朝のドライヤー
ぶぉーん
スイッチの後で流れる風の音
冷えすぎた朝の空気に
髪も寝ぐせでかたまっている
そこへ とろとろ 温風かけて
とかす とかす すぐ元通り
白いシャツ着た肩の上で
外へ跳ねた右側と
内に巻かれた左側
代わりばんこに鏡に映す
外 内
内 外
どちらにしようか迷う独り言は
まるで節分みたい
くるりと右側にブラシをかけて
温風に癒される
ほかほか首すじあっためて
最後の眠気にさようなら
だいぶ元気が出たから
名残惜しい熱源に別れを告げる
……最後にもうひとかぜ
ぶぉーん
あったかい
春風のここち
「いつまでやってるのー?」
ああ現実に引き戻された