第1話 天然怪盗、参上!
登場人物紹介
春山晴美 怪盗シャルミーネ、天然怪盗
夏川奈津子 怪盗シャルミーネ、晴美のバディ
秋谷明江 シャルミーネの道具開発者
水島美貴 警視庁捜査一課刑事、バディ百合子
阿部百合子 警視庁捜査一課刑事、バディ美貴
山田剛 一課長、通称デカ長
早乙女千鶴 怪盗セイレーン、バディ蘭子
長谷川蘭子 怪盗セイレーン、バディ千鶴
長谷川瑠璃 怪盗セイレーン、蘭子の姉
西園寺孝彦 セイレーンの道具開発者
小説家ひろーら コレクションが凄いらしい...
*登場する全ての名称はフィクションです。
『本日午後3時、ひろーら先生秘蔵の「最初のサイン色紙」を取りに伺います。
怪盗シャルミーネ』
「...という予告状が投函されてまして...。」
何か家の裏口に2人いる。出前か?
「あの...、お二人はどちら様?」
「ああ、申し遅れました。私は警視庁捜査一課の水島と申します。」
「一課の水島さん...、あの初日間違い出勤の人?」
「えっ、な、何でそれを...。」
「ネットでは天然刑事とかで有名よ。」
大丈夫かな...こんな刑事で...。
「ひろーら先生、我々が必ず先生の秘蔵品を守りますから。」
「いやいや、あんなの秘蔵でも何でもないから。ただ置いてあるだけなんだけど...。」
刑事も刑事なら怪盗もとんだ天然ちゃんね。
「ところで、2人共何で裏口にいるの。表玄関は反対側よ。出前かと思ったわよ。」
「こっ、これは失礼しました。」
2人は玄関に向かった。何か不安だわ...。
「それで怪盗に狙われた品物はどちらでしょうか。」
「そのテーブルの上にありますよ。」
「こちらの色紙ですね。」
なにジロジロ見てんのよ。欲しいのかな?
「あっ、あの、ひろーら先生...。もしよろしければ別のでいいんでサイン貰えますか。」
欲しいんかい?!なにこの刑事...。
「まあ、サインなら構いませんが...。」
時計を見ると2時50分だ。
「そろそろ怪盗さんが予告した時間じゃないですか?」
「我々が必ず秘蔵の品は守りますから。」
だ・か・ら・秘蔵いうなよ...恥ずかしい...。
3時になった。
玄関のチャイムが鳴った。
「宅配便かな?」
モニターを見る。
ん?何か変なコスプレ2人組がいる!
「あの...刑事さん...、何か玄関にコスプレイヤーがいるんですけど...。」
「ひろーら先生はここにいて下さい。」
刑事2人は玄関に向かう。
ドアを開けると2人組がいる...。
「アンタら誰?」
「あら、先日お手紙を差し上げた者です。3時に伺うと書きましたが。」
怪盗シャルミーネ!
「先生の秘蔵品は我々一課の刑事が守ります。」
「お二人は刑事さんでしたか。なら少しお休み頂きましょうかしらね。」
そう言うと睡眠スプレーをかけた。
美貴と百合子は倒れた。
「何か刑事さん遅いな...。」
ん?何でコスプレイヤー2人が入って来んのよ。
「誰なの、アンタたち。」
「これはこれは、ひろーら先生。予告状通り受け取りに来ましたわ。」
「あの怪盗なんちゃらって人?」
「シャルミーネですわ、先生。」
どうでもいいけど...コスプレ気になる...。
「その格好なんですけど...。」
「あら先生、お揃いの衣装用意しましょうか。」
なんで私がコスプレすんのよ。
「いっ、いや...遠慮しとくわ...。」
そういや刑事の2人は?
「玄関に刑事さんが行きませんでしたか?」
「お二人は仕事に疲れたのかお休みしてますよ。」
使えん奴らやな。何が守りますだよ。
「ところで、何で怪盗が私の物欲しがるんですか?」
そうだよ。宝石とか絵画を狙うだろフツー。
「あら、先生ともあろう人が、ひろーらコレクションの価値がお分かりにならないんですか。」
ん?ひろーらコレクション?
なんじゃそりゃ。自分で言うのも何だが、私のナニがお宝なんだよ。
「そのコレクションとやらはどんな価値ですかね。」
「裏オークションでは破格の値段がついてますよ。」
知らんかった...。アタシゃいつの間にそんなんになったんだ...。
「ちなみに、最初のサインが欲しいみたいですが...おいくらくらいですか...。」
何か渡すのためらいそうだな...。
「最低でも、3,333,333円にはなるかしらね。」
なんでアホになる数値ばかりなんだよ。
しかも半端な金額だし...。
「では先生、こちらのサイン色紙頂きますね。」
世の中にはいろんなヤツがいるんだな...。
「先生、あの怪盗は?」
「そこの色紙持って帰ったよ。」
「おのれ、怪盗シャルミーネ。先生お怪我は。」
「普通に話、してただけだよ。」
くだらん話をね...。
「怪盗は何か言ってましたか。」
「そういや、ひろーらコレクションがなんとか言っていたかな。」
「まっ、まさか...あのひろーらコレクションを狙っているんですか!」
なんだい、凄いリアクションだけど...。
「アタシゃコレクションと言われる程の物は持ってないけどねぇ...。」
「いやいや、先生がお持ちの数々の品物は全て一級品です。また怪盗に狙われますよ。」
おいおい、冗談でしょ。この家のどこにお宝があるのよ。
「まあ、来る時は手紙出すみたいだから、またあのコスプレイヤーに会うのか...。」
怪盗シャルミーネのアジト。
「ひろーら先生、ご自身の価値をご存知ないようでしたね。」
「でも、あの刑事はサイン色紙に関心があったようね。」
「ねぇ、次のターゲットは何かしら。」
「アレしかないでしょ。」
「なら予告状準備するわね。」
「流石にアレは、ひろーら先生でもすんなり渡すとは思えないわ。」
「明江さん、例の道具用意して貰える?」
「ええ、何たってアレを頂くなら必須よね。」
第2話 予告
怪盗シャルミーネが狙う次なるターゲットのアレ...。捜査一課の2人は守ることが出来るのか!
次回 「お宝争奪戦!」
なんか勝手に登場してるんですけど...。
しかも、なんかガラクタみたいなのが売れるの?
でもまあ次回もヤツら...来るんだろうなぁ...。




