14瓶目 父親違い
午前0時ルシファーは指を鳴らして、命命とケインを不思議な部屋に閉じ込めた。
「は?」
ケインは命命を守ろうと身構えている。
「ははっ!!やはりな!」
ルシファーは高笑いしている。
「母親が同じでも父親が違えば顔立ちが違うな!」
母親が同じでも父親が違う…?どういうことだ?
「俺と命命は母親も違うはずだ!!」
ケインが反論する。
「馬鹿な男だ。一番最初の人間の女はイヴじゃないんだ!リリスが一番最初の女なんだからな!」
命命とケインは言葉が出なかった。
母親を別の女だと思い込んでいた兄、別の女を一番最初の女だと思い込んでいた妹。
「そんな…俺と命命が種違いの兄妹?あり得ない…」
ケインはショックのあまり先ほどまでの勢いを失った。
「命命、お前は悪魔と魔女の血を引く娘だ。お前に秘められた魔力を解放すれば人間達を一掃できる。どうだ?私の養子にならないか?」
……私は悪魔の血を引く魔女なのか?
「私の弟子が泣いているかもしれないときにそんな取引持ちかけるな!」
空間魔法でカインを格納していた事を思い出した。
「サラマーマン!!ここを熱して開けて!!」
カインは鉄格子を熱で思いっきりこじ開け、命命を外に出した。
「さすが最初の魔女の娘だ!だが私には敵わないだろう?!」
業火を命命に向けて放った。カインやケインが水をかけようとしているが間に合わない。
次の瞬間、青い炎が命命の前に現れた。
「なぜお前がここに?!」
ルシファーが驚いていた。
白銀の大きな狼が命命を守った。
「スカルJr.!お前リリアンを連れ戻したんだな!」
命命は喜んだ。
スカルJr.の背中にはリリアンが乗っていた。
「そんな…あり得ない!なぜケルベロスがここに居るんだ!」
スカルJr.はリリアンを下ろして、ルシファーに向き直った。
「それはね…オレが命命と契りを交わしたからさ!」
スカルJr.はヒト型に姿を変えた。
「ナベリウス…!!」
スカルJr.はナベリウスという悪魔だった。
ナベリウスはケルベロスと同じ意味である。
「命命、ここはオレに任せてよ。さぁルシファー!お手!!」
スカルJr.は手を振り上げ、勢い良く下げた。
すると空中から足がルシファーの上に落ちた。
「ぐ…」
ルシファーは気を失った。
その隙に皆で悪魔の国から逃げ出した。
オンボロ屋敷に到着するとナベリウスはまた悪魔の国に戻ろうとした。
「スカルJr.…ここに居て良いんだぞ?」
あの子は今やなかなかの高身長の美男子になった。
傷だらけにだけはさせたくなかった。
「命命嬢、オレ…いや吾輩は悪魔で雄犬ですから…」
ケインも少し悲しそうな顔をしていた。
「Jr.お前は私の使い魔だろう?私から離れたらどうなるだろうな。」
使い魔の契りを交わした生き物は主の命令以外で主の傍を離れることは出来ない。
「命命嬢…」
情けない泣き顔をしてした。
「なぁ、命命…こんなときになんだが…」
ケインが話しかけてきた。
「俺の事…お兄ちゃんと呼んでくれないか?」
カインがケインに熱湯を浴びせた。
「カイン!」
ケインの角が抜け落ちた。
「あっつ!!!!」
ケインも化粧でわからなかったがなかなか良い男だった。
「ケイン…」
その顔は亡き母の面影があった。
「命命?え?帰ってきた!」
リリアンが目を覚ました。
「あぁ、リリアン。ごめん、おかえり。」
悪魔の国では
「忌々しい仔犬め!!」
ルシファーは怒り狂っていた。
「次こそ…あの娘をこの手の中に…!!」
我を忘れ、己の欲望に溺れていた。
「ルシファー様でも手に入らない命命は一体どんな女なんだ…」
命命を目にしたことのない悪魔達は興味を持っていた。
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