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メモリアの精霊  作者: 吹笛
プロローグ
1/1

15歳の誕生日


――継承紀元24年。


人類は精霊と共に生きていた。


すべての人間は生まれながらに精霊核を宿し、十五歳になると同時に“自分だけの精霊”を得る。


それは祝福であり、同時にこの世界における存在証明でもあった。


精霊は本来、この世界に干渉できない存在。しかし、生物の感覚機能に干渉し、視覚・聴覚として存在するように感じられる、矛盾した存在でもある。


だからこそ、人類は長い年月をかけてある技術を作り上げた。


それが――魔導兵器だった。


魔導兵器とは、精霊が魔導兵器の核である精霊石に宿ることで、はじめてこの世界へ干渉するための“器”となる技術体系である。


魔導兵器は医療や教育、製造などあらゆる分野に応用され、人類社会の基盤として組み込まれていった。


――そして、魔導兵器が開発されて二百年の年月が流れた。


農業村――レゾナ。


 中央都市アークレムから最も遠く離れた辺境の村である。


この村は魔導兵器の導入が最も遅れた地域でもあり、今なお、魔導兵器を使わない旧来の暮らしが色濃く残っていた。


 この村で暮らす青年――フワ・レコーズは十五歳を迎えていた。


「ついに十五歳か……。俺も精霊使いになれるんだよな。」


「お前だけ誕生日遅かったもんな。」


そうフワの友人――クロム・エイルは軽く笑った。


「今日の検査、楽しみだな。フワはどんな精霊が来るんだろうな。」


クロムの肩には小さな精霊が、ちょこんと座っていた。


「かっこいい精霊がいいな〜。すごい強くて、頼りがいのあるやつ!」


「そんな上手くいくかね?」


クロムが肩をすくめると、その精霊も小さく首を傾げた。


「やってみせるさ!……ところでさ、どこに行けばいいんだっけ?」


「おいおい、そんな調子で大丈夫かよ。精霊管理協会(SMA)の管理センターだろ?」


クロムは肩を落とし、小さく息をつく。


「あ、そうかそうか!さんきゅ。行ってくるわ。」


フワは軽く手を振ると、村の中央へ歩き出した。

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