本当に大切なもの
舞台は界雷中学校。
時は轍が中学三年生で、羅少扇高校の受験生として頑張っている時のお話。
~轍、プロローグ~
私は轍です。
皆さんこんにちは。
界雷中学校の三年生として今勉強を頑張っています。
私はどこにでもいる普通の女子中学生です。
休み時間は友達と喋ったり、恋バナしたりとか
します。
でも、私には好きな人がいないんだ。
私、大丈夫かな?恋バナ・・・出来ているのかな?
私って、このまま好きな人ができずに心から恋バナが楽しめたりとか、しないのかな?
恋するってどんな気持ちだろう?
~轍、プロローグ終了~
「で!で!二組の修也君がさ!かっこいいの。」
「なるほどねぇ。修也君も人気あるよねぇ。」
「う~ん。私の事が好きっている可能性は?」
「咲、恋っていうのは人の数だけ可能性があるのよ。」
「ふぇ~。遠回しに諦めろって言ってない?酒葉ちゃんの意地悪ぅぅ~。」
酒葉と呼ばれた少女が咲の肩に手を置いてそう言った。
咲は頬を膨らませる。
帰り道を歩きながら、轍、咲、酒葉の3人は話していた。
咲は首をブンブン横に振った。
そして笑顔になって
「ねぇねぇ。わだっちゃんに好きな人とかはいないの?」
顔を近づけてそう言った。
「え、私が好きな人?うーん。」
~轍の心の中~
うーん。修羅場かなぁぁ?私こういう質問されると何て答えたらいいのか分からないんだよねぇ。
うーん。いないって言ったら話が盛り上がりにくそうだし。・・・あ、そうだ。(´◉ω◉)
~轍、プロローグ終了~
「今は感じ取っている最中なんだぁ~。愛について。」
「「ひゅぅぅ~。」」
そう、曖昧に、少し捻ることによってなんとなーくで、話が進むのだ。
「頑張ってねわだっちゃん。」
「愛っていうのは人の数だけ存在するんだからね。」
咲と酒葉は轍を応援することに決めた。
良い友達を持ったなぁ~。と思った轍。
そして家に着いた。
「ただいまぁ~。」
「ん~?おかえりー。」
轍の姉がポテトチップスの袋を持ったまま、ひょこっと顔を出して言った。
「え~。お姉ちゃんポテトチップス食べてるのぉ~?
ずるいから私にも分けて。」
「はっはっは。よかろう。」
「やった。⸜(*ˊᗜˋ*)⸝」
轍は手洗いうがいを済ませて、パジャマに着替えてリビングに戻ってきた。
今、姉が恋愛系の映画を見ているところだ。
「お待たせぇ~。」そう言って轍は姉の隣に座った。
「待ってない待ってない。」
そう言って姉は轍の頭を撫でる。
ちなみに、轍家はポテトチップスをお箸を使って食べる。
ゲーム等、何かをしながら食べる時が多いからだ。
だから、姉の手はベトベトじゃない。
今、映画はラストシーンだ。
男「なぁ、お前、俺と付き合えよ。」
女「え、そそそそんな。(//・_・//)カァ~ッ…」
ここで男性が女性に壁ドンした。
ドン!
