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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

デス!ゲーム

作者: 半纏少尉

軽め?重め?の残酷な描写がありますので嫌いな方は読むのをお辞め下さい。

これは今から少し未来のVR技術が確立されVR機器も一般的に普及して来た時代の、一世を風靡したゲームのお話。


俺の名前は橋場 幸太郎少しオタクの入ったゲーマーの高校二年生だ。

リアルではほどほどの友人関係を築きクラスカーストで底辺よりやや上くらいのどこにでもいる普通の男だ。

近年ではVR技術が確立されて社会がこれを活用している。

学校の授業でもそうで、親の世代では家から通うなんて当たり前だったらしいけど今では各地域毎にサーバーを用意されて仮装現実の中で授業がされている。


まぁ、俺がなんでこんな事を思い浮かべねいるかと言うと…うんまぁ大人(作者)の事情ってやつだな。


そんなリアルの(色んな意味で)話は置いといて、最近有名になってきたあるVRMMOの話しをしようじゃないか。


前時代から続くテレビを使った伝統的なゲームは細々と続いているがやっぱり今の主流はVR技術を使ったゲームだ。

文字通り、別の世界で普通は出来ない様な動きや魔法なんかが出来るから、そりゃあ、爽快で大人から子供までが夢中になって遊んでいるんだ。


そんな中最近ゲーマーの中で有名になっていたゲームがある。

そのゲームのタイトルは「デス!ゲーム」なんてふざけたタイトルをしている。


確かに昔はゲーム中にログアウト不能になりゲーム世界に取り残され、攻略しなくちゃ死ぬ、攻略中にゲームで死亡しても死ぬなんて理不尽な事を題材にした小説があったらしいけど、流石にこのタイトルはどうなんだ?

しかもなんかR15指定がご丁寧に入ってるから本当に良く分からない。


このタイトルが有名になってきたのは、ゲーマー御用達の某サイトでVRMMOの難易度ランク最高位の ベリーハードを獲得していたのが1つの理由だ。


それだけなら時々現れるゲームがあるんだが理由わもう1つあった。

このゲームの評価をした連中やプレイした連中が多くを語らなかったのだ。


掲示板などで「本当に死ぬの?」なんてふざけて聞いた奴に、「ある意味死んだ」「攻略無理乙」なんて言う癖に理由を一向に語ろうとしないのだ。

…まるで何かを隠し、決して知られたくないかの様に…。


こうして興味を持った者達が挑み、そして敗れてしまい、誰も口を割らなくなってしまうそんなループが続く事で、このゲームがゲーマー達の間で有名になった経緯だ。


かく言う俺も興味を持った…いや、持ってしまったゲーマーの1人である。

そんな俺の艱難辛苦に満ちたゲームライフをお届けしよう。

前振りの終わり、ゲーム開始当日に戻ってみようじゃないか…。




その日の俺は前々から少し気になっていたゲームがダウンロード出来るとあって少しテンションが上がっていた。


「よし!今日やっとあのゲームを始められるぞ〜!難易度高いから結構楽しめるだろうしな!しっかしこのタイトルは無いだろう何が「デス!ゲーム」だよ本当に意味わかんねーよな!」


そんな事を言いながらゲームをダウンロードして、ゲームを開始する。


「リンクスタート」

高性能のカプセル型VR機でログインを始めるワードを唱えた。


視界が切り変わり辺りを見回す。

普段と変わらないVRサーバーの接続先を決める場所だ。

ここから検索機能で例の「デス!ゲーム」を検索し指で押す。

すると目の前に扉が現れ、それを潜る事でゲームが開始した。


「よ、う、こ、そ♡デス!ゲームの世界ヘ」

ゴツい男のナビゲーターが女口調に女の仕草、女の服装をしながら歓迎してくれた。


(え?え?何これ?果てしなく嫌な感じなんだけども、どう言う事?

そもそも、なんでオネエ系のナビゲーターなの?ここまで嬉しく無い歓迎初めてだよ?)

この時の俺は開始と同時に現れたあまりにもあんまりな光景と声に混乱した。


「うっふーん♡可愛いわね〜、早速だけどゲームの概要を説明するわねぇ。

この世界は、ヘスティアと言って、世界の崩壊の危機を迎えて居るの、世界にはなん体もの魔王が現れていて、その子達を封印しないといけないのよ。

因みに魔王達は結構いい男よ♡

それで魔王を封印する為に呼び出されたのがあなた達…と言う設定よ」


(ツッコミ所が多過ぎる…!なんだこの簡単過ぎる設定わ?

