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第８章でごわんど

　良作はそん日以来、そん子んこっでびんたがよかひこになった。　

　図書室で読書しちょってん、なかなか書物に心をうずめていられん。

　こけは、彼と大山以外にも、当然ながら他（ほか）ん在校生がやってくっ。

　入学したてん新一年生も、ちらほら絵本などを読みけ来（き）っごつなった。

　じゃっどん、例ん素敵な子はなかなか図書室にはやってこんやった。

　活発な彼女は、主に校庭で新（あたら）しか友人たちとたわんれちょったんやった。

　図書室は、位置的には新一年生ん教室ん真上・・・つまり二階ん東ん端にあった。

　ここん窓から外を眺（なが）むっと、広か校庭が一望できた。

　校庭ん東ん端には鉄棒が並んで立っちょり、低学年生は、こん周りで遊んじょるこっが多かった。

　中学年・高学年ん児童は、あまりこんエリアには来（こ）ん。

　良作が読んじょったＳＦん本を閉じ、立ち上がってしばし広か図書室ん中を歩き回り、ふと窓ん外に目をやっと、いっばん低か鉄棒んあたりに、そん子ん姿を認めた。

　入学式んときん髪型と微妙に違（ちご）うちょっ・・・彼にはすぐ分かった。

　彼は、しばらくん間うっとりしっせぇ、そん子ん動きを眺めちょったが、背後を女子児童が通（とお）っと、はっと我に返り、閉じたＳＦん本んところにあわてて戻った。

　自分が見とれちょった対象を知られとうなかったんと、なんつぁならん気恥ずかしさを隠（かく）そごたったでじゃろ。

　もはや良作は、ＳＦん内容に没頭（ぼっとう）でけんごつなっちょった。

　「あん子と友達になろごたっ・・・！」

　そんこっでびんたがよかひこやったど。