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輝く鎧

僕達を助けてくれた人は、テオを陸に上げたあとに僕を引っ張って上にあげてくれた。

彼は、僕達よりも小さいのにパワーがある。



「弟くん、思ったより重症だな…。」



彼は、そう言いながらテオの傷にタオルを巻いた。



「どうしてこんなことに。」

「…、君たちはどこから来たのかな。」

「お城から走ってきたんだ。」

「お城ね…。送っていくよ、危ないし。」

「ありがとう。…そういえば名前聞いてなかった。僕、ニーニャ。」

「よろしく。僕はリュウセイ。」



リュウセイは、テオをおんぶして歩き出した。

僕はそれについて行く。

リュウセイは裸足で、街灯に照らされると、皮膚がキラキラと輝いていた。



「今日は一段と城が騒がしかったよね。」

「そうだね。ジンとレンシンが、突然いなくなってしまったらしいよ。」

「そうだったのか。それは、心配だな…。

でも、どうして君たち二人は、あの黒い集団に追いかけられてたんだ?」

「多分、前にジンを守るために、あの集団のうちの一人を殴っちゃったからだと思う。」

「え!そうなの!」



リュウセイは驚いたように笑う。



「じゃあ、納得だな。

でも気をつけなよ? あの黒い集団は、ベルリアルの手下たちだよ。」

「ベルリアル?」

「知らないの? 悪魔から神に昇格した神なんだけど、かなり悪いやつなんだよね。

ゼルアークっていう上の身分の神も手を焼いてるらしいよ。」

「そんな神様がいるんだね。」



ベルリアルやゼルアークなど、聞いたこともない名前が出てきた。

この生活や、世界に慣れてきたと感じていたが、まだまだ知らないことばかりだ。

城下町の屋台街を通り抜け、城の前まで戻ってくることができた。



「ありがとう、色々と。」



僕はリュウセイからテオを受け取ろうとする。



「いいよ、このまま運ぶから。」

「え、」



リュウセイは、そのまま城の中に入っていった。












城の中では、コクエンさんが僕達を探していた。



「ニーニャさん、テオさん!」



コクエンさんはそのまま上の階に上がっていった。

少しするとコクエンさんと一緒に、ダイヤが戻ってきた。



「何があったんだ…。」



ダイヤがテオの姿を見て戸惑う。



「リュウセイ様、こちらにお願いします。」



僕達が通されたのは、医務室のようだ。

中にはベッドがたくさん並んでいて、軍の人たちがそこで休んでいた。

空いているベッドに、リュウセイがテオを寝かせる。

テオを降ろしたリュウセイの顔は青ざめていた。

彼の視線の先を見ると、そこにいたのは全身包帯でグルグル巻きになったレンシンだった。

顔は見えないが、レンシンだということは一目でわかった。



「兄さん…。」



そういえば、レンシンには弟がいるとジンが言っていた。

まさか、リュウセイがレンシンの弟だったとは。

ダイヤは、テオの治療を始めた。



「今日は、…何が起こってるんだ。」

「ダイヤ、なにか知ってるなら教えて。」

「…。」



ダイヤは少し考えてから、口を開いた。



「ベルリアルが現れた。最近よくあったみたいだ。」

「でも、ここまで被害が出たのは今回が初めてです。」



ベルリアル、さっきリュウセイが教えてくれた名前。



「レンシンがこうなってしまったのも、俺の力不足のせいだ。すまない。」

「追い返してくれただけでも、助かりました。ありがとうございます。」


「ジンは?」

「まだ見つかっていない。これが終わったら、もう一度行ってくる。」

「ジンを連れ去ったのは、カクーダというベルリアルの手下の集団だと思う。」

「また、厄介なのがいるな。」

「僕達が追いかけられたのも、カクーダ?」

「そう。」



テオの傷が、完全に塞がった。



「体が冷えているから、暖房器具を持ってきてくれるか。」

「承知しました。」

「ニーニャも風呂入って、着替えてこい。」

「僕も行く。」

「じゃあ、行こうか。」



リュウセイの声がさっきより元気がない。










風呂場につき、服を脱ぐ。

リュウセイの肌は、やはり青く輝いていた。

後ろには大きめの尻尾。

だけど、あまり見たことのない形だ。



「リュウセイは、不思議な色だね。」

「あぁ、これは鱗だよ。鎧みたいなものさ。

ニーニャの目こそ、不思議な色をしているね。お医者さんも同じ色だった。」

「さっきのカクーダの人たちも言っていたけど、この色って珍しいものなの?」

「ニーニャ以外で、その目の色の人は見たことがない。

瞳の色は、その人自身が現れる部分なんだ。

君は、自分でも気づいていない何か大きなものを、内に秘めているのかもしれないね。」



リュウセイはそう言いながらシャワーをする。

彼の鱗が、床にカラカラと落ちる。



「落ちてるけど、痛くないの?」

「少し痛い。けど、もう慣れたよ。」

「そうなの?」



僕は落ちた鱗の一つを拾い上げる。



「とても綺麗だね。」

「気に入ったなら、あげるよ。」

「いいの?」

「いいよ、たくさん落ちるし。」



僕は、拾った鱗を服を入れたかごの中にしまった。

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