魔王がいい男ってなんだよ?要らねぇよそんな情報!

しかも封印しなきゃいけないってなんで悲しそうに言うの?何?魔王タイプなの?

しかも設定って言い切っちゃったよ!台無しだよ?)

もの凄い疲れるプロローグが終わると、次は実際に戦闘方法をプレイしながら教えてくれる。


「それじゃあ戦闘訓練を始めるわ♡私が体で教えましょうか?キャッ!私ったら大胆!」

そんな言葉に精神をガリガリ削られながら全力で首を横に振るった。


「…そう、残念だわ。

じゃあそこにウサギを出すから戦闘を開始して頂戴…」


物凄く残念そうに言うけども嫌なものは嫌なんだよ、と悪態をついてしまう。

前方にウサギ?が現れた…?

目の前に出てきたのわ、うさ耳の幼女だった。

(えっ?何?この子と戦闘訓練しろと?こんないたいけな幼女に攻撃をしかけろと?)


ウルウルとした瞳でこちらを見上げ俺が身じろぎする度にビクってなるうさ耳幼女…


「じゃあまず、魔法から行ってみましょうかしら、火、水、土、風の4種から1つを選んで欲しいわ♡

この中の1つが主属性になって使い易くなるのよ〜そ、れ、に〜反発属性にわ逆の補正、つまり使い難くなるから気をつけてね?」


とりあえず魔法を選ぶ事にした。

うさ耳幼女の事が頭にチラつき出来るだけ被害の少なそうな物を選ぶ事にした。


風をひとまずタップしてみる。

ポップが現れてそこに「風を使い斬り刻みますか?Yes/No」が現れ速攻でNOを押した。

(この表現わ無いだろう…うさ耳幼女が頭にチラついてしまうじゃ無いか!)

次は水をタップしてみると「水を使い敵をずぶ濡れのスケスケにしますか?Yes/No」と出た。

(悪意あり過ぎね?何この問い?なんかあなたは幼女に性的興奮をしますか?って問いみたいじゃねぇか)


土と火も確認してみるが酷かった。

「土を使い敵を土の弾丸で撃ちまくりますか?Yes/No」(撃ちまくる必要ねぇだろ?)

「火を使い敵を(汚物)を消毒しますか?

Yes/No」(汚物ッてなんだよ⁉︎あの子になんか恨みがあんの?)


疲れながら仕方なく水を選択した。

「水属性ね?分かったわ、魔法には魔法名と詠唱が必要で詠唱は好きに登録する事が出来るわ♡

まずは私の言う通りにやりましょうか」

目の前にポップして来た詠唱と魔法名に不吉な予感がしてしまう。

『全ての敵を押し流し、滅ぼし給え、ハイドロウェーブ』

(なんでいきなり上級っぽい呪文なんだよ?ウォーターボールとかでいいじゃないか、なんでわざわざ強そうな物チョイスすんの?)


ご丁寧にスキップボタンもなく仕方なく詠唱した。

うさ耳幼女に向かって高さ1メートル程の凄い勢いの波が向かいうさ耳幼女を押し流す。


(…おいぃ…やめて、やめたげて?どうしてこんな酷いことするの?始めた段階でここまでやりたくなくなったゲーム初めてだよ?)


うさ耳幼女はアプアプとしながら光の粒子に変わり消えていった。


「あら?上手くできたわね♡それじゃあご褒美をあ、げ、る♡」

そう言ってプレゼントが届き確認してみる。

プレゼントの中にポーションとお金、そしてうさ耳がドロップとして入っていた。


(…使えねえよ!?うさ耳なんか素材として使いたくないよ⁉︎これ絶対あの子のだよね?

これ売ったり、素材に出来る奴の神経疑うよ⁉︎)


「チュートリアルを再開しますか」とポップが出てきて速攻NOを押した。


「もう行っちゃうの?寂しいわ…でも仕方ないわね、それじゃあ頑張ってね〜」

そう言ってオネエさんが手を振って居るのを見ながら俺はゲームを開始した。


開始場所はどうやら教会の大聖堂らしい、宗教っぽい絵のステンドガラスが天井に描かれており神聖な雰囲気を醸し出している。

そして視界の端に神父さんらしき人がいて立っていた。

ふと涙がこぼれそうになる、先程の決して癒されない痛みが少し和らいだようだった。


(…って流石に無視出来ないよ⁉︎なんなのここわ‼︎教会の床が死屍累々としてるよ⁉︎)


orzの状態の人や膝を抱えながらブツブツと呟いてる人が床面を塗りつぶすようにしていた。


「これは…プレイヤーか?」

「…あぁ君は始めたばっかりなんだね?

