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召喚先で

ここから本編。まぁ基本だらだらです。

1/2

軽い浮遊感。

エレベーターに乗ったときのフワッとしたやつ。ああ、下の階に行くときのやつな。

あ、実際に浮いた。

ううっ。足元に何もない感覚は変に気持ち悪い。

この感覚がなくなったときに、あちらに着くのだろう。

そして、ふと思う。


このまま普通に着いて良いのだろうか?


いや、良いのだろう。召い喚しそれに応えて登場する。それだけで成り立っている。当たり前の事だ。

しかし、しかしだ。


俺はプロレスラー。


格闘家や武闘家といわれる類いでもあるが、エンターテイナーでもある。そんな当たり前で満足していいのか?

ここは何か演出をするべきでは?時間は恐らくもうない。今すぐにできることはないか?転移シーンで脳内検索した結果、ある映画の位置シーンが浮かぶ。

これだっ。


俺はその場にしゃがみ、立て膝、うつ向きに。そして目を閉じ到着を待つ。

ガキの頃、全裸のシュワちゃんを見て『あんなマッチョになりたい』と思ったのだ。それ以前から鍛えてはいたがいい目標となった。

そして今、あの頃の憧れを俺は越える。


さぁこい、こいっ……来たっ!

浮遊感が消え、足元に感覚。重力。文字通り地に足が着く。

はしゃぐな、俺。ゆっくりだ。ゆっくりと五つ数えろ。

タメだ。タメを作れっ。

よし、いいぞっ。ゆっくり立ち上がれ。


「俺を喚んだのはお前か?」


よくやった、俺。落ち着いていて重い声だ。日本語吹き替えシュワちゃんのイメージだ。


さぁ、全て整った。目を開けよう。第二王女はどこだ。


あれ、何も見えない。真っ暗だ。


右手がクイクイっと引かれる。シルクと繋がっている方だ。


「ソレイユ、ソレイユ。誰もいないよ。」


「マジかっ?恥ずかしいぞ、俺。あ、それよりも電気。電気をつけろ。暗くて何も見えん。」


あとこっち見るな。マスクで分からないだろうが顔が真っ赤なんだよ。


「電気?よくわかんないけど明かりかな?ーーー。」


シルクの声に応じて光が産まれる。

誰もいない。何もない。石畳に石壁の部屋。あ、奥にでっかい扉があるな。あれなら今の俺でも、普通にくぐり抜けれる。


「何処だ、ここ。召喚先間違えた?」


「んー、この部屋で英雄召喚の儀式はやってるね。でもちょっと間違ってる。月齢と陣が合ってないよ。だから召喚される日が違っちゃった。」


「ちなみに何日ずれた?」


「一週間。久しぶりの召喚だから、細かい文献失っちゃったのかな。」


かなり大きくずれたな。それ、第二王女さん失敗したと思ってないか?俺なら一時間待って来なかったら帰る。

さて、どうしようか?


取り敢えず腹筋を始めた。

この世界で生まれ変わり、20年ぶりぐらいに手にいれた6パック。こいつを怠けさせるわけにはいくまい。


10代の頃は無駄に鍛えていたなぁ。がむしゃらにただ、体をいじめぬいていた。おかげで体脂肪率は一桁だったけど。20代はレスラーになって脂肪の大事さを学び、結果6パックは消えた。30代の頃には怪我で練習量は減り酒とか飲んだ結果ぽっこりしはじめていた。

今の腹筋はタイツの上からもわかるレベルだ。ま、このタイツが妙にピッチリなせいでもせうけれど。


さて、筋トレ中だがシルクと色々と話をした。おもにこの世界の事を。


この世界、言葉も文字も日本語らしい。

地球で60億だか70億だかいる人間のうち、公用語としては1億人程度しか使っていないマイナー言語が使われているんだ?日本語しか読み書き出来ない俺には都合がいい……むしろ良すぎるレベルだ。

で、その辺も聞いてみたら、昔召喚された英雄が作ったでっかい国があって、そこが使っていた言葉が今も各地で使われているそうだ。


この世界の社会の基礎を作ったのが『最初の5人』と呼ばれる日本人英雄達だとか。もし『最初の5人』がスワヒリ語を使う方達だったたと思うと恐ろしい。まあ、日本人以外の英雄も居たらしいから、その人たちは大変だったろうけど。


筋トレは腹筋背筋等を軽くやったあと、腕立て伏せをやった。まず両手から始め、片手、10本指、5本指、親指とやってみたが余裕過ぎる。鍛えれた気がしない。

そこでシルクに背中へ乗ってもらった。


「いいの?いいんだね、乗っちゃうよ。」


「ま、大丈夫さ……って、ジャンプで飛び乗るなっ。ビックリするわ。んん、でも軽いな。ちゃんと食べてるか?」


「あっ、そうだ。私アップデートした時に、食事ができるようになったんだよ♪」


「は?」


言われてみればあの草むらじゃ食い物ないな。まさか草食って生きていたわけでもないだろうし。魔力で作れそうだけど、エネルギーとしてはプラマイゼロか下手すりゃエネルギー使うだけか。


「『詠嘆の地』だと魔力が多いから、お腹が減らなかったんだよね。」


詳しい話を聞くと、俺が最初に召喚された草原『詠嘆の地』と呼ばれるらしいんだけど、そこはかなり特集な場所だったらしい。何でも魔力の量がこの辺の100倍以上の濃度。シルクは魔力を吸収する事が出来るので、あそこだと食事が必要なかったとか。しかしこちらだと魔力が少ないので、食事でエネルギー供給が必要。そのためにアップデートで出来るようになったそうな。


ちなみに自在に服を作ったりするのはこっちじゃ無理で、100倍以上頑張る必要があるとも言われた。衣は確保できると思ったんだけどなぁ。

もっとも、この衣装は多少汚れたり破れても自動で元に戻るとか。汚れたり破れたりする事自体難しいらしいけど。


「ねぇソレイユ、食べたり飲んだりすると、味って感覚があるんでしょ?どんな感じかな~楽しみ♪」


「おっ、おう。たらふく食べような。」


そんな時、揺れとなにかが崩れるような音がした。シルクが背中から落ちそうになる。天井からはパラパラと落ちてくる砂埃。地震か?でもそれだと揺れが短いか。


どうも、何かがここで起こっているらしい。

次回『魔人』

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