魔術の特訓
#準備(3) を編集しました。
お昼ごはん食べそびれていたので(汗)
「確認だけど、ルミは戦闘経験はないんだよね??」
「うん。今まで町から出たことなかったから」
「そうだよな。この依頼は、常備依頼だから、できるタイミングで倒せばいいからな」
常備依頼は、常においてある依頼のこと。ランクの低い依頼がほとんどで、薬草採取だったり、今回みたいな討伐だと間引きのためにいつでもあるらしい。
「じゃあ、今日は特訓??」
「そうだな。剣の方はある程度の土台があるから、とりあえず、魔術の方だな」
「わぁ!うんっ!!」
魔術。前世では、魔法って言葉の方が聞くことが多かったけど、ここでは魔術なんだって。誰でも魔力を持ってるって話は、あまり広まっていないそうだから、使える人は少ないみたい。
「始めは室内でもできるんだけど、ルミの場合は魔力量が多すぎてちょっと危険だからな」
「だから、外??」
「そ。慣れてくれば、室内での訓練もできるようになるからな」
「わ、わかった!!」
門を出てから、街道沿いを歩いて10分ぐらい。お兄ちゃんは道からそれて森へ入っていく。見失わないように私も慌ててついていくけど、まだちょっと慣れない。さっき、靴買っといてよかったな、なんて思いながらついていくと、開けた場所に出た。
「ここで訓練するの??」
「これぐらい開けた場所の方がやりやすいからな」
お兄ちゃんが近くにあった石の上に腰を下ろしたのを見て、私もその近くに座り込む。
「じゃあ、まずは魔力を感じるところからだな」
「今まで8年生きてきて、感じたことないよ?」
「明確に意識ないと、分かりにくいからな。ただ、コツをつかめば簡単だよ。心臓の辺りから、全身へ行き渡ってる感じだな。まぁ、始めは難しいだろうからゆっくりでいいからな」
心臓から…血液みたいな感じ、かな?前世の知識が通用するかはわからないけど、イメージをしっかりもって探してみる。
ん~と、あったかいのかな。心臓を中心に広がってるような何かが、あるのがわかる。所々に引っ掛かりがある気がして、なくなるようにってゆっくり広げてみる。
「あ、できたっ!!」
「っ、!もうっ!?ちょっと早くないか??」
「たぶん、あってると思う」
「……ほんとだ。しかも、流れも良くなってるし、、、」
お兄ちゃんは、私の手を握ると呟いた。なんとなくだけど、少しくすぐったい。たぶん、私の魔力に干渉されたんだと思う。今のでさらに感覚がはっきりした。
「…この調子なら大丈夫そうだな。次のステップいこうか」
「うんっ!!」
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「っわ!!お兄ちゃんっ!!みてみて、できた!!」
「うん…ほんとだね」
あれからしばらくして。お兄ちゃんに言われることを、私はそのまま実践していった。
魔力を集めること、それを外に出すこと、属性の変化、等々。特に苦労することなくできた。今の課題は炎を出すこと、だったんだけど、火属性の魔力をガスだとして、それを燃やすイメージを持つと、簡単にできた。
「改めて…、ルミって規格外だな。魔力量だけじゃなくて、扱いが上手い。そもそも、無詠唱なんて伝説に近いんだけどな」
「普通はどうなの??」
「詠唱って言う文を唱えることによって使うんだ」
「私に教えなかったのは??」
「なんとなく、できそうだと思ったから」
お兄ちゃんのラストのなげやりな感じにツッコみたくなったけど、諦める。というか、若干呆れられてる気がするからなんとも言えない。
「…俺に教えられることってなさそうだな。他の属性も試してみな。わからないことがあったら答えるから」
「…はーい!」
やっぱり、呆れられてる。しょうがないから自分で試してみることにする。さっきまでの課題で、前世(小説)の知識が通じるのはわかったから、知識だけはいっぱいある。
(どれから試そっかなぁ)
憧れを目の前にして、テンションが上がりながらも、私は集中して魔術を試しはじめた。
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