プロローグ
初投稿です。
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プロローグ
「これよりそなたを我が国の勇者として認める!」
王宮の大広間、国の貴族と兵士と騎士とそして王族が集ったその場所で国王が高らかに宣言する。
その相手は1人の少年だ。今回の事件を解決に導いた立役者であり、我が国の姫様とも親密な仲であり、その少年の師匠はこの国の重要人物だ。
勿論周囲は異論を挟まない。王が説明した内容から、「この少年こそが勇者である」と全員が理解したからだ。
しかし理解したからと言って納得は出来ない。
国王の息子である王子は実の父親に食って掛かり、娘である姫は少年から勇者の称号を外すようにと懇願する。
一緒に謁見していた少年の仲間も同様だ。
少年よりも少し年上の青年は考え直すように説得し、
青年と同じ位の年齢のよく磨き上げられた鎧を着込んだ女性は不可能だと叫び、
尖った耳をした非常に整った容姿を持つ短髪の女性はあり得ないと断言した。
何よりも少年本人が自分は勇者ではないと考えていた。
確かに今回の事件で自分は活躍をした、
この国の姫様とも親密な中である
師匠は確かに重要人物だ
だがしかしだがしかしである。
少年は言った
「私は勇者ではありません、行商人です!」
王宮の大広間にこの場の誰もが知る事実が告げられる。
国王は自らの宣言を撤回することはなかったのだった。