男「もしかしてだけど俺に釣り合わないって思ってる?」
女「は、はい。私なんて一般的な女子ですし、それに比べてハジメ先輩はみんなの憧れの的ですし。」
男「なるほどな。」ハジメと言われた男性は壁ドンをしたまま首を傾げた。
そして言葉を続ける。
「俺からしたら、君と比べて俺の方が釣り合わないんだぞ?」
女「ふぇっ?そそそそΣ(゜Д゜;≡;゜д゜)」
ハジメ「ハハ、さすがこの俺が惚れた女だ。さぁ、・・・目閉じて。」
女性は目を閉じる。
2人の顔がくっつき、ここでこの映画は終わる。
そして、轍と姉が会話を始める。
「ねぇねぇお姉ちゃん。」
「んー?」
「さっきの男の人ってどこがいいの?上から目線だったよね?」
「あー。・・・私もよく分かんない。まぁ愛って言うのは人の数だけあるし、形もその人の自由だからね。」
「なるほどねぇ。愛って難しいね。」
轍は力を無くした感じで言う。
「はっはっは。我が妹はまだまだ子供だなぁ~。」
そう言って姉は轍の頭をポンポンと軽く叩いた。
轍は頬を膨らませて(๑•꙼꙼꙼꙼꙼꙼꙼ - •꙼๑)ムゥ
と言った顔になり、
「ふーんだ。まだ義務教育だから子供ですぅー。そんなこと言うんだったらポテトチップス全部食べちゃうもんね!( >⩌<)ベ-」
そう言って轍は机に置いてあるポテトチップスを奪い、お箸で綺麗に1枚1枚取っては食べる取っては食べる。を高速で繰り返している。
「あ、あ、妹様ぁぁ~。それはずるいよぉ~。」
「あー、美味し、ポテトチップスおいしア!∑(O_O;)」
轍の動きが止まった。
「おーい、大丈夫~?」
姉が轍の顔の前で右腕を振っている。
「はう!・・・」
轍は何とか声を出し、走って水を飲みに行った。
心配で姉も轍を追いかける。
「ごくごく・・ふぅ。」
「どうした?」
姉がそう聞くと、轍は
「ポテトチップスが喉に刺さったぁー!。・゜ ꜀( ꜆>ᯅ<)꜆」
そう言って姉の胸で泣いた。
「あー、そういう事ね。あんなに勢いよく食べるから・・・刺さったって言ってたけど要するに詰まったって言う事ね。確かに怖いね。うん、良く頑張った良く頑張った。えらいえらい。」
そう言いながら姉は轍の頭を撫でる。
「そういえば、あんた受験いつだっけ?」
「え?」
少し涙目になりながら姉を見上げる轍。
そして
「あああ!!明日だぁぁぁ!・・・まぁいっか。
受かるか受からないか、どっちかでしょ。50パーセントを引けばいいだけの話だよね。・・うん。・・そう
・・だね。そうでありたい。そうなのです。」
「こいつ、賢い!?」
「いやどこがだよ。」
「えええ!褒めたのにぃぃ!?」
「いや、それどころじゃないよお姉ちゃん。どうしよう。」
「ん?大丈夫大丈夫。まぁとりあえず今日はメシ食って風呂入って寝ろ。」
「うん!」
轍は寝ることにした。
~次の日~
「よし、今日は受験だ!行ってきます!」
轍は家を出た。
舞台は変わり、羅少扇高校になる。
「やっと着いたぁ~。」
轍は疲れたようにそう言った。
そして学校内に入ろうとしたところで
「あの、受験票、落としましたよ。」
っと声をかけられる。
「あ、ありがとうございます。」
轍は振り返り、笑顔でそう言った。
あまり特徴が無い少年だった。
「じゃ、俺はこれで。・・・受験一緒に頑張りましょうね。」
「はい!」
少年は轍を抜かして早歩きで校内に入っていこうとした、その時少年のリュックサックから紙がヒラヒラと落ちる。
それを轍は拾い、
「あの~。これ落としましたよ。」
見てみるとそれは受験票だった。
男性は振り返り、
「あ、ありがとうございます。」
何故か顔が赤かった。
さっきの自分の行動がそのまま返ってきたから、
少し恥ずかしかったのかな?
っと思った轍。
受験票に書いてある名前を読んでみる。
「えっと、佐藤・・君?」
「・・・・」
「あれ!?読み方間違えた?( ゜д゜)」
佐藤と呼ばれた少年はフリーズした。
そして
「ハッ!はい、佐藤です。よろしくお願いします。」
「うん。よろしくね。」
轍は佐藤という少年の右手を両手で握った。
ちなみに、佐藤という少年の下の名前。
もしも間違えたらダメだと思ったから、佐藤。と
苗字で読んだのだ。
~轍の心の中~
あれ~?私の鼓動、はやくなってない?
