表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/119

夢の中の王子様

 目を開けると真上に青空が広がっていた。

 また、いつもの夢……。


 わたしは、ゆっくりと体を起こす。

 座っている柔らかな芝生はどこまでも続き、遠くには大きな真っ白いお城が見えた。

 今日もこの世界は美しい色彩。あえて言うならパステルカラー。でもぼやけているわけではなく、くっきりとした淡い色合いの、それはそれは完璧な世界。


 ここでのわたしは、ひらひらのドレスを着ているからものすごく歩きにくい。小さな歩幅で、一生懸命前に進む。

 どうしても会いたいから。

 水撒きをしている美しい魔法使い。

 わたしの王子様に……。



 彼が左から右に軽く手を振ると、雨は満遍なく草花の上に落ちた。


 そこでいつも迷う。

 どう声を掛けていいのか分からない。

 だけど、本当はそんな必要ない。彼はとっくにわたしに気付いている。


 振り向くと同時に、彼の美しい髪がふわりと揺れた。白から緑の淡いグラデーション。左側に複雑な装飾の髪飾りを付けている。

 瞳の色は薄青。でも単色ではなく、左右ともに翠色が混じっていて、とても不思議な色合い。

 なんて綺麗……。


 その常識からかけ離れた瞳の美しさを、上手く表現するのは難しい。

 光の当たり方で色が変わって見える宝石……っていうのが、近いような気がする。

 それから着ている服も変わっていて、(はっきり言ってもう全部が全部変わっている)スタイリッシュなんだけど、部分的な重ね着が目立つ。

 服の素材は、さらさらしているものもあれば、着物の帯みたいにしっかりとしていて文様が入っていたりするものもある。東洋、西洋、中華、全部混じったような斬新なデザインだなって思う。



 彼の瞳の色が少しずつ濃くなり、彼はわたしを見つめ微笑んだ。

 それだけでわたしは……。


 わたしは、とても幸せな気持ちになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