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生首の彼女と一緒にお散歩デートしていたら、ある日突然怪異と戦う除霊師になっちゃった話  作者: サイトーアツシ
第五章「ショウタイとアイ」

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第十六首『イヤーーーッッッ! 衝撃の真実!』

 全身が真っ黒に染まった人型の怪異(かいい)、口は横に裂けたかのように大きく、目は充血して真っ赤になり、全身からは鋭いトゲがハリネズミのように無数に生えている。


 口からは白い蒸気を吐き、そして、手に持っているのは……、


心矢(しんや)の……鎌……?」


 そう、いつも心矢(しんや)が振るっているあの大きな鎌を、なぜかあの怪異(かいい)は持っている。


「ちょっと! 心矢(しんや)をどこへやったの!?」


 怪異(かいい)は棒立ちのまま何も答えない。


「つむぎさん! あなたここでずっと見てたのよね!? 何があったか教えてよ!」


 しかし、つむぎさんも俯いたまた何も答えない。


「ねぇ、つむぎさん! ねぇってば!」


 すると、怪異(かいい)があたいの叫びに反応して、顔をこちらに向けた。そして次の瞬間、怪異(かいい)がものすごいスピードでこちらへ斬りかかってきた。


「わっ! いきなりなんだっていうのよ!」


 あたいは咄嗟にミッドナイトブラスターのダガーナイフモードでそれを受け止める。

 刃と刃がぶつかり、競り合い、キーーーンという音が響く。


「ツ……ムギ……」


「喋った!?」


 ありえない。喋る怪異(かいい)なんて初めてだ。まさか、コイツがあの伝説の怪異(かいい)とでも言うのだろうか。


「ツ…………ギ…………マ……モ……」


 怪異(かいい)は再び鎌を振り上げ、そして振り下ろした。

 あたいはそれを素早くミッドナイトブラスターのダガーナイフモードで弾き返す。


 怪異(かいい)は何度も鎌を振り上げては振り下ろし、振り上げては振り下ろし、その繰り返しだ。

 あたいはそれに合わせて、何度も何度も鎌を弾き返す。

 しかし、小さなダガーナイフの刃では、大きな鎌の刃を弾くのにも限界があった。


 ――パキン!


「しまった!」


 ついにダガーナイフの刃が折れてしまった。折れた刃はふっ飛ばされ、地面に突き刺さる。


 あたいはその衝撃で尻もちをついた。


 目の前で、怪異(かいい)は鎌を思いっきり振り上げる。


「駄目! 止まって! 斬っちゃ駄目!」


 つむぎさんが枯れそうな声で叫ぶ。もう無理だ。今度の今度こそ助からない。


 しかし、つむぎさんはそれでも必死に叫び続ける。


「斬らないで! やめて!」


(もう、無理よ……どれだけ、叫んだって……) 


 怪異(かいい)が思いっきり鎌を振り下ろす。


「やめて! 心矢(しんや)!」


「……えっ?」


 怪異(かいい)の動きが止まった。怪異(かいい)は鎌を取り落とし、頭を押さえてもがき苦しみはじめる。


「あ……あ……うわぁぁぁぁぁぁ!」


 怪異(かいい)の姿がみるみる内に心矢(しんや)の姿に変わっていく。


「俺が……俺は……あぁぁぁぁぁ!」


 心矢(しんや)は叫びながら、逃げるように去っていった。つむぎさんはその様子をただ黙って見つめている。


(どういうこと? 何がどうなって……)


 あたいは理解できなかった。いや、正確には理解できなかったのではなく、理解したくなかったのかもしれない。


「ベロたんさん……大事なお話があるの……」


 つむぎさんがいつになく神妙な面持ちにこちらに話しかけてきた。


 あたいはその場で唾を飲み込む。


心矢(しんや)は……、私を……私を殺した怪異(かいい)なの」

次週は更新お休みです。申し訳ございません。

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