表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史と謎  作者: 村背博秋
第4話 「下山事件にまつわる」
37/37

下山事件にまつわる 其ノ七

さらに翌日、私のもとに浅部から電話が入った。

三敏銀行より防犯カメラの映像が

届いたとのことだった。


その映像を鑑識で確認したが

特に怪しいところはなかったという。


カメラの映像を確認したかった私は

浅部に強引にお願いした。


しぶしぶ浅部は自分のスマホで撮影して

内緒で持ってきてくれることになった。



数時間後、浅部がふてくされながらやってきた。


国素裸くにすらくん、バレたら懲戒ものなんだから頼むよ」


「申し訳ない。いずれ埋め合わせはするから」

浅部のスマホの画像を確認しながら私は応えた。


「ところで国素裸くにすらくん、

昨日は何をしてたんだい?」


「デパートを調べてました」


さらに浅部はスマホを覗き込む私に話しかける。

「特に問題はなさそうだろ?」


四分割にされた映像を見ながら私は否定をする。

「いや、僕が見たかった映像はこれ」


私は四分割の左上の映像を指さし応えた。

それは、駐車場を映した映像である。


店内の映像ではなく駐車場の映像に注目した私に

浅部は少し驚いた様子だった。


しばらく映像を見ていると左端に一台の車が

通り過ぎるのが映っていた。

さらに、その後を追いかけるかのように

別の車が通り過ぎていった。


「今のは?」


「最初の車は園丘さんの車でしょう。

その後の車は恐らく・・


浅部さん、鑑識に連絡して今の映像の

2台目の車の運転手のところを拡大トリミングしてもらってください」


浅部は分かったと返事をすると

早速、鑑識の米田に電話をかけた。


間も無く米田から画像が送られてきた。

その画像を見て浅部は驚きを隠せなかった。


「やはり、そうか」


国素裸くにすらくん!

分かっていたのか!?」


「薄々。

浅部さん、またお願いしてもいいですか?」



翌日、私は浅部に頼んで関係者を園丘邸に集めてもらった。

またしてもふてくされた浅部がそこにはいた。


国素裸くにすらくん・・

今回はお願い事が多いね」


園丘邸には関係者である

園丘夫人、お手伝いの後藤、運転手の西岡、副社長の大塚

顧問税理士の洲原、三敏銀行支店長の安西、そして

事件を捜査している関口警部と浅部、私、野中の10人が集まった。


「皆さん、お忙しいところ

お集まりいただいて恐縮です」


私が9人の前で挨拶をするや否や園丘夫人が

食い入るように私に詰め寄ってきた。


国素裸くにすらさん!

犯人が分かったんですか!?」


間髪入れず関口警部も質問を投げかけた。

「犯人もそうだが、デパートのトリックは解けたのか!?」


「ええ、もちろん」


「これは殺人で間違いないのか?」


「犯人はいったい誰なんだ!?」

大塚、洲原と続けて質問を投げかける。


私は静かにすべての真相の推理を語りだした。

「今回の事件は皆さんもお気付きの通り

下山事件が大きく関わっているのは間違いありません」


「やはりあの事件が・・」


「園丘さんの失踪、そして死亡には多くの謎がありました。

まず、あの日 大黒デパートに行く必要があったのか?

さらに、その前に三敏銀行に寄る必要があったのか?」


「三敏銀行には融資の話をしにいったのでは?」

洲原が問いかけると、大塚が反論するように応えた。


「いや、社内ではそのような話は出ていない!」


「そんな、どういう・・?」

園丘夫人は驚きを隠せずにいた。


さらに私は続けた。

「園丘さんは犯人に脅されていた。個人的にです。

ゆえに会社のお金を使うわけにはいかない。

そこで個人として安西さんに融資をお願いしていたのです」


「犯人に脅されていた!?」

野中が叫ぶ。


「園丘さんの失踪した当日に多額の現金が

振り込まれていた口座がありました。

・・安西さん、あなたの奥さんの口座です」


「!!!安西さんが犯人!?」

園丘夫人が叫び声が響く。


「いえ、犯人は安西さんではありません。

おそらく園丘さんが脅されていることを知った安西さんは

口止め料を要求したのでしょう。だから我々が

お伺いした時の話が曖昧だったのです」


「じゃあ、犯人は一体誰なんだ!」

じれったいなと言いたげに大塚が問いただす。


すると浅部が数枚の写真をみんなの前に差し出す。

私は推理を続けて話した。


「ここにお集まりの中で当日のアリバイがなく

三敏銀行駐車場の防犯カメラに映りこんでいる人物・・

非番でありながら、なぜ園丘さんの後を追いかけるように

映っているのでしょうね?関口警部」


「!!!!!」

一同、驚きで声も出ないほどのようだった。

関口警部は目をまるくしながら反論をした。


「な、なにをバカなことを言っている!!

たまたまカメラに俺が映っていただけで犯人にされたらたまらん!」


「関口という名・・どこかで聞いた覚えがあったんです。

そこで下山事件を徹底的に調べました。

関口警部・・あなたは当時、下山事件を担当していた刑事の一人

関口警部補のご子息ですね?」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