顔が熱くなってきた。•́ω•̀)?
さっき佐藤くんとした会話が脳内で再生されているような・・・
この心臓の音、佐藤くんに聞こえていないかな?
この心の声、音。
2つとも周りの人に聞こえていないかな?
~轍の心の中終了~
「あのー。おおーい。」
「はい!(°○° )!?」
「うおお!」
佐藤が心配していた。
「いやー。俺の手を握ったらそのままフリーズしてたんで心配しましたよー。(^^)」
「あの一瞬で心配してくれるのって。優しいですね。」
「い、いやぁ~。・・ありがとうございます。そういえば、俺たち2人とも今日受験って言うことは同い年ですよね。敬語はなしにしませんか?」
「分かった。一緒に受験頑張ろうね。佐藤くん。」
「はい!じゃなくて、うん!えっと、」
佐藤は少し戸惑う。
「私の名前は轍だよ!よろしくね!(*≧∀≦*)下の名前は、お互いが受験合格して同じクラスになってから教えてあげる!」
轍は元気よくそう言う。
佐藤は
「行ってらっしゃい!」
と言って手を振り、轍が校内に走って入って行ったのを見送った。
そして
「あ、やべぇ!俺もじゃん!」
と言って走って校内へ入った。
~受験をしていた時の轍の頭の中~
えーっと、この問題はこのやり方で、うん。うん。
「佐藤くん」
「佐藤くん」
「佐藤くんの下の名前、結局なんて読むんだろう?」
あれ?私今佐藤くんのこと考えてた?
口にしてないよね!?
~受験をしていた時の轍の頭の中終了~
このような感じで、問題を解くことと同時に、意識していないのに、「佐藤」という言葉が頭の中で浮かんでくる。
時間と場所は変わり、受験した日から2日後の界雷中学校。
「わだっちゃーん」
「はいはーい。」
「受験お疲れさまー!」
「ありがとー!」
轍と咲は試験について話していた。
「受験どうだった?」
「うん。そこそこいい点数だったのでは?っと思っておりますね。はい。」
「うんん?話し方ちょっと変わってる?」
不思議に思った咲。
「わだっちゃん、何かあった?」
そう聞いた咲。
轍は少し驚いた顔で、
「何で分かるの?(・Α・)?」
そう聞いた。
「ふっふっふ。何となく。・・・まぁ話してみなさい。」
「分かった。試験当日に1人の男性と出会ったの。
その男性と話したら鼓動がはやくなってきたり、頭の中でその人の事を考えちゃうしで大変だったんだぁ。」
轍は佐藤との事を少しだけ話した。
「なるほどねぇ。」
咲はにやにやしながらそう言った。
そして
「わだっちゃん。それはね、こ」
咲が何かを言おうとした時に、轍は何かを察した
感じになり、
「もしかして、佐藤くんアレルギー!?」
「へ?」
「これは大変だぁ!」
なんだかんだあって学校終了。
~家に帰って~
「ただいまぁ~。」
「おかえりんり~ん。」
轍の姉が迎えた。
轍は手洗いうがい、着替えを済ませて下の階へ降りてきた。
姉が轍に声をかける。
「あ、我が妹よ。」
「何?」
轍は姉の隣に座って一緒にテレビを見る。
「あなた~。私に隠し事してませ~ん?」
「ん?」
姉は少しにやにやする。
轍は首を傾げる。
「自覚がないならいいや。」
「お姉ちゃん、何が言いたいの?(´・ω・`)???」
不思議そうな顔の轍。
「姉には分かるよ。経験者だからね。・・・ちょっと待ってな。」
そう言って姉は自分の部屋へ向かった。
「お待たせぇ~。」
「あ、おかえり~。・・・って!何その量!∑(°口°๑)」
姉は大量の漫画を持って降りてきた。
