表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/103

序章

皆様始めまして。

碧鬼と申します。

このたび初めて小説を投稿致します。


少しでも多くの方々に、この作品を読んで頂ければ幸いです。

宜しくお願い致します。


軍服を着た兵士が2人、通路の先に身を隠しながら慎一郎しんいちろう楽羅(かぐら)に向かって発砲してくる。


しかし、前を走る慎一郎はかまう事なく駆けて行き、その兵士2人を至近距離から仕留める。

あえて弾を避ける事はしない、弾が楽羅に当たってしまう事を防ぐ為だ。


そうやって敵を迎撃しながら、2人はとにかく船の甲板に出るべく、足を止めずに走る。

だが、思うようには進めない。


当たり前の事だが、乗った事もない大型船の通路はまるで迷路のようだ。


ようやく見つけた階段を駆け上がった時、船全体が動いた事を感じて楽羅はレイスから奪った時計を確認する。


21時52分、閉じ込められていた所を飛び出してから、約4分が経っていた。


「ねえ、今のって!」


楽羅は前を走る慎一郎に向かって大声で問う。


「ああ、どうやら船が本格的に動き出したんだろうな」


慎一郎が振り返りながらそう答えた時、


「前っ!」


楽羅がとっさに叫ぶと同時に慎一郎が前を見て、


「ヤバッ!」


2人は同時に体をひねり、もつれるようにしてすぐ右にあった通路に倒れ込む。そのすぐ後ろを、


バシューッ…


音が通り過ぎ、


ドッズズンッ!


思わず耳をふさぐような爆音。楽羅はすぐに体を起こすなり、


「なによっ馬鹿じゃないのあいつらっ!自分達の船の中でRPGなんてぶっ放してんじゃないわよっ!」


よほど頭にきたのか、ちょっとヒステリックを起こしたように叫ぶ。

慎一郎は落ち着いた声で、RPGを発射してきた相手の心情を口にする。


「連中にすれば、自分達の事を知った俺達を逃がすわけにはいかんだろうし、その上仲間が殺されてるからな。なりふり構わず本気になるには十分な理由だろうさ」


しかし、せっかく楽羅をなだめようとしてもその慎一郎の落ち着きぶりが、逆に楽羅の感情を逆なでしたのか、ジト目で慎一郎を見ながらトゲトゲした口調で返す。


「なんでそんな冷静なのよ、って言うかアイツらがRPGなんて使いだしたのは、慎には並の弾をいくら当てても意味が無いって、ばれたからじゃん。私なんかこの状況だと9mmを一発でも急所にくらったらヤバイんだから、もうちょっと考えてよね?」


楽羅の文句に慎一郎はため息をつきながら、


「しかたねえだろ、時間ねえんだから」


そう呟きながら、隠れていた通路を飛び出し、再びRPGを構えようとしている敵兵に向かって、自分の持つベレッタのトリガーを連続して引きながら走り出す。

その弾の一発が敵兵の顔に当たり、側まで走り寄った慎一郎が敵兵が死んだのを確かめてから、


「楽羅、もういいぞ!」


声をかけられた楽羅は駆け寄ってくるなり、慎一郎を叱りつける。


「まったく無茶ばっかりしてっ!」


慎一郎は、


(じゃあどうすりゃいいんだ…)


と思いながら頭をかく。


2人がこんな状況になっている原因、その発端は1ヵ月以上前にさかのぼる…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