1.気が付いたら異世界だった
初投稿。
拙い文書に誤字脱字(十中八九あるでしょうから)、おまけに見切り発車の試作品ですが、何卒評価、批評、アドバイス、ご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします。
そして、何より楽しんで頂けたら幸いです。
目覚めたら、そこは異世界だった。
とまあ、こんな風に言えば物語の始まりとしては相応しいのかも知れないが、俺の場合はそれこそ、その直後に「完」の一文字がついてもおかしくなかっただろう。
ある朝、いつも通りに学校への道を歩いていたら突然ふらっと目の前が真っ暗になったかと思えば、気が付けば前も後ろも真っ暗な夜道に一人。
その状況を飲み込む前に、今度は狼なのか野犬なのか分からない獣の群れに囲まれ、一体全体何なんだ、と思う事も出来ずに逃げ出して、当然真っ暗な上に碌に整備もされていない獣道をわき目も降らずに走ったせいで、顔と言わず体と言わず傷だらけになった。
おまけに、最後は足を滑らせ激流のただ中に真っ逆さまだ。
痛いやら、苦しいやら、流れに揉まれて上も下も分からず、なけなしの知識を総動員し、体から力を抜いてせめて浮き上がろうとすれば頭を思いっきり岩にぶつけて……。
覚えているのはそこまで、後から聞いた話では偶然そこからほど近い浅瀬に流れ着き、溺死は免れた、という事らしい。
本当に、今にしてみてもよくよく生きていたと感心する。
この手の話でありがちななんか凄い力も、突然助けに入ってくれる者も無く、ただただ運が良かっただけなのだから。
さて、どうせ微笑むならもうちょっと分かりやすく手助けしろ、なのか、ほんと神様ありがとう‼、ともろ手を挙げて感謝するべきなのか微妙なところで九死に一生を得た俺だが、災難苦難はまだ続く。
浅瀬で気を失っていた俺は、その後偶然通りかかった仕事に向かう途中の農夫たちに助けられ、その中の一人の家に担ぎ込まれたらしい。
それから俺は一週間の間昏睡し続け、心身ともに憔悴しきった状態で目を覚ました。
そして、目覚めた俺が最初に見たのは簡素だが手入れの行き届いたログハウス風の部屋に、丁度今入ってきた、という感じで驚きの表情をこちらに向ける少女の姿だった。
状況からしてそれまでけが人の俺を介抱していてくれたのは彼女なんだろう、と思い、咄嗟の思いで「ありがとう」と口に出して言おうとするが、喉から出るのは掠れたようながらがら声ばかり。
普通なら「ここはどこ?」とか「きみはだれ?」とか聞くところだったんだろうが、嬉しそうな、困ったような顔に変わっていく彼女の様子にそもそもその行為自体が無意味だったと気が付いた。
そう、考えてみれば当然の事だが、彼女には日本語が通じない。
ひいては、俺にもこの世界の言葉が分からない、という事なのだ。
かくして、死の淵か生還した俺は、いきなり壁にぶち当たることになった。
言葉の壁、という名の越える事はもちろんぶち破る事も難しい壁に。
以上、初投稿終わり。
前書きでも言いましたが、見切り発車の突貫工事みたいな作品ですので、最悪これで本当に終わります。
と言いたい所ですが、さすがに主人公の名前も出さずに終わっちゃまずいので、も少しだけ頑張りますね。
というわけで、次回は異世界の言葉が分からない主人公はどうするのか、乞うご期待。
されてても、されてなくても投稿します。