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不道徳教育のすゝめ  作者: 山内
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ミラーテストのすゝめ

 私は美男美女が嫌いであります。


 芸術を人生の軸として生きる私にとって、容姿端麗はいささか大衆的で退屈に感じます。こんな事ばかりを表立って公言しておりますと、外見至上主義の輩が私に向かって、目くじらと腹を立てながら「じゃあ、お前は不細工が好きなのか?」等と、短絡的な質問を投げ掛ける事でありましょうから、それについても先に答えさせて頂きます。


 私は醜女不男が大嫌いであります。


 何故かと申しますと、醜女不男は自分自身の事を美男美女だと勘違いしているからであります。美男美女を「嫌い」と形容するなら、醜女不男は「大嫌い」と表現させて頂きます。


 美女はチヤホヤされるし、美男がモテるのは必然でありましょう。容姿という点で優位な立場になれば、我が儘な振る舞いをするのも致し方ありません。これもひとえに、私が我が儘な人間であるのは容姿端麗であるからではなかろうかと、鏡の前で自問自答を繰り返す日々であります。そして、この発言こそが醜女不男が嫌いな理由であります。とどのつまり、不細工は自分の事を勘違いしているのです。勿論私とて例外では御座いません。幼少期の頃は自分が世界で一番可愛いと自負しておりましたし、思春期になると自分は芸能界に入るべきなのではと勘違いしておりました。大人になった今では、自分の容姿をそこまでは酷く無いと自己評価しておりますが、未だに恋人もできず異性から相手にされないのは、正に不細工のそれであります。


 私ほど賢い大人の人間になれば、自分が不細工なのだと理解は出来ます。理解は出来ても納得ができないのが現状であります。大概の人間は自分自身が持ち合わせるナルシズムと、中途半端な自己嫌悪に苛まれており、拮抗したアンビバレントな感情と向き合っております。鏡と現実を見て周りの有象無象と比べれば、天秤をうまい具合に均衡を保てる筈だが、客観能力が低い人間が多いと感じてしまうのは何故であろうか?


 答えは簡単である。

 碌でもないアプリのせいだ。


 鏡が廃れて加工アプリが普及した結果、自分の思っている半分でも美しければ運がいい方でありましょう。鏡像認知できるくらい賢い動物は、今や絶滅したのであります。皆様も考えて頂きたい。自分の顔を相手に見せる時、耳が生えていたりはしませんか?


 技術の進歩と共に人間の知能は退化し、今や猫耳が付いた獣であります。あるいは、顔が光っていたり白くなっていたりする化け物です。一体それらは誰なのでありましょう?


 皆様も鏡見て鑑みて考えて頂きたい。



 なんか、私って思ってるよりも顔が大きくて目が小さくね?


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