第一笑 返し忘れー悲鳴ー返金
引っ越して一週間がたった。
未だに205号室の人にはまだ会ったことない……
今日こそは挨拶したいな。
(ドンドン)
「こんにちは〜」
返事はない。
今日もいないな〜
「遥ちゃ〜ん何してんの?」
青空さんだ。
「ここの部屋の人に挨拶しようと思って…」
「ああ〜七奈ちゃんね〜……………また居留守か……」
「なんか言いました?」
「ん〜何にも〜」
なんか隠してるな…
「どうすればこの部屋の人に会えるんですか?」
「頑張れば会えんじゃない」
頑張ればね……
「まぁ〜頑張りな〜」
手を振りながらどこかに行ってしまった。
まぁなんとかなるか…
夕方
オレはまたラーメン屋にきていた。
「お会計700円になります」
700円払ってラーメン屋をでた。
二回も金持たずにきたんだよな〜
女の子と青空さんに助けられたんだよな〜
「あっ金返してねぇや」
アパートついたら返そう。
アパートにつくと、オレの部屋の前に大家さんがたっていた。
「返せ!!」
いきなり強く言われてビックリした。
「お金借りてましたっけ?」
「金じゃねぇよ!!」
大家さんかなり怒ってんな…
「なに借りましたっけ?」
「封筒のやつ!!」
「あっはい!!持ってきます」
オレは急いで部屋にはいった。
「これですか?」
大家さんは中をみて
「これだよ
怒鳴ってゴメンね」
「いえ〜こちらこそ遅れてすいません」
(バタン)
「ビックリした〜
そんなに大事なもんなのかな〜」
そんなことを考えながら玄関でボーッとしてた。
気付いたら九時半だった。
こんな時間か…
飯作んなきゃな〜
「きゃあぁぁぁあ〜!!」
外から声がした。
急いで出てみると…
青空さんがしゃがんでた。
「どうしたんですか?」
オレが聞くと小さい声で
「………虫…」
そんなことかよ……
っと思いながら周りをみてみると皆出てきていた。
小暮さんも出てきたんだ。
ん?……205号室の人は出てきていなかった……
「青空さん質問していいですか?」
「205号室の人は、今部屋にいないんですか?」
「えっ九時すぎてるからいると思うよ」
「そうですか…」
いるのか……
「夏美さん虫がどうしたって?」
小暮が聞く
「目の前にきたもんだから……つい……」
「夏美さん虫くらいで………」
「なっちゃんはもうしゃ〜ないな〜」
「しっかりしてくださいよ」
「夏美戻るぞ」
次から次に部屋に戻って行く。
(ドンドン)
「こんばんは〜誰かいませんか〜」
(………)
返事なしですか……
もういいや戻ってまた明日だ…
(ガチャ)
「あの…青空さんどうかしたんですか?」
後ろから声が聞こえた。
「いや〜虫にビックリし……」
後ろを向きながら言うと……
「700円の…」
オレは途中で止まってしまった。
「ラーメン屋の…」
相手も止まっていた。
「あの〜これ返します
700円」
「あ…ありがとうご…ざ…います」
ものすごいカタコト…
「それじゃ」
ドアをしめようとする七奈。
「ちょっと待って」
「なん…で…すか?」
オレは急いで部屋に入りあるモノを持ってきた。
「これつまらないものですけど…」
「あ…ども」
「オレこの前引っ越してきた片瀬遥っていいます
よろしく」
「私は山田七奈
よろしく」
オレは探してた女の子と会えなかった隣人にやっと会えた…。
なんか疲れたな〜
もう寝よ…