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孤独な魔女と混血の秘薬  作者: 諸伏優
骸骨の花嫁
18/50

18瓶目 ミントグリーンのウェディングドレス

エキドナは仕立て屋に命命を連れていった。

「命命、好きな色で作っていいのヨ♡」

そこには沢山の布があった。全て蜘蛛の都で造られた一点モノで、エキドナの所有物だった。

「なんならいくつも作って良いわヨ♡アタシのお嫁さんになるんだからネ♡」

命命はエキドナからしたら小さな妖精のような大きさだ。布の収まっている棚の前をチマチマ歩いているのでとても愛らしく見えるのだろう。

「この色…」

ミントグリーンの布の前で命命は立ち止まった。

それを見たエキドナはミントグリーンの布を持ち上げた。

「この色が良いの?確かにアナタに似合いそうな色ネ!この色のウェディングドレス作って!」

そう言うとアラクネの女性2人が出てきた。

「採寸をするから旦那様は外でお待ちくださいね」

エキドナを外に追い出した。


お見合い会場に到着したケイン達は困り果てた。

「命命!命命!」

探し回るも命命の姿はない。

「命命っていう女の人探してるの?」

ドラゴンの少女が声をかけてきた。

「そうだよ!知ってる?!」

リリアンが少女に聞いた。

「うん!エキドナっていう骨龍がお嫁さんにした人だよ!凄く綺麗な女の人だったよ!」

と教えてくれた。

「ケイン兄さーーーん!!」

物凄い勢いで天使が落ちてきた。

「アベル!俺の妹を誘拐した挙げ句骨龍の嫁にしたのか!!」

ケインはアベルに掴みかかった。

「違くはないんだけど…エキドナが命命に催眠術をかけて、無理やり!」

ケインはアベルを殴った。

「お前は俺から大切なものばかり奪っていくんだ!生きてた頃だってそうだ!だからこの手で…!」

アベルは謝った。

「ごめんなさい兄さん…」

ケインは呆れていた。

「命命が危ない!」

そう言うとケインは飛び去った。

「まずいことになったぞ…」

スカルJr.がそう言った。

「どういうこと?」

リリアンが聞いた。

「骨龍は死んでるドラゴンの未練の塊なんです。そのドラゴンの花嫁になれば命命嬢はあの世の住民になってしまいます。」

それを聞いたリリアンは慌てた。

「命命!!」


ウェディングドレスが出来上がった。

プリンセスラインで、黒のレースで飾られたこの世でたった一人の花嫁の為に仕立てられた特別なドレスである。

「アタシのお嫁さんにぴったりなドレス…。あ~ん、アタシ嬉しいワ」

エキドナは嬉しさのあまり泣いていた。

「……」

命命は優しく微笑んでいた。

「このまま今夜結婚式しちゃいましょ!」

エキドナの発言に命命は優しく頷いた。

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