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俺にヒロインは訪れない  作者: 流風
25/25

24.意味深



「シュー!お前、生きてたのか?!」


「おう!小僧!ワシは未来からやってきたコウ・シューじゃ!小僧が言っているのはカレイ・シューじゃろ?ワシじゃない」


 え?見た目そっくりなのに別人いや、別妖精なの?!っていうか、俺の前に現れる妖精は全部おっさん顔なの?!美少女妖精は?!


「なんだあれは?!妖怪か?!」


 違う、違うんです。俺のところに来る妖精はみんなおっさんなんです。

 泣きたい。泣きたいと思いながらも、希星すばるは全員にカレイ・シューについて説明した。


「そうか……うちに来た妖精とあまりに違うから……」


 不思議そうな顔でコウ・シューを見る月偉るい達。


「コウ、どうしてここに?」


「お前さん、欲念珠の回収に成功したじゃろ?ラブストーンのエネルギーもたまったみたいだし、未来へ未来へ持って行くぞ」


「お、おぅ……」


 背後では、いまだ消防士・警察とヒャッハーと騒いでいる集団が揉めている。そんな中、ラブストーンを渡すのか。

 なんというか、もっと厳かな空気の中でやる事ではないのか?


 希星すばる達は複雑な気持ちのまま、ラブストーンをコウ・シューに渡した。


「よくやったのー。ばっははーい」


 明るく投げキッスをしながら去ってゆくコウ・シュー。地獄絵図のような世界からきたんだよね?そんな明るいキャラでいいの?っていうか、今現在、背後の方が地獄絵図なんじゃ……。


「……帰ろっか」


「……うん」


「……ま、あれだな。世界救うってこんなカンジなんじゃね?」


「……そうだな」


 背後から、放水の音と怒号が聞こえる中、希星すばる達は静かに帰路についた。




◇◇◇




 打ち上げをする約束をし、4人は別れた。とりあえずそれぞれ一度家に帰っておこうという話になったのだ。


 希星すばるも母親を家に残してきたので様子を見に帰りたかった……いや、心配で帰りたいと思ったのは本当だ。でも、「彼女連れて帰ってくるよ!」と言って出てきてしまったため、帰り辛い。


「……ただいま」


「おかえり。ご飯食べるかい?」


「……うん」


 何も聞かない母の優しさが辛い。


「あ、そうそう。龍二くんが来て、希星すばるにって龍太くんからの手紙を置いて行ったわよ」


「手紙?龍太からの?」


 そういえば、龍太はどうなったのかな?欲念の効果は消えたのかな?どうでもいっかと思って置いてっちゃったけど。

 

 会ったら怒鳴られるのかな~嫌だな~と思いながら手紙を開けてみると、


「我はハンマー・ハンマー。龍太の体は貰っていく。また会おう」


 とだけ書かれた手紙だった。その手紙をみた希星すばるは、


「意味深なモン残してんじゃねーよ!」


 やっぱり逃げだそうと、決意を新たにしたのだった。







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