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Chapter1-13

登場人物追加です。初見の方はホームページでご確認ください。


http://nexton-net.jp/sengoku-koihime/

ここは京のとある街中のこと


地面が微弱な横揺れから突発的に大きな縦揺れとなる。


「地震!地震だぁー!!」


町人達が騒ぎ出す。

この戦国時代、つまり室町後期に耐震建築など存在しない。大きな地震が起これば町のあらゆるところから物が倒れる音、屋根から瓦が落ちる音、柱が折れる音、中には人の悲鳴なども聞こえてしまう。



数十秒、いや一分ほどだったろうか。ようやく地震がおさまる。


「揺れが止まった……。ふぅ……急になんだってんだ、まったく」




ーーーーーーーーーーーーーー




こちらも京にある屋敷の一室のこと


「一葉様!ご無事でしょうか!?」


金髪で片目を隠した女性が襖を開け飛び込んでくる。


「騒ぐな、地震であろう。気づいておる」


そんな慌ただしく入ってきた女性とは正反対に、答える一葉と呼ばれる足元まであろうか長い艶やかな銀髪の女性は落ち着き払っていた。


「御身にお変わりは?」

入室してきた金髪の女性が再度問いかける。


「死んでしまいたくなるほど手持ち無沙汰である以外は問題はない。お前はどうだ?双葉」


一葉と呼ばれた呼ばれた女性が一緒にいた肩ほどまで長さの黒髪で髪飾りをつける少女に問う。


「はい。私も特に変わりはありませんが……町は大丈夫なのでしょうか?」


「当地では大きな被害はありません。ですが大和辺りの被害が酷いとか……。調べますか?」


町の心配をする双葉と呼ばれる少女を見て、金髪の女性が聞く。


「いや、いい。今この館から人手を出す方が手痛い。貴様もここに残れ」


一葉と呼ばれる女性が命を出す。これを聞いた金髪の女性は返事をして退出していった。



「ふぅ………」


「お姉さま?」


銀髪の女性、一葉が漏らすため息に双葉と呼ばれる少女が首を捻る。


「……凶兆であれ、吉兆であれ。この世ですでに置物となった余には、もはや是非もない」


「そんな悲しいことを仰いますな。お姉さま」


もはや諦めたかのように話す一葉に、双葉は寂しそうな顔で返す。


「悲しい、か。すでにそのような心さえも、どこかに置き忘れてしもうたわ。………余をこの二条城から連れ出してくれる者が、この天地のどこかに射てくれることを切に切に願う……」


一葉と呼ばれる女性が館の外を、その先にある空を見ながらそんな言葉を口にするのであった。


その一室に流れる空気はどこかに寂しさを醸し出していた。





ーーーーーーーーーーーーーー





ここは久遠の屋敷の遼太郎が間借りする一室


「う、んん………」


遼太郎が目を覚ます。


「うう、体のあちこちが痛ぇよ


節々の体の痛みに毒づきながら遼太郎は体をおこす。


(結局どうなったんだっけ?)


遼太郎は気を失う前の出来事を思い出そうとする。


(あれが御家流ってやつの力なのか?それとも壬月さんの素のちからなのかな?)


「あ、あのぉ~」


そんなことを考えていると、遼太郎の眠っていた布団の横に座っていた橙色の髪の少女が声をかけてきた。


「うぉっ!?びっくりしたー」


誰もいないと思った寝室に、見知らぬ少女がいたため遼太郎は驚いてしまう。


「あの、私!木下藤吉郎ひよ子秀吉といいます!お殿様より遼太郎さまのお世話を命じられました。今後ともよろしくお願いします!」


「あ…あぁ、よろしく…」


遼太郎はとりあえず返事を返すも少女が名乗る名前に気を引かれていた。


(あれ?木下藤吉郎って確か豊富秀吉の名前だったよな?)


