↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩  作者: 美雨
PR
7/7

地平線上の鳥

青く綺麗な空を眺めてた。

誰もいない真っ白な砂浜で。

寂しくて耳を澄ましても風と波の音しか聞こえない。

どうして誰も待っていてくれなかったんだろう。

どうして誰も迎えに来てくれないのだろう。


瞳に溜めた雫がこぼれ落ち、乾いた砂へ吸い込まれていった。

海は静かに波を立て、あざ笑うかのように煌めいていた。

僕はどうしようもなく苦しくなって背を向けた。


伏せた瞼を開けると視界に入った瓦礫の山。

見慣れた国は消えていた。

何もかも飲み込まれ、僕だけあの場に残された。


瓦礫の上で白い鳥が羽を休めていた。

まるで、僕なんかいないかのように羽を広げあの大空へと飛び立ってゆく。


僕がここにいるのはあの鳥のように飛んだからではない。

どうしようもなく臆病で、泣き虫だったから。

海を見つめる皆に背を向けて走り出してしまったんだ。

怖くて。怖くて。

何も声にならなかった。


あの時、僕に羽さえあれば逃げ出さずにすんだのに。

何もなくなった広い国に独りで取り残される未来はなかったかもしれない。


呑気に太陽が笑う大空の下で僕はどうしようもない言い訳を繰り返していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。