二月
二月
静かに眠っている風を装って
二月は必死で我慢している
何か途方もない力が
深いところで突き上げてくるのを
必死に押し殺し
吐息さえもたてることなく
ムズムズとどこかで落ち着きなく絶え間なく
止めることのできない力が
平生を装っているのは
若い恋人同士が能面を作って
かき立たされる鼓動を
必死で抑えているかのように
二月は生きている
眠りにも飽きて痺れてしまった体に
血が通い始めたことは
暖かく打ち出した鼓動が
目がくらみそうな歓喜が
いてもたってもいられずに
大地を揺るがし
空気を震わせ
天に駆け上がる
揺るぎない自然の営み
どこかで
どこかから
命の蘇る音が聞こえてくる
二月、目覚めはなんと心地よいことか