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歴史と謎  作者: 村背博秋
第4話 「下山事件にまつわる」
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下山事件にまつわる 其ノ五

私と浅部はまず、大黒デパートの事務所に向かい

店内カメラの映像を確認することにした。


カメラの画像などを監視しているのは

デパートの地下にある事務所内である。


サービスカウンターで話しを聞いた後、

デパートの主任が現れ事務所まで案内してくれた。

主任は「またか」といった感じで私たちに話しかけてきた。


「すでに別の刑事さんがいらしてます。

今日はあなた方で三組目ですよ」


「すいません。部署が違うもので」

浅部は笑いながら応える。


「三組目ですか?」

私が尋ねると主任は応えた。


「ええ、今お一人みえてます」


事務所に入ると、

そこにはモニターの前で仁王立ちしている一人の男性がいた。

男性はこちらに気がつくと、ゆっくりと振り返った。


「浅部じゃないか」

そう言う男性に対し浅部も応えた。


「関口警部!

お疲れ様です」


「ん?そっちのは見ない顔だな」

関口警部は私の方を見て問いかける。


「あ、いや・・彼は刑事じゃないんです」


「刑事じゃない?

じゃあ、なんでお前といるんだ?」


「それは・・」


少し黙り込む浅部に関口警部は


「まあ、俺ももうすぐ定年だ。刑事は40年以上やってる。

今までに違法捜査も数多くしてきた。自慢にならんがな。

使えるものは使っとけ浅部。」


私のことは目をつむる。そういうことだった。

だが、浅部は苦笑いを浮かべていた。

利用されてるのは俺なんだけどな・・と言いたげに。


「関口だ。君は?」


「僕は国素裸くにすらと申します。

探偵です」


「探偵?そうか、嫌いじゃないぞ。

そういうの」


すると浅部が本題を切り出した。

「で、どうです?関口警部」


「どうもこうも・・

厄介だな・・」


「厄介?」


「ああ。このデパートには従業員の通用口を含め、

全部で6箇所の出入り口がある。

その全てに監視カメラが設置してある。

ですよね?主任さん」


関口警部は主任に確認をとると、

主任は頷いた。


「それが何か?」


「映ってねえんだよ。園丘氏の姿が」


「どういうことですか!?」

浅部が驚き尋ねる。


「9時半頃、園丘氏が正面入り口から入店したのは写ってる。

だが、いくら探しても退店した姿が映ってねえ」


「でも翌日、轢死体で発見されたということは、

必ずどこかから出てるはずですよね?!」


「ああ。何らかの方法で園丘氏は

運び出されたはずなんだが・・」


「物資搬入口はどうでしょう?」

私は関口警部と主任に問いかけた。


「搬入口ならカメラはありません」

主任は応える。


「搬入口か・・

そこから運び出し線路の上に寝かせた、

ということか?」

関口警部も応える。


「搬入口に行ってみましょう」

私の言葉と共に関口警部、浅部と主任の4人で搬入口へ向かう。


搬入口ではちょうど業者が搬入を行なっていた。


「ちょっといいかな?」

浅部は警察手帳を見せながら業者の一人に話しかけた。


業者に搬入の時の話しや時間帯などを尋ねた。

どうやら搬入口は普段は閉まっており、搬入の際だけあけるようだ。

業者は基本、二人一組で搬入口が開いてる間は

常に誰かが作業をしてるとの事だった。


「開いてる間は作業してるなら、ここからは無理だな」

関口警部は腕を組みながら呟く。


「ということは、カメラに映らずデパートからでるのは不可能です」

浅部は困ったように応える。


「これは完全なる不可能犯罪だ!」


「何らかのトリックを使ってると思いますよ」

困った顔をする2人に対し、私は冷静に応えた。


国素裸くにすらくんは、そのトリックわかったのか?」

尋ねる浅部に対し私は


「まだ、わかりませんが」


「いずれにしてもあり得ないことが起きてるのは事実だ。

俺は園丘氏の足取りを探ってみるつもりだ」


関口警部は私たちの方を向きそう言った。


「では、浅部さん。僕たちも行きましょうか?」


「え?どこへ?」


「売り場の方を見てきましょう」

そう言うと私はその場を足早に立ち去った。


大黒デパートの二階のカーテン売り場に私はやって来た。

そこで店員に尋ねた。


「すみません。じゅうたんはどこに置いてあるのでしょう?」


「じゅうたんですか?それならこちらになります」


店員に案内されじゅうたん売り場にやって来た。


国素裸くにすらくん。なんで

じゅうたんなんか?」


そう問いかける浅部をしり目に私はじゅうたんを物色した。

そして一本のじゅうたんに目をとめた。

それは赤いじゅうたんだった。


それを見て浅部はさらに問いかける。

「赤い・・じゅうたん・・?

そうか!園丘さんの遺体に付着していた赤い繊維は

じゅうたんのものか!?」


「確証はありませんが、そうではないかと思いまして」


まじまじと赤いじゅうたんを見る浅部を

またしてもしり目に私は店員に質問をした。


「昨日、赤いじゅうたんを購入した方は見えますか?」


「はい。一名、男性のお客様でした」


「お幾つくらいの方でした?」


「40か50か・・?」


「曖昧ですね?」


「なにぶん、帽子を被ってサングラスをしていましたから・・

しかもほとんど、うつむき加減で話してましたので」


「そうですか・・」


国素裸くにすらくん。

思いっきり怪しいな。そいつ」


その後のその男性の行動を聞いたが

対して気にも留めていなかったらしく

あまり覚えていないとのことだった。

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