孫が連れてきた彼ピッピが我が家に代々伝わる名刀『三日月』に興味を示した理由。
なろうラジオ大賞用小説第二弾!
「じいじ、この子私の彼ピッピ♪」
「ども」
孫が彼ピッピなる者を連れてきた。
娘夫婦が死んで以来、妻に先立たれた儂が男手一つで育てた、今年十四になる孫が。同い歳だろう男を。
孫が男を連れてきただけでも衝撃だが彼ピッピとは何ぞ?
すぐ検索。
彼氏候補な男の事か。
どっちにしろ許せん。
いったい孫に何言って誑かし――。
「!? お義爺さん、その刀は?」
その時。
彼ピッピとやらが、儂の背後を見て驚いた顔をし話しかけるが貴様にお義爺さんと呼ばれる覚えは、って先祖代々伝わる名刀『三日月』ではないか。
まさか此奴、刀剣が分かるのか……若いのに渋い趣味しとる。
嫌いじゃない。
「ほぅ、貴様刀剣が分かるのか」
それからの儂と彼ピッピは。
我が家に伝わる三日月――誰が打ったか不明だが儂の先祖が打ち直し多くの武将の手に渡ったそれをキッカケに仲良くなった。
そして少しは彼ピッピを認めてやろうと思った……そんなある日。
近所で、最近話題のテロ組織『マッドー団』が放った怪物と、それと戦う正義の戦士キュティピュアの戦いが始まった!?
そしてその戦いの中で、最近加入した三人目のキュティピュアが吹き飛び、儂と孫の家に激突し家全壊! なんて日だ! ちゃんと元に戻るかなこれ!?
「大丈夫っピ、ピュアイエロー!?」
あれ? 家の様子を見に行ったら例の彼ピッピの声が?
どういう事かと様子を窺う。
するとその直後「わ、私の家が!」と孫の声も!?
恐る恐る覗く。
するとそこにはピュアイエローと喋る鳥っぽい小動物!?
おい待て。
まさか孫がキュティピュアで彼ピッピが小動物!?
「家くらい怪物倒せば元に戻るっピ!」
おい鳥公、家くらいとは何じゃ確かにそんな現象起こるが。
「どうするピッピ、あいつ強いよ?」
ピッピ!?
ま、まさか彼ピッピじゃなくて『彼・ピッピ』な紹介だったのか!?
というか人化けできても小動物が彼氏なんてじいじ認めませんよ!?
「こうなったら三日月――クレッセントカリバーを使うっピ!」
……え、何言ってんのあいつ。
「あの三日月……間違いないっピ。僕の故郷から消えた、伝説の聖剣クレッセントカリバーを打ち直した物だっピ! この世界に流れ着いてたんだっピ!」
ええ!?
た、確かに三日月は出自不明だけど異世界由来!?
「力を注げば真の姿を取り戻すっピ!」
「よぉし!」
そして孫が、三日月にキュティピュアとしての力を注ぐと、なんと三日月が……ファンシーな造形に!?
そして孫は、無事怪物を倒した。
ココのぞ。
ツバあげ。
まだ見ちゃいないがそういうのを書きたかった(ぇ