表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集

詩を手放した

作者: キハ

私にはボツ作品があった

人前では出せないほどの負の感情

悩み詰まっていた時に書いた作品で

人前に出せないから捨てたかった


捨てるには勿体ないよと

友人から声をかけられた

なら私がその詩を買います

彼女はそう言って笑った


勿論私は承諾した

捨てるだけだし黒歴史であれば

貴女に譲ってあげよう

別に譲るぐらいどうってことない


貴女の行動は速かった

私と別れた後に投稿した

早速読んでみた

私のボツ作品をわざわざ


確かに負の感情が詰まっていたよ

だけどだからこそ刺さる言葉に

共感という胸のズキュンが

駆け抜けた瞬間泣いた


自分の作品だから気づかなかった

他人の作品として見たらグサッと来た

一つ一つの昔の感情が

ああこう思っていたんだなって共感して


それでもボツ作品だった

私の負の感情貯めた物だった

だから私は手放して良かったのだろうか

だから貴女はこの詩を投稿できた


「共感しました」

そんな感想が書かれた瞬間

私は再び胸を射抜かれた

違った意味で射抜かれて


再び涙を流した

私がこの作品をもしも

投稿していたならば

貴方は感想をくれましたか?


もしももしも

私が手放さなければ

この詩は私の作品として

貴方の突き刺さりますか?


私が手放した理由

ボツ作品だったから

貴女が買った理由

共感する詩だから


──貴方は共感してくれましたか?


もしも


もしも


私が……




手放さなければ

なおここに書かれているのは事実ではありません。

心配しないで下さいね(笑)


貴女=私の友達

貴方=読んでくださった方

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 手放した自分の感情って、何故かとても惜しく思えるんですよねぇ。 自分で分かって捨てたはずなのに、なんでだろ~。
[良い点] 重さと苦味が甘露で御座った♪
[良い点] よくこんな心を貫くように書けるな……お見事。 面白いとかそういうことじゃなく、すごかった。 お見事です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