冒険者"ルミ"
「わぁ…」
ロイドさんに連れてこられたのは、リフィーナ領のガーネット領に一番近い街、スバルの冒険者ギルド。
今は昼時だからか、そんなに人はいなく落ち着いている。ただ、隣接されている酒場ではお酒を飲んでいるひとはちらほらいる。
「クルミちゃんは、ギルドはじめて??」
「はいっ!!」
ロイドさんに聞かれて、私は元気に答える。大きく首をふるおまけ付き。だって、前世からの憧れの場所なんだもん。前世の私は立派に厨二病拗らせてたから、こういう場所はキラキラ輝いて見える。
じゃあなんで今まで来なかったのかって話なんだけど…
「だって、うちの街のギルド、評判悪いじゃないですか。だから、近所のひとに絶対近づくなって言われてたので」
「あっ、たしかにそうだね。ズークのギルドは評判が悪いことで有名だもんねー」
ズークは私がすんでいた街。あまり言い噂を聞かないような街だ。
「まっ、とりあえず登録済ませちゃおっか」
「わ、わかりましたっ」
「緊張することは特にないから落ち着いてね~」
いざ、登録となると緊張してきて、声が若干上ずってしまった。急に緊張し出した私にロイドさんは、優しく声をかけてくれた。
人は少ないけど、それでも並んでいるカウンターの列にロイドさんと並ぶ。一人一人にかかる時間は短いようで、すぐに私たちの番が回ってきた。
「こんにちは。ようこそスバルのギルドへ…あら?ロイドじゃない。ここは、登録カウンター、依頼受付はあっちよ?更新カウンターでもあるけど、あなたには必要ないわよね??」
「いやいや、別に間違えてないから。きょうは、この子を登録したくって」
「よ、よろしくお願い、しましゅっ!!」
…やっちゃった!!受付のお姉さんの言葉に少し引っ掛かりを覚えて、首を捻っているときに、ロイドさんに促されてあいさつしようとしたから、思いっきり噛んでしまった。しゅって…。は、恥ずかしすぎる。ロイドさんも受付のお姉さんも固まってしまっている。
「よ、よろしくお願いします…クルミです…」
「…ふふっ。とっても可愛らしい子ね!私はリサよ。このスバルで受付を担当してるわ」
羞恥に耐えかねて、噛まないように気を付けながらもう一度あいさつすると、今度はお姉さんがちゃんとあいさつを返してくれた。
リサと名乗ってくれたお姉さんを、失礼にならない程度に観察する。長い茶色の髪に灰色の瞳。メガネをかけていて、くちもとは、常に笑みが浮かんでいる。
「それじゃあ、早速登録しましょうか」
リサさんは、私に登録の仕方を説明してくれた。といっても、ただ水晶に手をかざすだけらしい。水晶の光の強さで魔力量、色によって属性がわかるらしい。
ちなみに魔力は、個人差はあれどみんな持っているらしい。これは、はじめて聞いた。ビックリして、声をあげてしまった私に、あまり有名な話ではないから、知らなくても無理はないってリサさんはいってくれた。
そして、属性は、火、水、風、土、の4つが基本属性と呼ばれる。そして希少属性として、光、闇、聖の3つがある。
「さあ、手をかざしてみて」
「は、はい…!」
緊張で少し手が震えてしまう。私の魔力量が多いっていってくれたロイドさんを疑う訳ではないけど、やっぱり不安になってしまう。
ーーーーーそれでも、緊張をおさえて私は水晶に手をかざした。




