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最近やっているアニメのゴルフ漫画「オーイ!とんぼ」がおもしろくてビビっている話

作者: ふる

 さえない中年男性と子供が出会う作品には、言い表せない”良さ”がある。


 最近、「オーイ!とんぼ」というアニメが放映されている。


 オリジナルアニメではなく、ゴルフ雑誌で掲載されている漫画がアニメになったようだ。


 まずストーリーを話す必要があると思うが、簡単に話すと、ゴルフ界から追放された元プロゴルファーの男性、五十嵐と、船でしか行けないような離島で、抜群のゴルフの才能を持っている少女、とんぼが出会う話。という感じだろうか。


 最初のうちは期待して見たアニメではなかったのだが、これが意外におもしろい。


 いや、実際にはこの漫画はすでに、50巻もの巻数が出ている長期連載漫画であり、長年のファンがいなければこれほど多くの巻数は出せないだろう。


 つまり、長年のファンからすれば、私が面白いと感じるのは意外ではなく必然だったのかもしれない。


 さて、「おーい!とんぼ」の魅力としては、他のアニメにはない作風があげられるかもしれない。


 これは、この作品が「ゴルフダイジェスト」というゴルフ雑誌で掲載されているゴルフ漫画ということが大きいと思われる。


 アニメ化されている作品の多くは「少年ジャンプ」や「小説家になろう」などが原作であり、そうした作品で求められているのは、スピード感のあるストーリーだったり、キレイだったりかっこいいキャラが戦うシーンではないだろうか。


 私も呪術廻戦やフリーレンが好きなので、いつもならそういう作品の方が好きなところだ。


 そうした作品に比べると、「おーい!とんぼ」は敵キャラが突然出てきて倒すわけでもないし、キャラがキレイというわけでもない。


 絵柄としては最近の漫画よりも、カイジの方が絵柄が近い気がする。


 カイジと違うのは、カイジは女性キャラがかわいくないが、「おーい!とんぼ」はとんぼちゃんがかわいいところだろうか。


 そんなわけで、「おーい!とんぼ」は他の作品と違って一目でわかる魅力はないかもしれない。しかしながら、それでもなお面白い作品だ。


 この作品は、元プロゴルファーの五十嵐と島の女の子とんぼのダブル主人公の話になっていると思われる。


 男の五十嵐は当初、賭けゴルフに手を出してゴルフ界を追放され、そのうえ奥さんと息子がいるものの離婚することになり、かなりひどい状況で女の子の暮らすトカラという島で働くことになった人物である。ドラマ化するなら阿部寛になりそうなイメージだ。


 一方で、女の子のとんぼは幼いころに両親をなくしてトカラで暮らすことになった女の子であり、トラウマを抱えながらも元気に生活を送り、親の形見の3番アイアンでゴルフをしている女の子である。


 ここで女の子の設定の上手いと思うところは、ドライバーではなく3番アイアンが得意というところだ。


 ゴルフを知らない人には正直よくわからない話だと思う。私自身もゴルフは打ちっぱなしをしたくらいで、ゴルフに詳しいわけではない。


 そういう点でいうと、ゴルフを知らない人にわかりやすいのはドライバーだ。


 ドライバーというのはゴルフクラブの中で一番長く、一番飛距離の出るクラブのことだ。


 つまり一番目立ちやすいので、ドライバーを推した方がゴルフを知らない人にもわかりやすいインパクトを残せるはずなのだ。


 しかしながら、「おーい!とんぼ」が掲載されているのはゴルフダイジェストというゴルフをやっている人が読者のゴルフ雑誌である。


 ドライバーはたしかに飛距離が出るが、それだけがゴルフの面白さや上手さというわけではない。


 むしろゴルフをやっている人は、ドライバーだけ打ってその後どうするつもりなのかの方が気になってしまうかもしれない。


 つまり、ゴルフをやっている人にとっては、キャラの長所がドライバーですと言っても、魅力を感じにくいと考えられるのだ。


 一方で、3番アイアンは扱いが難しい。これはゴルフをしたことがない人にはまったくわからない話だ。


 しかしながら、ゴルフをしたことがある人は3番アイアンが難しいクラブということを知っている。


 だからこそ、ゴルフ雑誌におけるゴルフ漫画としては、3番アイアンを自由自在に操る女の子が魅力に感じるのだ。


 また、ゴルフをしたことがない人には難しさがわからないと書いたが、作中において3番アイアンを打つことが普通ではないという描写がされているので、ゴルフをしたことがない人も自然と3番アイアンが難しいということが察せられる作りになっており、ゴルフの奥深さのようなおもしろさを感じられるのではないだろうか。


 加えて、離島で話を始めて、そこに3ホールだけのコースを設定しているのもおもしろいと思う。


 ゴルフは通常、18ホールを回ることになる。野球よりも長い時間がかかるのだ。そのため、18ホール分の話を描写するとしたら、ある程度省略したとしても、それでもなお、かなり長い話になってしまうだろう。


 それが、離島で3ホールしかない状況なら、話を短くまとめることができる。


 一般的なゴルフ漫画の面白さは、主人公達がゴルフのコースを長く回る中で、自分や相手の感情の描写があり、それに加えてボールやコースの状況が描写されていく部分にあると思っているが、「おーい!とんぼ」ではそれをコンパクトにまとめていて読みやすいと感じる。


 なにか長々と語ってしまったが、やはりキャラクターが立っているのが「おーい!とんぼ」のおもしろいところだろう。


 五十嵐はゴルフ界を追われた中年男性で、明るいとんぼと出会い活力を取り戻していくわけだが、なさけない部分がありながらも、ゴルフに関する部分ではプロの実力をきっちりと示してとんぼを導いていく。


 とんぼの方も、明るいキャラクターながら暗い過去もあり、3番アイアンを自由自在に扱える一方で、逆に3番アイアン以外を使ったことがないという、これからの成長が楽しみな女の子だ。


 さらに、五十嵐が過去に関わった人物や、とんぼのライバルになるキャラクターも出てきて、その人物たちもそれぞれの魅力を持っている。


 そんなわけで、私の説明力では「おーい!とんぼ」の面白さを語れた気はまったくしないが、間違いなく面白い作品なので、機会があったらアニメを見たり、漫画を読んでみてほしい。

最近のアニメはみんなレベルが高い。

けど、おもしろさの意外性では「おーい!とんぼ」が1番感じましたね。ゴルフ漫画侮り難し。

ぜひ「おーい!とんぼ」を見てみてください。

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― 新着の感想 ―
[一言] 漫画の方にハマってしまったので、全巻揃えてしましました。 いろんな事情を抱えつつも、みんなゴルフが好きなんだなぁと、思えるところが読んでて楽しいです。
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