49瓶目 聖剣エクスカリバー
命命はケインから『闇と月の雫の杖』と『太陽の水晶のペンダント』を受け取り、遣い狐と闘技場を去った。
命命の秘宝の気配を感じる場所へ降りると
そこには命命に良く似た人物がいた。
そうこの人物は辻斬りである。
「マザー・ハーロットいや…今はミス・ハーロットかな?」
命命は辻斬りの正体を見破った。
「げっ…!小娘…!」
正体は髪の色が逆なだけでほとんど同じ姿になった大淫婦だった。
「もう全部集めちゃったんだ…私の秘宝」
命命はハーロットにそう言った。
「お前にもう一度なってやる為に集めたんだ…!さあ!その蛇黒蛇玉と残りの秘宝を私に寄越しな!」
ハーロットは命命に聖剣エクスカリバーを向けた。
「ここは争いじゃなく、話し合いをしないか?」
命命は話し合いの場を設けようとした。
ハーロットは命命にエクスカリバーを振り下ろした。
『太陽の水晶のペンダント』がエクスカリバーの効果を無効化した。
「な?お前は私に勝てないんだよ。」
命命は防御体勢を整えた。
「うるさい!私があんたに成り変わってこの国を治めるんだ!!」
斬撃を飛ばすハーロット。
静かに命命は受け止めた。
「私と世界を作らないか?そして私とこの世界を覆そうじゃないか。」
命命の差しのべた手をハーロットは戸惑った。
「組もう…」
命命の瞳を見たハーロットは力を抜いてしまった。
命命は聖剣エクスカリバーを奪い、ハーロットに振り下ろした。
「お前の力を奪うまで…な?」
命命はハーロットの力を奪い取った。
「お前の力は…霊体化。丁度いい。」
崩れゆくハーロットは命命に
「いずれ恨みを買い、祟られるだろう…!あわれな娘よ…!」
呪いの言葉を吐いた。
命命は静かにハーロットを睨み付けた。
血をも凍らせるアメジストの目に浮かぶ欲望と退屈…そして孤独を確かにハーロットは見た。
見てしまったのだ。
「私は祟られることを恐れていない。それ以前に愛に呪われているからな…」
命命の後ろにうっすらとドラゴンの影が見える気がすると感じたハーロットは静かに燃えて消えてしまった。