久遠が信長と名乗っていたような前例もあり、遼太郎は目の前の少女が秀吉であることを受け入れるのだった。


「それで、ええっと木下さんだっけ?」


遼太郎が目の前の少女に話しかける。


「はい!あ、でも遼太郎さまは私の主になりますので、ひよ、と呼び捨てになってください」


「了解。で、その主って言うのはどういうこと?」


「それは、ええっとすいません。遼太郎さまの世話をするってこと以外は、まだお殿様から何も聞いていなくて。遼太郎さまが目覚め次第二人で城にこいしか………」


遼太郎の問いにひよ子は困った顔をした様子である。


「そうか、じゃあとりあえずこれからよろしくね」


遼太郎はそういって頭を下げる。


するとひよ子はびっくりした様子で

「ひゃあ!そ、そんな滅相もない!頭なんて下げないでくださいよぉ!」


遼太郎とひよ子がそんなやり取りをしていると、部屋に帰蝶がお茶をもって入ってくる。


目が覚めたのね、と言いつつ帰蝶がお茶を遼太郎に渡す。遼太郎は受け取ったお茶をすすりながら、ふぅと一息をつく。


そんな様子の遼太郎をみて、

「壬月に負けたのに呑気なものね」

と呆れたように帰蝶が言う。


「あー、やっぱり俺の負けかぁ。それで、その後どうなったの?」


帰蝶から負けの判定を聞かされ、改めてあの勝負の経緯を噛み締める。


「その後、家中の者とあなたの立場を話し合った結果、一応認めるという結果になったわ。一応ね」


「おっ?それなら俺は晴れて織田家に居候できることになったのか」


「私にとっては残念ながら、だけどね。でも、それ相応には働いてもらいますから」


帰蝶からの言葉にようやく肩の荷が下りたような感覚になる遼太郎。そして同時に働くというワードが気になるのであった。


「働くって言うのはどういうことだ?詳しくは久遠に聞けばいいのか?」


「そうね、久遠から軽く聞くところだとあなたを中心に部隊を…とか言ってたわ。とりあえずそこのひよがあなたの部外者第一号ね」


これまた、聞いていない決定事を聞かされあたまを悩ます遼太郎。


「とにかく、詳細は久遠から聞いて。ほら、ひよ。遼太郎と登城するんでしょう?」


「あっそうです!遼太郎さま!久遠のさまが目が覚めたら城にとのことです!」


帰蝶の促しによりひよ子は本来の目的を思い出す。


「そういうことなら、行こうか」


そして、遼太郎とひよ子は久遠の屋敷を後にするのだった。




城への道中、ひよ子は遼太郎の二歩ほど後ろをテコテコとついていく。


「あのさ、どうしてそんな後ろを歩くの?」


さすがに気になってしまうため、遼太郎は疑問を口にする。


「はい。それは遼太郎さまはお殿様の旦那さまですので、私なんかが並んでしまうと遼太郎さまのご身分に障りますし……」


この言葉にたまらずびっくりしてしまう遼太郎。この世界に来てから初めて身分のことを思い知ったのだ。遼太郎は、ひよ子の言葉から自分の立場というのを改めて実感をした。


「マジかー、それは俺が隣を歩いてってお願いしてもダメなやつかな?」


遼太郎はひよ子にそんなことを言う。遼太郎とてそんなの形だけで、偉い身分になったつもりなど更々ない。出来ればもっと親しい仲間として接してほしいと心中では考えていたりする。


「えっええ!?そんな事言われても……恐れ多いですよ…」


ひよ子は困った様子でおろおろしてしまう。


「どうか頼むよ。ほら仲間としてもっと頼り合うにはそっちの方がいいだろ?」


「仲間として…頼り…ですか?」


遼太郎の言葉にひよ子が何か思うところがあるのだろうか。少し考えたる様子を見せる。


「そうそう、これから部隊?でやっていくんだろ?それなら仲間関係はなおさら親密な方がいいでしょ」


遼太郎もひよ子が納得してくれるように言葉を尽くす。


「そ、それなら、これからは側にお仕えしてお慕いさせていただくって言うのではダメでしょうか?」


するとようやくひよ子は自身の中で納得ができたようで遼太郎にそう告げる。


「お、そんな風に言ってくれて嬉しいな。これからよろしく頼むよ」


「はい!お頭!」


そういってひよ子は遼太郎のもとまで寄ってくる。


部隊の長と言うことで、ひよ子は遼太郎を、お頭と呼ぶようになる。


(ただの学生であった俺が、秀吉を部下にするなんてなぁ)


現実から考えれば凄いことだ、などと遼太郎は思いながら、二人は城下町の通りを進んでいくのであった。







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