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詩 彼女をブランコに誘う

作者: WAIai
掲載日:2026/05/29

「ブランコに乗ろうぜ」

「え」


下校途中、小さな公園があるのだが、俺はブランコを指差し、誘ってみる。


公園には子ども達が「キャッ、キャ」言いながら、走り回っている。


「ブランコ、乗りたいの?」

「おう」


素直に答えると、彼女が分かったとうなずいてくる。


夕日に照らされて、全体的にオレンジっぽい彼女。

色気があるというよりは、可愛さが増している。


「子ども達、使ってないみたいだから、遊ぼうか」

「よし、行こう」


話はまとまり、2人でブランコに乗る。


「わ。小学生以来だ」


彼女が恐る恐るなるのに対し、俺はすぐにこぎ始める。


「懐かしいな」

「うん」


2人はゆっくり動き出し、風に乗る。


子どもの頃といっても、5、6年前の話だが、よく競争して乗っていたっけと思い出す。


彼女は最初こそ強張っていたが、段々と笑顔になってくる。


「気持ち良い。もうちょっとスピード、あげようかな」


彼女はそう言い、足に力を込める。


学生とブランコ。


珍しいのか、子ども達がちらりと見て、すぐに顔を背ける。


俺の顔、怖いか?

と思ったのだが、他人のことなんか分かるわけがない。


「きゃあ!! 空に届きそう!!」

「おい。あんまりスピードを出すなよ。その、スカートなんだし」

「あ…」


彼女が恥ずかしそうに動きを止めたので、俺もこぐのをやめる。

ブランコから降りると、彼女の背後に回る。


「どうしたの?」

「俺が背中を押してやろうと思って」


軽く両手で押すと、彼女のブランコが動き出す。

ゆっくりにしてやろうと、力を調節する。


「押さなくていいよ。その、1人は恥ずかしいから」

「いいの。俺がしたいの」


小さな頼りなさそうな背中。

俺は守るように、両手に力を込める。


大丈夫、守ってやるからな。

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