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孤独な魔女と混血の秘薬  作者: 諸伏優
人魚の入り江と悪女伝説
39/50

39瓶目 王女の死

命命の亡骸の入った壺に挨拶をしようと八つの国から大勢が人魚の入り江に押し寄せた。

「姫様…!」

「なんと酷い…」

「崩れるなんて…!」

魔法界の子供達は涙を流していた。

酒呑童子や茨木童子は涙を堪え、命命の眠る壺に

「リリアンとマリアは私達が立派な魔法使いにしてみせます!」

と誓った。

「命命…!命命起きてよ!」

「魔女様ぁ…」

弟子達の声に答えることはなかった。

ケインは落ち込んでしまった。

「ごめんなさいルシファー。たった1人の愛娘(こども)を俺がこの手で…」

ルシファーはケインに手を差し出した。

「実子は1人じゃない。お前がいるではないか。また父と呼んでくれないか?」

ケインは首を横に振った。

「俺はあなたの血を引いてないから…」

ルシファーは笑った。

「家族は血の繋がりが全てではない。お前がいいなら父と呼んでくれ。嫌なら別に。」

ケインはルシファーの手をとった。


翌日、ケインはその身をもって知ることとなる。

王女の死にどれほどの影響があるか。

リリス女王はナベリウスに当たっていた。

「この駄犬が!お前らの力でなんとかしなさい!」

ナベリウスの長男であるケルンは

「しかし…自分だけじゃ力不足で…」

怯えていた。

蜘蛛の都は布の生産が、エルフの村も農作業が、悪魔の国も金属加工が、獣人の町も書物が、ドラゴンの島も果実収穫が、何もかも止まってしまった。

王女の死が影響を与えてしまっている。


命命が残した紫の秘薬は一つは盗まれ、もう一つは解析されている。

「命命、俺はどうしたらいい…」

ケインは命命の壺を抱き抱えていた。

何故か命命の気配がした。

「           」

命命の声が聞こえた気がして振り向くと後ろに小瓶が4つ並んでいた。

ハート、スペード、クラブ、ダイヤ

まるでトランプのスートのようだ。

「悩むことないって?ほんと悪い女…」

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