表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/27

信じる心

僕達は、ジンとレンシンの部屋でボードゲームをしていた。



「何の話してるんやろか。」

「俺達にはわからない、難しい話だよ。」

「最近は特に忙しそうだよね。」

「何かあるんですか?」

「そう言われてみると、わからないな。何かあるわけじゃないと思うんだけど。」



ジンとレンシンは少し考えたが、すぐにゲームに戻った。



「はい、あがり〜。」

「また、ジンが勝ったん?」

「ジンってほんとゲーム強いよね。」

「まぁね!」








しばらく色々遊んでいると、日がだんだん落ちてきた。



「外で遊びたい。」

「あんなことがあった後なのに、よくそんなこと言えるよね。」

「中で遊ぶの飽きちゃったんだもん。」

「んじゃ、気分転換に城ん中散歩しようや。俺等に案内するんも含めて。」

「いいね!城内散歩しよう!」



僕達は部屋を出て、散歩を始めた。

先が見えないほどの長い廊下の窓から、きれいな桜が見える。

周りの屋台街からは、ほんのり赤い提灯の光。

秘龍の国ならではの夜の明るさに、思わず外を眺めてしまう。



「そういえば、なんでここは”秘龍の国”なん?」

「もともとは、龍人が人間から逃げてきた魔人を保護するための国だったんだよ。当時は、今より龍人も魔人も差別が酷かったから、この見つかりにくい島に籠もっていたらしいよ。」

「まぁ、スタンダードな人型じゃないと端に追いやられてまうよな。」

「でも、ここにいるのは、ちょっとしたはみ出者たち。そんな俺らでも、楽しくやっていけてるよね。」

「そうだね、今はとても楽しい。」



僕達は長い廊下を進んで行く。



「ここさっき来た応接室だねぇ。」



中には、ソラさんとセンリさん、ダイヤがいる。

中から少し声が聞こえる。



「わかった。警戒しておくよ。」

「また、このことでお世話になるなんて。」

「仕方ないよ、誰が悪いとかじゃないからさ。」



ダイヤは、何を警戒すると言ったのだろうか。

”また”ということは、前にも同じようなことがあった。



「ニーニャ?どうしたん。」



僕は考え込んで、立ち止まっていたようだ。



「あぁ、気になるよな。

わざわざ、俺等を遠ざけて話してるってことは、知られたくない内容ってことなんちゃうかな?

それか、何らかの理由で俺等に教えられへんことなんよ。ダイヤから何か言ってくれるまで、待ってみぃひん?」

「…待ってみようかな。」

「じゃあ、散歩の続き行こか。」



テオに背中をポンと押され、僕は足を動かす。







その後散歩を終え、この日は幕を閉じた。

翌日、目を覚ますと、僕の隣にはダイヤが眠っていた。

昨日の夜の時点では、いなかったはずだが、僕が眠った後に来てくれたのだろうか。

僕はダイヤの髪に触れる。

ダイヤの黒い髪は、光の当たり方で少し違った色に見える。

蝶の羽のように柔らかい髪は、金属のように冷たい。

ふと、ダイヤの顔の方に目を向けると、大きな瞳がこちらを見ていた。



「ごめん、起こしちゃった?」

「いや、大丈夫だ。そろそろ準備して、出かけるぞ。」



僕はダイヤの方に両手を伸ばす。

ダイヤは、僕を自分の方に引き寄せると、僕の頭を彼の胸に埋めた。



「昨日は良く頑張ったな。」



ダイヤは僕の頭を優しく撫でる。

彼の体温は低いが、やはり暖かい。

ダイヤに頭を撫でられ、ホッとしている間にテオが入ってきていてようだ。

いつもなら足音で気づくはずだが、今回は全く気づかなかった。



「親子で仲いいってのは、ええことやと思うてるで。」

「それは、俺も思う。」



ダイヤは僕を解放すると、ベッドから降り、支度を始めた。







最初はレンシンに推めてもらった博物館に来た。

植物や昔に生息していた動物の化石、骨董品や古い魔法書などがあった。

ダイヤは、これらのものに詳しく、ガイドの人も驚くぐらいだった。

ダイヤは長く生きている分、こういうものに触れる機会があったのかもしれない。


お昼を食べた後にに来たのは、大きな図書館。

一階から五階まで壁一面に本が敷き詰められている。

大きさは東の国の城くらいだろうか。

学校で使うような有名な魔法書から、少し珍しい魔法書。

子ども向けの絵本、小説や歴史書なんかも揃っていた。

今日のダイヤは、なんだかとても楽しそうだ。


帰りは、コクエンさんが車で迎えに来てくれた。



「今日は楽しめましたか?」

「はい、とても楽しかったです。」

「いやぁ、あんなデカい図書館があるなんて知らなかったな。」

「あの図書館は、特に最近できたものなんですよ。楽しんでもらえて何よりです。

明日は温泉街に行くとお聞きしていますので、送迎いたします。」

「ありがとうな、コクエン。」

「あなたにはお世話になっていますし、ニーニャさんは昨日ジン様を助けていただきました。テオさんも道に挟まってしまった僕を助けてくださったんです。」

「道に挟まったって…。それ、今初めて聞いたぞ。」

「言ってなかったのでね。」



ダイヤはクスッと笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