ハハハそうだよここはプレイヤーの中では亡者の溜まり場と言われてるんだ。

ゲーム中に死んだ場合もここで復活するんだけどね…ハハハ」

俺の呟きに反応したプレイヤーが乾いた笑いをしながら教えてくれた。

礼を言い俺はこの亡者の溜まり場から抜け出して外に出た。


外は2つの空気に満ちていた。

1つは、NPCだろう活気が溢れ呼び込みや話声が聞こえて来る。

もう1つはプレイヤーだ、一様にピリピリした空気を纏い死ねない、絶対死ねないと呟きが聞こえて来る。


「…ハハハ、何だこれ?」


乾いた笑いをこぼしながら仕方なく目の前にあるギルドに向かう。

ギルド内は静まり返っていた。


「…すいません始めたばかりで良く分からないんですけど?」

近くに居たプレイヤーに恐る恐る声を掛けてみた。


「…あぁ、新たな犠牲者か…最初はギルド登録してクエストをこなしていくんだ。

良いか?絶対死ぬなよ?絶対だぞ?」

(犠牲者ってなに?普通初心者とかじゃ無いの?しかも振りみたいに死ぬなよって…死んだら何かあるのか?)


「あ、ありがとう、ございます」

俺は戸惑いながらも礼を言ってギルドの受付に向かった。


「すいません、登録したいんだけど?」

「はい!もしかして勇者様ですか?最近良く来て下さるんです!

世界崩壊を止める為頑張って下さい!

これが登録カードです!」

そう言って渡されたカードにはデカデカと勇者と書いてあった。

(確かに名前を設定する事無かったよね〜なるほどもしかしたらチュートリアルの最後だったのかな?

うん、うんスキップしちゃったし仕方ないよ…ってそんな訳ねぇだろ!

もしかしてチュートリアルの苦行を乗り切らないと名前が設定出来ないの?

てかスキップしちゃった人はみんな勇者って名前なの?)


ふざけた設定を嘆きながら俺は自分に仕方ないんだと言い聞かせてクエストを受けた。


やっぱり最初はスライム討伐だよな、ウサギ討伐とかあったけど絶対あんな思いしたく無いしな。

街から出て草原に向かうとそこにスライムがいた。

「よし、よし普通のスライムだな攻撃を開始するか。」

剣を抜き構えるとスライムが気づき動き出した。

ウニウニと動き形を変えて行く。

(ん?戦闘形態か?確かにそう言うのもあるかもな…って何で今度は少女みたいになるんだよ⁉︎ふざけんなよ⁉︎)


精神を病みそうになりながら剣で斬りかかり苦悶の表情を浮かべる少女を何とか倒した。

(あれはスライムだ、あれはスライムだ)

自己暗示をするように言い聞かせながら俺はスライムを倒して行く。


帰り道ウルフに会った、集団で襲いかかって来るウルフ。

ケモミミと尻尾を携えた幼女と少女の集団だった…俺は遂に抵抗出来なくなり死んだ。


…そう、死んでしまったんだ…

死んでしまってから視界が真っ暗になり

「復活するまで少し時間がかかります。その間映像をお楽しみ下さい」

何てメッセージが出てきた。


映像が始まるそこには俺と相対するスライムやうさ耳幼女達。

俺が斬りかかり、魔法を放つその時声が聞こえて来る。

「イヤだ、怖いよ、剣を持った人が来た…来ないで!来ないで!怖いよ怖いよ…

お母さん!助けて!」

まさかの敵対視点の動画だった。

(止めろ!止めるんだ俺!この子達が何かしたのか⁉︎止めろ止めてくれ〜‼︎)

声が出なくて感覚的に叫びながら復活時間が終了した。


「俺は…何を…何てことを…」

ブツブツと言いながら大聖堂の広場で、いや亡者の溜まり場でorzのポーズをとり亡者の仲間入りを果たしてしまった。


この後2日程かけて気持ちを落ち着かせサイトにベリーハードの評価を打ち込み、死ねないゲームを続けるのだった。


なお敵は相変わらず幼女や少女綺麗な女性が主体であり必死になってこうりを目指すのだった。

確かに魔王の封印を目指す奴は勇者なんだろう…そう、色んな意味で。

如何でしたでしょうか?

昨今のゲームは、敵まで美少女から美幼女までよりどりみどりなのがありますが、実際VRMMOになった場合こうなるんじゃ無いかと想像してしまいました。

感想、批判等あるかと思いますが返信しないと思います。

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