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『よし、着くね〜』

歩いて五十歩くらい先のピザ屋を見ながら律は言った。

伊織はその言葉に頷いた。掌にじんわりと伝わる温もりを感じる。うん、いい感じ。


店を出た。片手にピザのLサイズ一枚を持って家路を辿る。

『部活どうだった』

伊織が唐突に尋ねてきた。思いがけず、彼の顔を凝視してしまう。彼は不思議そうに視線を律へ返した。

「ええと、その」

軽音部に焦がれていたのは、中学一年生あたりからだった。

運動はまあできた方だったが、「好き」という気持ちは無かった。

わがままかもしれないけど、入るなら本当に「好き」なものが良いと思った。

だから高校に入ったら軽音部に入りたかった。

だけど、母親が亡くなってからそんな思いは無くなってしまった。そう思っていたはずだった。

部活の一覧表を見た時に「毎週月曜日、金曜日」の文字を見てあの期待と歓喜に心が躍ってしまった。

二日しかないから、とか。緩そうだから、とか。


変に言い訳してあの部室に足を進めた。

そしてか彼のアルペジオを聴いた時に

「もう戻れない」

そう直感的に悟った。



『緩そうだし、大丈夫そう』

伊織の疑問にそう答えた。

『なるほど』

心なしか嬉しそうに見えた。


「ん〜おいし」

口から伸びるチーズをさらに伸ばそうと頑張る。

目の前に座る彼も満足そうにそれを頬張っている。それを見て頬を緩めた。

『いお、ついてる』

律は自分の右頬のあたりを指差した。

伊織は不思議そうに首を傾けた。

律は伊織の口の右側のあたりについたコーンを拭った。それを彼の目に映す。

彼は驚いたようだった。

そしてみるみるうちに肌が紅潮していった。彼は目を細めて眉を歪めた。

そのまま伊織はその人差し指に口をつけた。

熱くて形がわかりにくい舌がコーンを攫っていった。

伊織はこちらを見ながら勝ち誇ったようにもぐもぐと口を動かした。


夕食の後片付けも風呂も終わり、23時をまわってソファでゆっくり目を閉じていた。

そうしたらスタスタと足音が近付いてきた。

「ん、」

まあ伊織だった。

パジャマ姿の彼がそこに立っていた。

『なに』

整った彼の顔が曇っている。

『無理、してない?』

律は、伊織が部活を無理にやってないか、と言いたいと考えた。

だから顔を横に振って「大丈夫」と答えた。

『なら良い、おやすみ』

『おやすみ』



おやすみ、いお。

つかれむした、、

わからなさすぎる、読みにくい

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