35瓶目 童話 サタンとリリス
昔、リリスはアダムの妻としてエデンの園に生まれた。
リリスは自由を愛していた。
そんなリリスに恋をした天使が居ました。
それがルシフェル、後のルシファーなのです。
リリスの歌声に誘われて、リリスの目の前に白蛇の姿で現れました。
「あら…珍しい。白色の蛇は初めて見たわ。こっちにおいで。」
優しく呼ぶ声に惹かれたルシフェルは思わず、本当の姿を見せました。
「やあ…」
リリスは驚きました。
「綺麗ね…」
思わず口にした言葉でした。
ルシフェルとリリスはお互いに恋をしました。
アダムに夜の誘いをされたリリスは恐る恐る承諾しました。
エデンの園にいる動物達は皆恋人と幸せそうに暮らしていました。
リリスはアダムにこう言いました。
「どうして私が毎回下なの?たまには上に乗ってもいいでしょ?」
リリスの一言にアダムは激怒しました。
リリスはそのままエデンの園を去りました。
リリスはエデンの園に新しい人間の女性が生まれたと聞き、様子を見に行きました。
イヴはリリスの残した息子ケインを可愛がっていました。
リリスはイヴなら己の叶えられなかった夢を託せると信じて、ルシフェルに知恵の果実をイヴに与えるように伝えました。
リリスは神の怒りを買い、地上へ落とされました。
それに怒りを覚えたルシフェルは神に戦争を仕掛け、反逆者として地上へ送られました。
ルシフェルは「ェル」の名を奪われ、ルシファーと名乗るようになりました。
地上を彷徨いながらもリリスを探しました。
ようやくリリスを見つけたと幸せそうに駆け寄っていくルシファーは、リリスの姿を見て驚愕しました。
彼の目に映るリリスは角が生えて、醜い姿をしていた。
「私を見ないで…!」
リリスは隠れてしまった。
だが、ルシファーは恐れることをしなかった。
「綺麗だよ…」
その声にリリスは驚きました。
優しくリリスの頬を撫でるルシファー。
リリスの角がルシファーに移り、ルシファーの中にサタンの人格が新たに生まれました。
リリスはルシファーとサタンを愛しました。
何十年もの時を超え、2人は結ばれました。
「美しくて、切ない恋はいつか実を結ぶ」
ルシファーは後にこの事葉を残しました。