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歴史と謎  作者: 村背博秋
第3話 「信長にまつわる〜後編〜」
24/37

信長にまつわる 其ノ十三

ー岐阜県可児市ー


可児市は国の史跡に指定されている長塚古墳や

県下最大級を誇る次郎兵衛塚一号墳をはじめとした

多くの遺跡や古墳が存在する歴史ある街である。


明智城址は家々が建ち並ぶ集落の中にある。


明智城址公園の駐車場に車を停めて

私たちは明智城の跡へ向かった。


途中、明智城址大手門をくぐり目的の場所に辿り着く。


恵那市の明知城もそうなのだが

ここ可児の明智城も山城であったため

石垣のようなものの跡はない。


城跡には石碑が建てられており

説明の看板も設置されていた。


「やはり、ここの方が光秀出生地としては信憑性がある」


その時、野中が私を呼んだ。

国素裸くにすらさん。これを見てください」


そこには土を盛り石で周りを固めた

お墓のようなものが七つ存在した。


さらにその側に石碑も建てられていた。

その石碑には、七ツ塚と書いてあり

斉藤道三が息子、義竜により落城したこの城と共に

戦死した明智軍七武将を葬った塚と書かれていた。


国素裸くにすらさん。"七"の文字」


「密書に書かれてた"七"はこのことか・・

いや、違う。ここには1556年と記されている。

本能寺の変より、かなり前だ」


「時期的に合わないですね。密書が書かれたのが

本能寺の変より10年ほど後だと思われるから、ありえないですね」


「時期的には合わないが少し気になるな・・

まさかここに埋蔵金があるんじゃ」


私は今まで調べてきたことを頭の中で繋ぎ合わせたが

どうやってもここ、明智城址に埋蔵金があるという結論に

至らなかった。


しばらく本丸跡や二の丸跡などをみて周ったが

特に埋蔵金のヒントになるようなものはない。


日も次第に傾きかけ七ツ塚も夕陽に照らし出されていた。


明日、再び調らべることとし、今日はホテルに戻ることとなった。


国素裸くにすらさん。

明日はどうします?」


「やはり京都や滋賀に行くべきかもな。

まだ、それらしい手がかりが見つからないし」


光秀に関するものはいくつか分かってきたが

肝心な埋蔵金に関することはまだ何一つ分かってないのが現状である。


ここは岐阜を後にし、滋賀や京都などの光秀ゆかりの場所を探ってみるべきか・・


私は悩んでいた。

と言うのも信長埋蔵金を調べ始め、もう少しで一週間が経とうとしていた。

早く謎を解きたい。

その想いが逆に京都からとおざけた。


今いる岐阜の地で解決できれば、

それに越したことはないからだ。

経費にも限りはある。


そんな思いを巡らせながらホテルに向かう。


ホテルに着くと私はロビーにパソコンが置いてあるのを見つける。

宿泊客が自由にインターネットを使えるようだ。

チェックイン後に利用してみることにした。



そして、翌日。


国素裸くにすらさん。

滋賀に行きますか?」

朝、ロビーで野中は私に尋ねる。


「いや、行きたいところができた」


私と野中は車に乗り込み岐阜県瑞浪市に向かった。


「瑞浪市ですか?」

野中は不思議そうに私に尋ねる。


「瑞浪にある美濃源氏の土岐氏の館跡にいこうと思う」


「土岐氏って明智光秀の祖ですよね」


「美濃源氏発祥の地というところがあるらしい」



ー岐阜県瑞浪市ー


瑞浪市は岐阜県南東部に位置し、

美濃焼や中山道の宿場、化石などで知られる

歴史と文化の街である。


瑞浪の駅に程近い場所に土岐氏一日市場館跡ときしひといちばやかたあとがある。


美濃源氏とは平安時代末期から鎌倉時代にかけて

美濃各地に住んだ土岐一族・家臣の総称である。


土岐氏の初代、土岐光衡ときみつひらが館を構え 美濃の国府となった場所とされている。


「そういえば、依頼者の土岐頼春ときよりはるさんも

土岐という姓ですよね?」

野中が思い出したように言った。


「そう、だから気になったとも言える。もしかすると土岐さんの家系を辿ると

ここに行き着くのかもな・・」


私たちは美濃源氏発祥の地とされる、

土岐氏一日市場跡に着いた。


土岐氏一日市場跡は八幡神社になっており、

境内には土岐氏一日市場の碑などがある。


そして、ここには土岐氏の分家である明智光秀の像と碑もあるのだ。


「光秀像もありますね」

野中は像を見つめつぶやいた。


「明智光秀は謎が多く出生地にも諸説あるが

ここは昨日行った明智城址の恵那市、可児市の中間に位置し、

この美濃源氏の家系から明智氏が出た事は間違いない」


「光秀がこの地に思い入れがあってもおかしくないですね」


「人は不思議と生まれた場所で最後を迎えたくなることがある」


私たちは光秀像を前に

生まれ出でた光秀公を思い馳せる。

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