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おもしろき あの世で異端者  作者: 大地 チイダ
現実
2/22

二人の出会い

プロローグ2です。言い忘れましたが、これは二人が出会ったきっかけも、のせております。あとけっしてBL小説ではありません!

 時間になったので、俺・・・蒼井彩都はそそくさと器具をケースにしまったり、倉庫に戻しに行く。アンプは今日は部室に置いていくことにした。ちゃんと俺専用の鍵をかける倉庫なので安心できる。

 それにしても、高菜修希という男は・・・。こんな俺なんかに付いてくるとはな・・・。こいつに気づかれないように、また俺は顔をチラッと見る。多少女の子っぽい容姿と『さわやかさ』がさらに男女に受けていたのだろうか・・・、すごいモテるやつだ。まあ、元々もってる優しさ・・・かな。

 (昔、集団で性的嫌がらせを女子どもに受けていた修希を・・・助けたんだったよな)

 まあ、2年前・・・俺が中学三年の頃。修希は、今は上手く隠せてはいるが、すごい臆病で口下手な奴だった。それがあの時の第一印象。人は出会った時の30秒でその人に対する評価が変わるというが・・・。今よりもっと女の子みたいな容姿に、おどおどしていて目線がすぐきょろきょろしてしまう瞳。人一人、からかったり出来やしないだろうと思った。

 そして、彼がいじめを受けていたところを、俺が色々やって助けた。

 「彩都・・・?早くしないと来ちゃうよ、軽音部員。帰ろう」

 「わかってる。悪いな、修希。こんな俺に付き合ってくれてさ」

 今では、『親友』じゃないか?俺が思ってるだけかもしれないから黙ってるけど。

 こんなことを言うと、修希は「ばかだなあ・・」と笑う。

 「『こんな』ってさ、自分を卑下する言い方やめなよ?昔の俺みたいだ」

 「そうだな、たしかに同じこと、昔お前に言った覚えがある」

 振り返り、修希は笑って言う。

 「そゆこと。でもさ、きちんと話し合えばさ・・・、まずは軽音部のみんなから、わかってもらおうよ」

 「無駄だろ。あいつらの顔を見ただろ?俺を避けているより、怯えている目をしている。確かに俺は許されないかもしれない」

 「まだひきずってるの?」

 その問には答えず、俺は先に多目的ホールを出た。すぐそばにある階段を目指す。窓ガラスから西日がオレンジ色に映っている。

 

 室内で活動する部活動の「音』が聞こえる。茶道部や演劇部の雑談に、卓球部の、球を打ち合ってる音。女子バレー部のピシッとした掛け声。バスケ部のボールをバウンドさせてる音。

 みんな、仲間がいるんだ・・・。少し活動風景をガラス越しに見てしまう。俺らしくもない、感傷にひたるとは。

 

 玄関には誰もいなかった。そろそろ文化系の部活が活動を終える頃だ。ただ吹奏楽部は全国大会で金賞を毎年狙っている。休養日やテスト前でない限りは、七時頃まで残って練習するだろう。

 他の部活だって当然大会や発表の機会があるわけだ。しかし俺らはそういうのはない。自由気ままな部活なのだから。

 「もう5時半だ。そうだ・・・、俺夕飯の買い物しないと。暇ならくる?」

 「まあ、いいけど」

 いくら人と馴れ合うのを避けているからと言い訳しても、そろそろ周りから俺はホモではないかと、疑われるのではないか?

 

 

 

 

 

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