第五笑 来客ー騒動ー光
六月上旬
「あっぢ〜しんどい〜」
誰もいない部屋で一人で喋ってた。
(ドンドン)
「は〜い」
誰だろう?
「よいしょ」
ドアを開けると小学生くらいの男の子が立っていた。
「どうしたのかな?」
しゃがんで聞いた。
「隠れさせて」
そう言って部屋に入ってった
「ちょっと待って」
「誰が来てもいないって答えてね」
何かしたんだろうか?
「わかったよ」
隠れんぼかな…
(ドンドン)
「は〜い」
また誰か来た…
佑香ちゃんだ。
「すいません小学生くらいの男の子こなかった?」
「来てないな〜」
って言えばいんだよね。
「そうすか失礼しました…」
「何かしたの?」
「なんでも……ない…です」なんかあったんだな…
佑香は探しに戻ってった…
「さぁて少年何したんだ?」
「お前には関係ないだろ」
気が強い子だな…
「兄弟喧嘩でもしたな?」
「兄弟じゃないし…」
佑香ちゃんに雰囲気そっくりだな〜
「そっか〜じゃあいいや」
「しつこく聞かないのか?」
「どうせ答えないでしょ」
「まぁそうだけど…」
「じゃあ聞いても意味ないじゃん」
「……お前…アホだな……」
「アホ言うな」
三十分後
(ドンドン)
また佑香ちゃんかな…
「遥〜」
健太さんか…
「なんですか?」
「かくしてくれ」
この人もか…
勝手に入る健太さん
「誰が来てもオレがいるって言うなよ」
「わかりました」
「サンキューな遥…
こいつ誰?」
そういえばオレも名前知らねえな…
「少年Aです」
「川下隆です」
「オレは高岡健太
川下って子とは佑香の弟か?」
「違います」
仲良さそうなカンジだな〜
(ドンドン)
今日は来客が多いな…
「遥ちゃ〜ん」
「なんですか」
青空さんか。
「隠して〜」
この人もかよ…
「いいですよ」
「いや〜聞いてよ〜」
入ってきながら喋る青空さん
「健太がさ〜煙草吸ってさ〜約そ……
健太…」
ちょっとした修羅場かな……
「何でここにいんのよ?」
「お前が後から来たんだろ」
ここで喧嘩すんのかよ
「あの二人ともここで喧嘩は…」
「お前は
「遥ちゃんは
「「出てくんな」」
「はい……」
二人圧倒されるオレ。
「お前って弱いな〜」
どうしよう…喧嘩…ヤベ……な……け……
プチン
「あああぁぁ!!」
「「………」」
「どうしたんだよ…いきなり…」
「……ワリィな少年」
「ごめんね遥ちゃん」
「すまんな遥」
何だろう…ボーッとする……
「どうしたん大きな声してんけど…」
チカか…
「何でもないよ」
「大きな…声…したけど……なんか?」
七奈…
「何でもないよ?」
「なんかしたのか?」
小暮さん…
「なんでもないです」
「本当にか?」
「本当です」
ちょっとだけど嘘をついた…
「ならいんだけどな……」
心配そうな小暮さん
オレは皆にことわってから外の空気を吸いに出た。
「何してんの?」
なんか声がする。
「誰?」
「あんた馬鹿にしてんの?目の前にいるじゃない」
目の前って言われてもオレの視界は真っ暗だ。
「佑香ちゃんかな」
「そうだけどさ……
大丈夫?なんかおかしいよ」
「佑香ちゃんこそ
声に元気がないよ」
「そんなことないよ…」
そう言われると足音が遠くなっていった。
オレの目にも光がちょっとずつ入ってきた。