「ふぃー。重い重い。・・・我が妹よ。これは偉大なる姉からのミッションだ。これを全て読みなさい。」
姉は少し不気味な雰囲気を漂わせて言った。
「んん??」
「これら全ての漫画はラブコメディーである。これを読んだあと、自分の心と会話をするべし。
私たちは姉妹だ。姉が妹のために頑張るのは当たり前。その代わり妹は姉にずっとデレデレでいてくれたまえ。( ¯꒳¯ )b✧」
親指をたてて、姉は部屋へ戻って行った。
「うっ、お、重いぃぃぃ。」
轍も大変そうに漫画を持ちながら部屋へ戻って行く。
轍は早速漫画を読み始めた。
最初は何となく読んでいたけど、後に何か違和感を感じた。
ヒロインは主人公の事を考えている。
主人公に触れたりすると、鼓動がはやくなる。
主人公と話したりした後は顔が赤かったりする。
「あれ?私が佐藤くんと出会った時と似てるよね?」
もしかしてこれが恋心?いや、でもヒロインがまだ
主人公の事好きって言ってないし。
そう思ってページをめくった。
そこには、2ページ使われて書かれた、顔が赤く、少し恥ずかしそうなヒロイン。そして、そのヒロインの吹き出しには、大好き。
っと書かれていた。
「確定だ。(´◉ω◉)」
~轍、エピローグ~
これが恋心だ。って、思うのは漫画に影響を受けすぎなのかな?
でも私は信じてみたい。
お姉ちゃんは察していたのかぁ~。
やっぱりお姉ちゃんには敵わないや。
これが恋心だと言うのなら、佐藤くんとつ、付き合ったりもしてみたいなぁ。
だから私は読んだラブコメディーのヒロインの各部分を少し参考にしたんだ。
隣の席になったら積極的に話しけること。
佐藤くんを、くん付けじゃなくて、佐藤って呼ぶこと。
これは、私がしたい事で、やっぱり、佐藤くんと仲良くなりたいなぁ~って。
ちなみに受験、前期で受かりました。
~轍、エピローグ終了~
舞台は尾詩馬高校。
時は佐藤が中学生3年生で、羅少扇高校、前期の受験日。
~佐藤、プロローグ~
今日は前期選抜当日だ。
正直言ってとても面倒くさい。
でも親がうるさいだろうしなぁ~。
というわけで今から試験に行ってこようと思います。
~佐藤、プロローグ終了~
受験当日の朝
「ねむてぇ~。」
そう言ってベッドがら起き上がった佐藤。
「起きなさーい!」
「ううーん!うるさぁい!わかってるよぉ!」
起こそうと、下の階から大きな声を出す母に機嫌を
悪くしてそう言った佐藤。
部屋を出て顔を洗い、朝食を食べる。
そして歯磨きをする。
「行ってらっしゃーい。」
母がそう言うが、佐藤は何も返さずに羅少扇高校へ
向かった。
佐藤は反抗期なのだ。
羅少扇高校に着いた。
前には白髪の女子がいた。
その女子のポケットから紙がヒラヒラと落ちた。
それを見たら受験票だった。
「あの、受験票、落としましたよ。」
そう言うと前の女子が振り向いて、笑顔で
「あ、ありがとうございます。」
と言った。
うお!めちゃくちゃ可愛い!ううう。早くここから立ち去らないと、き、消えそうだぁ~。
心の中でそう言った佐藤。
「じゃ、俺はこれで。・・・受験一緒に頑張りましょうね。」
佐藤がその女子を抜いて、校内へ入ろうとした
その時
「あの~。これ落としましたよ。」
と女子に言われた。
そこには受験票が握られていた。
「えっと、佐藤・・君?」
「・・・・」
~佐藤の心の中~
え、名前呼んでもらえたぞ!
初めてであった女子に。これは嬉しい。
もしかしたら名前を覚えて貰うことが可能か?
