24.意味深
「シュー!お前、生きてたのか?!」
「おう!小僧!ワシは未来からやってきたコウ・シューじゃ!小僧が言っているのはカレイ・シューじゃろ?ワシじゃない」
え?見た目そっくりなのに別人いや、別妖精なの?!っていうか、俺の前に現れる妖精は全部おっさん顔なの?!美少女妖精は?!
「なんだあれは?!妖怪か?!」
違う、違うんです。俺のところに来る妖精はみんなおっさんなんです。
泣きたい。泣きたいと思いながらも、希星は全員にカレイ・シューについて説明した。
「そうか……うちに来た妖精とあまりに違うから……」
不思議そうな顔でコウ・シューを見る月偉達。
「コウ、どうしてここに?」
「お前さん、欲念珠の回収に成功したじゃろ?ラブストーンのエネルギーもたまったみたいだし、未来へ未来へ持って行くぞ」
「お、おぅ……」
背後では、いまだ消防士・警察とヒャッハーと騒いでいる集団が揉めている。そんな中、ラブストーンを渡すのか。
なんというか、もっと厳かな空気の中でやる事ではないのか?
希星達は複雑な気持ちのまま、ラブストーンをコウ・シューに渡した。
「よくやったのー。ばっははーい」
明るく投げキッスをしながら去ってゆくコウ・シュー。地獄絵図のような世界からきたんだよね?そんな明るいキャラでいいの?っていうか、今現在、背後の方が地獄絵図なんじゃ……。
「……帰ろっか」
「……うん」
「……ま、あれだな。世界救うってこんなカンジなんじゃね?」
「……そうだな」
背後から、放水の音と怒号が聞こえる中、希星達は静かに帰路についた。
◇◇◇
打ち上げをする約束をし、4人は別れた。とりあえずそれぞれ一度家に帰っておこうという話になったのだ。
希星も母親を家に残してきたので様子を見に帰りたかった……いや、心配で帰りたいと思ったのは本当だ。でも、「彼女連れて帰ってくるよ!」と言って出てきてしまったため、帰り辛い。
「……ただいま」
「おかえり。ご飯食べるかい?」
「……うん」
何も聞かない母の優しさが辛い。
「あ、そうそう。龍二くんが来て、希星にって龍太くんからの手紙を置いて行ったわよ」
「手紙?龍太からの?」
そういえば、龍太はどうなったのかな?欲念の効果は消えたのかな?どうでもいっかと思って置いてっちゃったけど。
会ったら怒鳴られるのかな~嫌だな~と思いながら手紙を開けてみると、
「我はハンマー・ハンマー。龍太の体は貰っていく。また会おう」
とだけ書かれた手紙だった。その手紙をみた希星は、
「意味深なモン残してんじゃねーよ!」
やっぱり逃げだそうと、決意を新たにしたのだった。




