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お出かけ

旅行の計画を立て終えた僕とテオは、ジンとレンシンに連れられて、城下町に降りる。

東の国の城下町とは違い、食べ物の屋台が多い。



「夕食がまだなので、たくさんは食べられませんが、ゆっくり見て回りましょう。」

「めっちゃいい匂いするなぁ。」

「ここらへんは、食べ物ばかりだしね。」

「もう少し先に行けば、他の屋台もあるよ。」

「奥から行って、返ってくるようにしましょうか。」

「そうだね。」



一本にまっすぐ続く城下町の屋台街をグングン進んで行く。

後ろから聞いたことのある足音が、一定の距離も保って近づいてくる。

多分コクエンさんだろう。

一国の時期王となる二人だ、護衛がいてもおかしくない。

僕は気づかないふりをしたまま、三人のあとをついて行く。



長い屋台街を抜け、海が見える所まで来た。

東の国には海がないから、とても珍しい光景に心を奪われた。



「綺麗…。」

「せやな、これはここやないと見れへんわ。」

「俺も、ここ好きなんだよね。」



青く広い大きな鏡に、空が映る。



「じゃあ、行こうか。コクエンも。」



ジンが振り向いた目線の先に、コクエンさんがひっそり隠れていた。



「バレていましたか。」

「俺の魔力感知舐めないでよね!家計魔法だから、性能はすごいんだよ!」

「ジンさんは魔力感知が使えるんですね。」

「そうだよ、教えたげようか?」

「俺、教えてほしい。」

「いいよ!」

「ニーニャは?」

「では僕も。」



僕とテオはジンを間に挟み、魔力感知を教えてもらう。

レンシンは僕らの後ろで、コクエンさんと話している。

長い屋台街を再び歩き出した。



「魔力探知は、みんなできる簡単な魔法の一つだよ。二人とも目を閉じて歩いてみて。」

「え、危なくないですか?」

「大丈夫、俺が手を握ってる。」



ジンは僕達の手を強く握る。



「物や人から、かすかなオーラが見えるでしょ?」

「ホントだ。」

「これが魔力なんか?」

「そう、これが無意識でも見えたら一流。魔力だけで、誰かまでわかればいい感じだよね。」

「なるほど、そういう段階があるんですね。」

「確かに、よぉ見たら形や色が違うかも?」

「まぁ、最初はみんなそういう感じだよね。俺もそうだった。」

「ジンさんありがとうございます。勉強になりました。」



今少しやっただけだが、なんとなくコツが掴めた。

魔力探知や、お互いの国のことを話していると、ふと目に留まる物があった。

緑色の魔法石が付いた装飾品だ。



「あのお店、少し見ても構いませんか?」

「いいよ、見に行こう!」



ジンがぐっと僕の手を引っ張り、お店の前まで連れて行く。

緑の魔法石の装飾品を見つめていると、ジンが僕に声を掛ける。



「これ、ほしいの?」

「はい、お土産にどうかなって。」

「いいじゃん!とっても綺麗だし。」

「喜んでくれますかね。」

「人からもらったプレゼントって、嬉しくない?」

「プレゼントは…とても嬉しいです。」

「お土産もプレゼントのうちでしょ。」

「お、それめっちゃいいやん。クロム様に?」



テオも僕の隣に入ってくる。



「はい。」

「じゃあ、俺はアリス様にこれ買って帰ろ。」



テオは僕が選んだものと色違いのものを手に取る。



「アリス様の瞳の色とおんなじや。」



テオが選んだ青いものも、綺麗に魔法石が輝いている。

僕達は、選んだものをそれぞれ購入し、その店をあとにした。



「クロム様とアリス様ってさっき話してた、トヤヘリノの東の国の人だよね。」

「はい。二人ともとてもいい方です。」

「アリス様はまだまだ赤ちゃんやけどなぁ。」

「赤ちゃん、いいな。俺もしたの兄弟が欲しい。」

「ジンはそればっかだよね。」

「テオはそう思わないの?」

「俺?俺は特にそういうのはないかな?ニーニャおるし。」

「下の兄弟と上の兄弟は、全然違うよぉ。

レンシンは弟がいるんだけど、ほんとにかわいい。羨ましい…。」



ジンは口を尖らせる。



「ちょっと付き合ってくれる?」



ジンは甘えたような目で、僕を見つめる。



「はい、大丈夫ですよ。」



ジンは屋台街の道から逸れ、細い道に入っていった。

建物と建物の間にあるこの道は、かなり細く一列にならないと通れない。



「この道って、通っても大丈夫なんですか?」

「大丈夫大丈夫!いつも通ってるから!」



後ろの方で、コクエンさんが道に詰まっている音が聞こえる。

レンシンとテオが、それを押しているようだ。

僕はジンと二人きりになってしまった。


細い道を通り抜けて、たどり着いたのは小さな神社。

長い階段を登り、鳥居の前に来る。



「ここは?」

「定期的に来てるんだ。レンシンと。」



ジンは賽銭箱に小銭を投げ入れ、大きな鈴を鳴らす。

両手を合わせてお参りをすると、僕の方に振り、駆け寄ってくる。



「ありがと、戻ろっか。」

「はい…。」



長い階段を降りようとすると、感じたことのない気配を感じる。

僕は、ダイヤからもらったキーホルダーに手をかける。

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