嬉しいぞ。可愛いし。うん。
好きだ。一目惚れだ。うん。目の前の女子に一目惚れしました。
~佐藤の心の中終了~
「ハッ!はい。佐藤です。よろしくお願いします。」
「うん。よろしくね。」
そう言って女子は佐藤の手を握った。
ドキッ!っとした佐藤。
そして女子はフリーズした!
うぇぇぇ!っと困ったがその女子を心配した佐藤。
「あのー。おおーい。」
「はい!Σ(・ω・ノ)ノ!」
「うおお!」
女子は気を戻したようだ。
「いやー。俺の手を握ったらそのままフリーズしてたんで心配しましたよー。(^^)」
「あの一瞬で心配してくれるのって。優しいですね。」
「い、いやぁ~。・・ありがとうございます。そういえば俺たち2人とも今日受験って言うことは同い年ですよね。敬語はなしにしませんか?」
佐藤はそう提案した。
「分かった。一緒に受験頑張ろうね。佐藤くん。」
「はい!じゃなくて、うん!えっと、」
ここで、くそー!さっき拾った受験票の名前、しっかり見ていれば良かったー!っと、後悔した佐藤。
「私の名前は轍だよ!よろしくね!(*≧∀≦*)下の名前は、お互いが受験合格して同じクラスになってから教えてあげる!」
轍は元気よくそう言った。
佐藤は
「行ってらっしゃい!」
と言って手を振って、轍が校内へ入っていくのを見送ってから、
「あ、やべぇ!俺もじゃん!」
っと言って校内へ走って行った。
~受験をしていた時の佐藤の頭の中~
轍さん、可愛かったなぁ~。
今まで俺が見てきた中で1番可愛かった。
しかも受験票を拾ってくれた。優しい。
初対面の俺にあんなに優しく接してくれたんだ。
絶対にいい人だ。
これは惚れるよなぁ~。
~受験をしていた時の佐藤の頭の中終了~
時間と場所は変わり、受験が終わって2日後の尾詩馬高校。
友B「うぃ~す佐藤!」
佐藤「よぉ!」
友A「受験おつかれ。」
「おう、2人もね。」
友A、友Bとは中学校からの友達で、友Cは高校からできた友達だ。
友B「受験どうだった?」
佐藤「めちゃくちゃ可愛い女の子としゃべった。」
友A、友B「羨ましぃぃ!」
佐藤は勝ち誇ったような顔をした。
友A「いいなぁ~。佐藤。」
佐藤「いいだろ~。」
友B「佐藤、その子のこと好きになったのか?」
友Bがそう聞いた。
佐藤「もちろん一目惚れした。」
友A、友B「「ひゅぅぅぅ~。」」
2人は拍手した。
佐藤「お、おいおいやめろって。・・めちゃくちゃ可愛かったなぁ~。」
友A、友B「「ひゅぅぅぅ~。」」
佐藤「まぁ、そもそも高校に受からなきゃな。」
友A、友B「「ひゅぅぅぅ~。」」
佐藤「いや、それは違うだろ。」
少し笑いながらツッコミを入れた佐藤。
何だかんだあって今日の学校が終わった。
佐藤が家に帰ってきた。
「おかえり~。」
母が迎えた。
しかし佐藤は、「う~ん。」
と言ってすぐに部屋に行く。
佐藤は眠りについた。
1時間後
「起きなさーい。ご飯出来たわよー。」
下の階から母の声が聞こえる。
「ううーん。分かってるよぉ!」
眠っていて起こされたのが癪に障り、怒ったふうに言った佐藤。
佐藤は階段を下りて夕食を食べる。
「よぉ、さっきまで眠っていたのか?」
父がそう聞いた。
「ん。さっき母さんが起きろって言ったんだからそうに決まってるでしょ。」
「なぁ、最近口が悪くなってないか?思春期だから
少しぐらい口が悪くなってもいいかもしれないが、
ものには程度があるからな?」
父がそう言うが、佐藤はそれを「おん。」
と言っただけで、あまり重くは考えない。
「いただきます。」
っと言ってから夕食を食べる。
夕食を食べ終えたら風呂にはいって、歯を磨いて、
部屋に戻る。
反抗期がいつからか?っと聞かれるとよく分からない。
自然となっているのだ。
佐藤もこれは間違っている。と思っているがついつい
反抗的な態度になってしまうのだ。
時は経ち前期選抜合格発表。
佐藤は家に帰って合格発表のデータを調べた。
「ええーっと俺の番号、俺の番号・・・・無いな。」
ぞわぞわっとした感覚と同時に汗が吹き出した。
すごくショックを受けた。という感覚は無い。
何も感じない状態だ。
何も考えることが出来ない。
もうなんでもいい。
一瞬でそんな気持ちになった。
友A、友Bは前期で合格した。
頭の中が真っ白になって3時間後、母が帰ってきた。
母は「受験、どうだった?」
っと聞いてきたが
佐藤は「めんどくさい。」
っと言った。
そして母は夕食を作り始めた。
夕食が出来たから、母は
「ご飯が出来たわよ。」
っとドア越しに言った。
しかし佐藤は返事をしない。
返事をしないことによって、母に寝ているのではないか?
