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歴史とDNA

寒冷適応遺伝子

作者: とびうお君

 最後と書きながら申し訳ない。いろいろと不味い点があった。まず日本人の寒冷適応だが、これ東北アジアに限った話しじゃない。白人もかなり高い。これは調べてみると全人類に発現しやすいもので、肌の白さと良く似ている。と言うか肌や毛の色素が北方で抜け落ちやすい性質と良く似ている。


 哺乳類の性質の面がある。とりも似てるのだが、あれは系統が全く違うので困る。人間は恐竜から進化したわけじゃない。恐竜の発展より先に哺乳類の前の生物の発展がある。当時卵生だったか覚えてないが、顎だったかな?根本的に爬虫類と違う。哺乳類が恐竜の系統と分かれた歴史は古い。


 そのため鳥類と哺乳類が高緯度地方で似た進化をするのは正直無視したい。哺乳類はアフリカに来る前に高緯度地方を経験してて、アフリカ発の系統でも哺乳類は高緯度地方に対する古い遺伝子が突然変異で容易に先祖がえりする。先祖がえりしやすいのが肌とこの体温に関するものだと思う。それゆえ系統的に全く違う系統でも同じ遺伝子でその機構が共通している。


 ゆえに、東北アジアで広がった遺伝子と言えない。


 ただイヌイットに限るとシベリアで発達したってものがある。ただ問題はイヌイットだけのものと中国人の比較で分かっている。有名なのはアザラシ、魚などの油を容易にエネルギーに分解する機能。実はこの研究が有名だが同時に熱に関する研究もされていて、脂肪を分解して熱を作り出す能力で独特の機構を持っている。東アジア人と共通するものなら良かったのだが、イヌイットだけの特殊機能らしい。


 熱に関して、これらは遺伝子にコードされてるが、他にエピジェネックと言う機構がある。遺伝子を後天的に弄る機構がある。直接塩基配列を機能しなくなるようにするのもあれば、このケースの場合ヒストン修飾といって、DNAの土台となる物質にDNAは絡まってるが、この絡まりをきつくしたり緩くしたりして情報の伝達を変えている。


 これ獲得遺伝にも使われる機構で、後天的に得たこれらの変異が塩基配列の書き換え無しに次世代伝わるのが獲得遺伝になっている。全人類共通のシステムがコレか?は分からない。そこまで書いてなかった。ただイヌイットのは全く違う。他の人類との比較で分かった事で、塩基配列自体全く違うからになる。


 あんまり関係ないんじゃないの?とならないのは骨格の違いがあるが、目は脂肪が関係している。後、東北アジア人は皮下脂肪が厚いと思う。ただ、脂肪燃焼型も多いのは確かなので矛盾しているので、別の遺伝子の働きだと考えられる。熱とする激しい脂肪分解と保温のための皮下脂肪の蓄積は別機能じゃないとどう見ても矛盾してるので。


 イヌイットが特別に寒冷適応していると言うのは確かだと言う事は、イヌイットが進化するほど寒冷地にいたのは確かになる。その中で耳垢の湿った割合が東北アジア人より高いのは何故か?寒冷適応じゃないのではないか?と疑問が出てしまう。私も耳垢の寒冷適応は弱いと思う。別の要因も可能性としては否定できない。


 ただこれらが偶然じゃなくて、必然の淘汰であるのは間違いないとDNAの進化の調査で分かっている。この理屈はかなり難しいので省く、私もイマイチ分からないんだ。淘汰されたのは事実だが、その原因がなんだったのか?は謎なんだ。


 ここからは推測になる。ただそれなりに知識がある前提での推測になる。私が述べた湿式耳垢の遺伝集団との混血で変わるのでは?と以前書いた。じゃ逆にその中心は誰だったのか?当然分かるわけがない。だが推測は出来る。前回甘かったのはトータルで考えなかったからになる。考えてみるとアメリカ先住民に伝わったとすると、Nのわけがないんだ。私は以前Nも候補に入れてしまった。


 一応C2だとしたが確信が無かった。だが今なら分かる確信を持ってC2だと言える。アメリカ先住民に十分に伝わっていると言うことは、Nが到着する前に遺伝子が誕生したことになる。QやC1Dは逆に混血後の古い湿式型を持ち込む相手なので候補としては外れる。ただしC2も少数民族と言うのがキーになる。民族間のバラつきが大きい。


 あ、これついでに書かないといけないけど、アメリカ先住民のデータ数酷かった。アジアのデータ数は少数民族でもその10倍ぐらいある。これを単純に見てしまったのが不味い。傾向で見直すとバラつきを考慮に入れても明らかに南米の湿式の割合は北米より高い。一応C1Dのアメリカへの先行の陰が遺伝子で見えている。


 他にもベーリング組と違う海岸ルートがあると言われていていろいろややこしいのだが、それでもアメリカは基本同一遺伝子集団から広がったのが定説になってる。後から来たイヌイットは除くが、当然イヌイットの乾式率が一番高い。渡米後これだけ南北で差がつくのだからその差から温度による適応だろうと見ている。


 ただ中南米ほど古い遺伝子の陰が見え隠れするのも事実なので、混血した差とも言えるが、それでも絶対的な小数派集団なので、それが増えたと言う事は適応的だといえなくもない。論理として同じものからスタートしたものに較べて美しくは無いけど。


 少数民族なので均一にC2と言えども広がったとは言えないし、一重や骨格は共通してるって点で矛盾してるようには見えるけど、それでもほぼ間違いなくC2をもった集団が最初の一人だったと考えられる。ソースは不明だが研究者でもバイカル湖がスタートだと言ってる人が居て、それは最近の知見では間違ってるが、今のバイカル湖の住人ならC2系だと言える。


 NOの集団と関係が深いおそらく黄河よりの東北集団のC2がその人物だろうと思われる。


 再度イヌイットの話に戻ると、東北集団の中国人が持ってない寒冷適応遺伝子を持ってるイヌイットが中国北部人より湿式耳垢の率が高い。これは何を意味するか?淘汰の前にまず遺伝子が広がらないと始まらない。北方のQ集団、海岸よりの極東集団よりも、東北集団で高い。それは住んでいた集団間の距離の問題で十分に遺伝子が伝播しなかったせいだろうと思われる。


 環境の違いによる淘汰や適応の問題じゃない。


 遺伝距離のある集団でも適応的な遺伝子は均一に拡散するだが、あくまでしやすいだけでやはり集団間の物理的距離自体はどうにもならないようだ。後問題は、C2の割合が高い地域より中国東北部が高い率になるって点。これは耳垢に関してはC2が一様な集団じゃなかったせいかと。C2より当時隣にいたNのほうに広く広がったのが原因だと思われる。Nと接触する地域に居たC2集団で濃い割合だったのだろうと思われる。


 もう1つ考えられるのは当時NよりC2の方が多かったんだろうという点。Nの持っていた湿型は数が少なくて適応云々の前に単純に遺伝的浮動=ランダムドリフトによって消えてしまったのかと。Nだと考えれば良いじゃないか?だが、アメリカ先住民に伝わっているため最初の一人はNではなくC2なのは間違いない。


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