引っ越すまでお世話になった。

従者とはいっても敬語を使う渡部の方が珍しいくらいで、ほとんどフレンドリー、悪く言えば適当な奴が多い。


実家の大和家について説明。

代々さまざまな才能を開花させて、いろんな分野の一流に大和の名がある。

政府官僚、設計士、教育関係者、デザイナー、企業の社長&会長、病院の院長etc・・・

しかしそれらは大和グループという集団を成しているわけではない。

おさはいるが、群体ではなく大和家同盟のようなものだ。


「旅の疲れを温泉につかって、癒しますか?」


実家には温泉がある。

なんでも大和邸を建てるときの大和家の中心人物が大の温泉好きだったそうだ。


「それよりも・・・」


「あ、それともお食事になさいますか?」


「いや、そうじゃなくて・・・」


「わたくしめには、それとも私にするぅ?といった選択肢は無いのでございます」


「いらぬわ!そんな選択肢!!」


60過ぎた老人にいわれても嬉しくもなんともない。

それよりも・・・


「それよりなんで貴様らがここにいるのだ?!」


「ははは〜先輩、たまたま偶然ですよっ★」


「どう考えても偶然じゃないだろ」


「す、すいませんでした!」


「ああ、ユカは別にいいぞ、真木は駄目だが」


「差別反対っ!」


しかし何故ユカと真木がこの場所を知っていたのだろうか。

ふとした疑問が脳裏を掠めると、いきなりカンナが腕をつかんできた。


「お兄ちゃん!こんな人たち放っておいて、ボクと一緒にお風呂入ろう!」


「ああ、一緒には入らんが」


「そ、そうですよ、何言ってるんですか!家人さんは私と入るんです!!」


「照れるなら最初からそういうことは言うな!」


「駄目ですよユカ先輩、そういうのはコッソリ入るモノですよ♪」


「それも違うだろうがぁああ!!」


風呂くらいゆっくり入らせろよ。

頭が痛い。


「ではわたくしめが・・・」


「渡部ぇっ!!?」


いや、同性なら問題ないか。

私は何を過敏反応しているんだ。


「で、ユカと真木はどうやってここに来たのだ?」


「「麗香先生に教えてもらいました」」


やはりあの女は災厄創造神トラブルメーカーだな。

実家で普段の疲れをきれいさっぱり落とそうと思ったのに・・・

あ、母さんがいる時点で無理か。


「とりあえず中に入りましょうか」


「ああ、そうだな」


今私の目に映るは、和風建築物の超巨大豪邸。

一族全員の財力を結集して、作ったらしい。

いまだに父さんが増築中。


「ユカさんと、真木ちゃんだったけ?話があるのでちょっとついてきて」


と殺気を撒き散らすカンナ。

目が既に正気ではなく、瞳にはうっすらと狂気の光がちらつく。


「こちらも同じですねっ☆」


「同感です」


他の2人からもどす黒いオーラが出ている。

顔が笑っていても、目がまったく笑っていない。


「では温泉に案内いたしましょう」


あの3人は放って置くとするか。


「それでは頼むぞ」


大和邸ここは広くて迷いやすい。

増築を重ねていて構造がかなりこじれている。

屋内だが遭難して、餓死しかけた奴がいたとかなんとか。





カポ―ン


という音は実際の風呂では聞いたことが無い。

にしてもこんな大浴場を、一人で独占できるのはなかなか気持ちがいいな。

体を洗い終え、湯船につかると背後からニタニタした声が聞こえてきた。


「やあ、家人君」


先客がいたな、畜生ー。


「どうも、校長」


コイツは大和高等学校学校長。

教育理念もしっかりと持ち、それを実現する手腕もあるが変態というイメージの方が先行する人物だ。


「ははは、とりあえず死んでくれないかな?美しい女性達に囲まれていて羨ましいことこの上ない」


「ハッ、貴様は肥溜めに沈んで窒息死していろ」


「悪いがそれは断らせてもらおう。自分は肥溜めではなく、たくさんの美女達に囲まれて窒息死すると心に誓っているからな」


「貴様はいつも女の尻ばかり追いかけているな」


「女性はこちらから追いかけないと逃げてしまうだろう?」


追いかけるから逃げられるんだろう。

警察に通報されても知らんぞ。


「あんた奥さんいるだろうが」


仲よく(?)学校を一緒に経営中。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」


ガタガタと震えて、焦点のあっていない目でうつむき、つぶやいている。

喉をかきむしって死にそうなくらい謝っている。


「そんなに奥さんが怖いのか?」


優しそうな人に見えたがな。

疑問に思い聞いてみたが、校長から返答が帰ってくることはなかった。

どうやら心は現実ここにないようだ。


「おまえ、悪かった。悪かったから蝋燭ろうそくは勘弁してくれぇ!」


「・・・夫婦で仲がいいようだな」


キャサリンからのメールでも見られたか。

まあ、愛ゆえにってやつだ。

ところでキャサリンって誰だ?









置いてけぼり組

森、樫野木、丼モノ、麗香、健児など

備考

キャサリンはキャサリン

楚人に楯と矛〜


有名な故事成語、「矛盾」の最初の部分です。

学校で習ったことが皆さんあると思います。

私も前に習いました、多分。

内容は


「この盾マジすごい、だって何も攻撃通さないし。

 こっちの矛もすごいぜ、だって何でも貫くもん。」


「じゃあその盾をその矛で攻撃したらどうなるの?」


「・・・・う、うわーん!!」


みたいな内容だったと思います。

何せ結構前の話なんで記憶があまり定かではないですが。

え、何が言いたいんだと・・・

ええとですね、つまりは・・・すいませんでしたっ!

前話の時


最初「風呂あがりに〜」


後書き「お風呂はありません」


これぞ正に矛盾。

後書きの方が正しいです。

すいませんでした。

設定の方をしっかりしてないせいです。

もうちょっと細かい部分まで設定を突き詰めていきたいです。

それでは新年までのカウントダウン!

(書いている時の話)

残り約3500秒!

約3499秒!

以下略

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