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歴史と謎  作者: 村背博秋
第3話 「信長にまつわる〜後編〜」
23/37

信長にまつわる 其ノ十二

桔梗塚ききょうづかを後にした私たちは、

先ほど道を尋ねた地元の方と再び出会った。


その方は荒深あらふかという名で、

この辺りには荒深の姓の家が多いのだという。

光秀が荒深を名乗り、

それ以来この地に荒深の家が多いのだろうか?


その方は面白いことを教えてくれた。

荒深の一族には門外不出の歌があるのだという。


歌と聞いて密書の文字に"歌"というのがあったことを思い出した。


私は歌の内容を尋ねたが門外不出の為、教えてもらえなかった。

それでも諦めきれなかった私は何度も頼み込んだ。


するとその方は仕方なさそうに口頭で歌の一部を教えてくれた。

それを書きとめ深くお礼をし、その場を去った。


その歌の一部がこれである。



身をも名も 惜しまねはこそ

松のみとりいろ濃き 弥生空

くちなは頭の影をふむ

岩戸菌のその下に

こかね三百 しろかね千貫



「どういう意味でしょう?」

歌のメモを手に野中が首をかしげる。


「最後の一文、こかね三百 しろかね千貫

これが埋蔵金の事だと思う」


「とすると、その前の文が埋蔵金のありかをしめしてるんでしょうね」


「だがこれは密書に書かれてた歌じゃない」


「どうして分かるんですか?」


「密書を解読した歌の文字の前に、月入という文字がある。

おそらく、歌の中に月が入った歌。

そう考えられる」


「この歌には月の文字は入っていない。

違うってことなんですか?」


「違う可能性もあるってことだね」


「じゃあ、この歌では埋蔵金のありかは分からないんですか?」


「なんとも言えない。少なくとも解読できない以上、探すことはできない」


「解読できないんですか?」


「この歌の意味を探りながら光秀を引き続き調べよう」


「次はどこへ行きます?」


明智城跡あけちじょうせきへ行こう」


「明智城のあとですか?」


「岐阜県には光秀の出生地と言われる所が2箇所ある。

一つが恵那市明智町えなしあけちちょう、もう一つが可児市」


「どちらの方が有力なんでしょうね」


「まずは恵那市から行ってみよう」


私たちは山県市を後にし、恵那市明智町に向かった。

明智町の方は明知城。知の字が違うのである。


故に可児市の方が有力と考えられる。

とは言うものの可児市の方も長山城とも呼ばれている。





ー岐阜県恵那市ー


恵那市は人口約52000人。

平成16年に、旧恵那市と恵那郡南部、

山岡町・明智町・岩村町・串原村・上矢作町の

1市4町1村が合併し現在の恵那市が誕生した。


明知城跡は明智町の中心地、日本大正村にほんたいしょうむらの中にあり

他にも大正村には光秀の供養塔や産湯の井戸、光秀の母の墓などもある。


私たちは大正村に辿り着いた。

大正村は特定の敷地内に設けられた施設でなく、

この街そのものが大正村として大正時代の店舗、

資料館などを再現、保存されているのである。


車を大正村の駐車場に停め、歩いて明知城跡を目指す。

細い山道を登り城跡に向かう途中に天神神社がある。


天神神社は明智光秀が幼少のころ

学僧を京都より招き学問所としたと言われている。

天神神社に手を合わせ、しばらく登ると目的の明知城本丸跡に辿り着く。

そこには説明看板が設置されていた。


看板を前に野中がつぶやく。

「明知遠山氏?」


「明知遠山?・・

思い出した!ここは土岐明智氏とは別の明知遠山氏だ」


「なんですか?遠山氏って」


「光秀の祖は土岐明智氏だ。明知遠山氏は遠山金四郎が祖とする一族だ」


「遠山金四郎って桜吹雪で有名な遠山の金さん?」


「ああ、だからここは光秀の出生地でない可能性が高い」


「ということは、ここには信長や光秀、

そして埋蔵金に関するヒントはないってことですか?」


「ないことはないかもしれないが

ここでは特に何も見つからない気はする」


明知城本丸跡を後にし、もと来た道を戻る。

その道すがら光秀供養塔に立ち寄った。


そこには明知遠山氏の家系図が記されている看板があった。

これを見る限り、やはり光秀出生の地はここではないような気がする。


光秀の供養塔に手だけ合わせ、最後に

光秀の産湯の井戸だけ見て恵那市を後にした。


確かに光秀ゆかりの地では間違いないだろう。

神聖な感じもした。

が、目的の埋蔵金に関するヒントは見つからなかった。

私はもう一つの光秀出生地とされる明智長山城跡に向かっていた。

次の地には何らかの手がかりがあることを期待して。


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