っと考えさせ、夕食を食べない。
っと言う考えが浮かんだのだ。
もう何もしたくない。
この言葉だけが佐藤の頭の中にあった。
それから時間がたち、父が帰ってきた。
父はドアを2回ノックしてドア越しに
「受験、どうだった?」
っと聞いた。
佐藤は返事をしない。
「入るぞ。」
そう言って父は佐藤の部屋に入っていった。
佐藤はベッドにもたれて三角座りをしていた。
ここで父は、受からなかった事を察したが言わない。
「なぁ、もう過ぎたことだろ?今あるものを見たらどうだ?」
佐藤は無反応だ。
「まだチャンスはあるんだ。中期選抜があるんだ。
まだお前は終わっていないだろ?」
ここで佐藤が父を睨んだ。
「終わったよ。中期選抜?五教科勉強するんだよ?
そう簡単にできるか!」
「勉強することはできるだろ。」
「うるさい!うるさいうるさい!もう面倒くさい!」
佐藤は今何も考えていない。考えることが出来ない。
その場その場で生きていると言った状況だ。
「ていうか、なんでそんなにいつもいつも構ってくるんだよ!父さん!もういい加減にしてよ!ほっといてよ!」
頭の中では言ってはいけない。言ってはいけない。
と思っているのに、言ってしまった。
佐藤はここで我に返った。
父の顔を見ているが、父はまだ穏やかな顔だ。
そして床に座って、優しく話す。
「なぁ。おじいちゃん、亡くなったよな。父さんの、
お父さんだ。お前も話したことがあるし、ショックだっただろ?でもな、お前よりも父さんのほうがショックがでかいんだ。」
父は腕を組んで、目をつぶった。
「亡くなる数年前まではなんとも思っていなかったよ。人が亡くなることは知ってるよ。でもやっぱり今まで普通だったんだ。おじいちゃんがいることが。
おじいちゃんが亡くなった時、ショックも受けた。
それと同時に、今まで身近にあった普通がどれだけ大切だったか。どれだけ幸せだったか。それを改めて感じたよ。」
ここで父は目を開く。
「本当に大切なものは、無くなってからすぐに大切だったと初めて気づく。身近なものを大切に思っているやつは、それが自然で、無意識だから、何も感じないだけなんだよ。」
「・・・」
佐藤は無言で父を見ている。
「まぁ、今は息子に嫌がられていても、父さんや母さんが亡くなる頃には、あの時嫌がっていた瞬間は大切なものだったんだ。って思ってもらえるような、今は嫌な親でも後でお前にとって良い親だったと思ってもらえるような、そんな親になりたい。」
佐藤はやっと口を開けた。
「それが、いつも構ってくる理由?」
「まぁ、構ってくるっていうよりは・・・」
コミュニケーションを取ろうとだな。
続けてそう言おうとしたが、やめて
「ああ。時間は限られているんだ。時間いっぱい生きないと損だろ?」
っと言った。
「分からない。」
佐藤はそう言う。
「まぁ、反抗期は大切な時期だ。反抗したいなら反抗しやがれ。お前も分かってるんだろ?色々と。
反抗してくる子供を何回でも叱って、自然となおす。
これも親の役目だ。急に反抗期をやめろっていうのも難しいからな。じゃあな。」
そう言って父は立ち上がり、部屋を出ていった。
佐藤はさっきの、父の、「時間は限られているんだ。時間いっぱい生きないと損だろ?」
っと言う言葉を思い出した。
それと轍のことも思い出す。
「名前、聞かなきゃ。」
そう言って佐藤は立ち上がり、勉強机に向かう。
佐藤は頑張る。
轍の名前を知るために。
自分が後悔しないために。
自分をこのまま、自分の手で腐らせないために。
その結果
「受かった。・・・ちゃんと俺の番号だよな。」
佐藤は試験に受かったのだ。
「これで、轍さんとの約束?果たせるよな。」
佐藤は友A、友Bに連絡した。
佐藤「俺、受かったぜ!」
友A「やったぁぁぁ!」
友B「ナイスだ!佐藤ぉぉぉう!」
友達A、友B「「せーの!」」
そう言うと同時に、電話越しからパーン!パーン!
というクラッカーの音が流れる。
佐藤「え!え!なんで!?」
友A「佐藤が受かることぐらい分かってたよ。」
友B「だから、俺たちで絶対に祝福しような。って決めてたんだ。」
佐藤「2人とも。最高の友だちだ。ありがとう。」
友A、友B「「よせよせ。」」
友達B「それはそうと、佐藤、今から家来いよ。パーティの始まりだぜ?」
佐藤「もちろんだ。少し遅くなるかもしれないけどいい?」
友B「もちろんだ。」
友A「気をつけて来てね。」
佐藤「おう!」
ここで電話を切った。
「ただいまー。」
父が帰ってきた。
佐藤は部屋を出て下の階へ行く。
そして
「父さん、母さん。俺、受かったよ。今まで俺がどんなことを言っても、突き放さないでくれてありがとう。」
「いいのよぉ~。お母さん達にもあったんだからね。
反抗期。それに、ずっと親に縛られるのとダメだからねぇ~。」
「ああ。これからも父さん達は家族だ。合格、おめでとう。さすが佐藤家の子供だ。」
「いえいえ。(*´▽`*)」
それから、佐藤の反抗期は収まっていった。
友Bの家でパーティをして、帰って、風呂に入って寝た。
そして本日終了。
~佐藤、エピローグ~
俺の反抗期はこんな感じで収まった。
友達とのパーティで、どうやったら好きな女子と付き合えるか。それを考えた結果、ラブコメの主人公の真似をしたらどうだろうか。という結論になった。
だから高校入学まで俺はラブコメディーを読み、
アニメも見た。
その結果分かった事はこうだ。
まず、その女子の名前は苗字で呼ぶ。
さん付けで呼んだほうがいい。
後、俺はもっと穏やかな性格であるべきなのではないだろうか?そう思った。
反抗期でした。は言い訳にならない。
だから、俺はこの高校入学をきっかけに、もっと穏やかになろう。
そう思った。
これも轍さんのおかげだろう。
~佐藤、エピローグ終了~
時は水曜日の朝。場所は佐藤の家の玄関になる。
「よし!」
今日、佐藤は轍に告白する。
佐藤は靴紐を結び、立ち上がった。
そしてドアのを開けようとしたら、
バチバチ!っと静電気がなった。
「痛い!・・・しまらないなぁ~。」
そう言って今度はしっかりとドアを開ける。
すると後ろから母が
「行ってらっしゃい!」
っと手を振る。
「行ってきます!」
佐藤は笑顔でそう言った。
本日!開幕!




